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【コスプレビフォーアフタ― アーカイブ】毎週更新! 美人レイヤーの“素顔”大公開

ゲーム会社で活躍する美女、自分嫌いだった過去「ただの趣味だと思っていたものが自分を変えてくれた」

 日本を代表するポップカルチャーとして、漫画、アニメ、ゲームなどと並び、海外からも注目されているコスプレ。その魅力は、ウィッグや衣装を用意して好きなキャラクターになりきり、作品の世界観に没入できるところにあるという。今回は、ゲーム会社で働きながらコスプレイヤーとしても活動中のよるるさんにインタビューを実施。コスプレが大きく影響した自身の生活のエピソードなどを語ってもらった。

アンチコスプレだった学生時代「似せたところでキャラになれるわけじゃないと思っていた」

    ――コスプレを始めたきっかけは?

    【よるる】もともと漫画やアニメは好きだったのですが、コスプレにはあまり良いイメージを抱いていませんでした。どんなに似せても、大好きな2次元のキャラクターになれるわけではないし、場合によっては作品の世界観が壊れることもありますから、コスプレ写真も見たくなかったんです。

    ――そんなよるるさんが、どういった理由でコスプレをすることに?

    【よるる】学生の時、たまたま通りかかったお店のショーウィンドーに『ダンガンロンパ』シリーズの江ノ島盾子ちゃんの衣装が飾ってあったんです。当時、遊んでいたゲームの中でも、いちばん好きな作品のキャラクターだったので、目に留まった瞬間、衝動的に「着てみたい」と思って。試着してみたところ、サイズもぴったりだったので、ついつい買ってしまったんです。

    ――ある日突然、着てみたい衣装に出会ってしまったわけですね。

    【よるる】とはいえ、コスプレ自体に興味がなかったのでコスプレをするために買ったというよりは、“推しのグッズ”って感覚でしたね。当然着る場所もないので、クローゼットの中で1年近く眠らせることになりました。
    ――そのような状況から、もう一度、衣装に袖を通すことになった理由は?

    【よるる】大学4年生のときに、「学生時代にやり残したことってなんだろう?」って考えたんです。「せっかく衣装を買ったんだし、卒業するまでに一度くらいはコスプレをしてみるのもアリかも」と思い立って。ウイッグやメイク道具を買い揃えて、宅コスした写真をTwitterにアップしてみたところ、意外に反応をいただけて嬉しくなっちゃって。

    ――そこからだんだん、コスプレの魅力にハマっていったと?

    【よるる】SNSでやり取りのあったカメラマンさんに、「せっかくならスタジオで撮りませんか?」と誘われたんです。そこで撮ってもらった写真がめちゃくちゃきれいで、作品の雰囲気もしっかり再現されていたんです。このことがきっかけで価値観が変わった…と言いますか、「ちゃんとした技術と環境が揃っていれば、自分なりにアニメの世界観を再現することもできるのかも」ということに気付かされて。そこからは、自分でもコスプレイベントを調べて参加して、大学卒業までの1年の間に、コスプレイヤーやカメラマンの友だちが増えて行きました。

    ひたすら仕事に打ち込んだ社会人1年生「趣味に没頭する時間なんてないと思っていた」

    ――職場活動中、働き始めてからもコスプレを続けることは考えていましたか?

    【よるる】そのころは、仕事とコスプレの両立はまったく考えていなかったですね。コスプレは、あくまでも学生時代の趣味であって、卒業したら、ひたすら仕事を頑張るものだと考えていました。

    ――就職を機にコスプレからも卒業する予定だったと?

    【よるる】そうですね。卒業後はアパレル販売の仕事に就いてがむしゃらに働いていました。土日休みも少ないし、下積みを経験して次のステップを目指していたのでしばらくはコスプレのことも忘れていたくらいでした。けれども、実際に働き始めると「私はきちんと休みがあって、趣味に費やせる時間もないと、精神的にまいってしまう性分なんだ…」って気付いたんです。

    ――趣味に費やす時間が、心の安定にも繋がっていたわけですね。

    【よるる】悩んだ末、いったん仕事をリセットして、改めて真剣にコスプレ活動にも取り組むようになりました。時間に余裕ができてからは、カメラマンの友だちといっしょに初めてコスプレROMも制作したりして。コスプレと並行してきちんと休みの取れる仕事に就職して、「こうやってのんびりコスプレを続けていくのも楽しいな…」と思っていたんです。そしたら、とあるゲーム会社から「イベント開催時は公式コスプレイヤーも務める…といった形で、うちで働かないか?」というお誘いがきまして…。
    ――コスプレがきっかけでスカウトされるとはすごいですね。

    【よるる】もともとゲームは好きだったし、会社の仕事としてコスプレに携われるのも面白そうだと思い、このお誘いを受けることにしたんです。そうしたらさまざまな仕事を担当することになって。

    ――具体的に、どのようなことを?

    【よるる】SNSでの広告展開に深く関わるようになったんです。初めの頃はほぼ毎日、いろんな会社の方との打ち合わせに同席して。そのうち、バナーやリアルイベントで配布するフライヤーデザインなども作ったり。最初のころは、そうした広告・宣伝関係の仕事がメインだったんですけど、日を追うごとに、ゲームの中身に関わる業務も増えてきて、いつの間にか、キャラクターの衣装デザインやゲーム内アイテムの名前…イベントシナリオまで。それらの監修に、なぜか私なんかが関わっていました(笑)。

    ――ひとりでなんでもできちゃいますね!

    【よるる】そんなことないです(笑)。でも、大変でしたけど、未経験でも色々なことをやらせて頂けて、やりがいもありましたし、自信につながったと思います。でも、ちょっと疲れたなって思っているところに、また違うゲーム会社からお声がけをいただいたんです。コスプレ活動がきっかけとなって、どんどん新しい道を切り開けていることに不思議な縁を感じています。

    趣味で得た経験が仕事にも活かせる時代に「コスプレをしたことで、自分の価値が見い出せた」

    ――お話を伺っていると、さまざまな場面で“コスプレから生じた縁”を感じますが、そうした経験を踏まえて、コスプレに対する考え方にも変化はありましたか?

    【よるる】コスプレ活動を隠している人も多いと思うんですけど、今は武器になる時代でもあるのかなって思うんです。今の会社の面接を受ける際にも、履歴書と併せて、コスプレ写真をまとめたポートフォリオも提出させて頂きましたし…。ゲームとコスプレの親和性が高い…というのもありますが、数年前なら、就職活動においてコスプレがアピールポイントになるなんてことはまずなかったので、私自身の考え方というより、世の中のコスプレに対する見解が少しずつ変わってきていることを、そういった場面から感じました。

    ――ファンの方がいるということは、それだけ発信力もあるということですから、十分、アピールポイントになりますね。

    【よるる】こまめにツイートしたり、一生懸命クオリティを高めた写真をアップするといった、より多くの方にコスプレを見てもらうために続けてきた努力も、業種によっては重宝されるんだなぁと思います。私自身、今までは「コスプレは趣味にすぎない」という考え方でしたが、周りの人たちが「その能力は仕事にも活かせるよ」と、自分だけでは気づけなかった新しい価値を、日々のコスプレ活動の中からどんどん見出してくれて。「私にも、意外と社会で活かせる能力があったんだ」と改めて認識できたことが、私の中での、ここ最近のいちばん大きな変化だと思います。
    ――「自分にできることを周りの人たちが気づかせてくれた」というのは、興味深い話ですね。

    【よるる】いつか辞めるときがくると思っていたコスプレですが、今は卒業とかはあまり考えていないですね。私は自分のことがあまり好きではないのですが、コスプレを始める前はもっともっと大嫌いだったんです。今は趣味にも仕事にもやりがいがあって、自分の能力を活かせる場があるのかもって思えるので、前よりちょっと好きになれている気がします。

    ――コスプレイヤーの中には、コスプレ1本で生計を立てている方も大勢いますが、よるるさんはあくまでも、まず仕事があって、その業務の一環としてコスプレにも携わる…というスタンスなんですね。

    【よるる】その形が、いちばん私の性分に合っていると思うんです。逆に、完全にコスプレ1本になってしまうと、「いつか楽しくなくなってしまうんじゃないか?」という不安もあって…。コスプレはいつまでも好きでいたいので、今くらいのほどよい距離感で、末永く取り組んでいきたいです。
    取材・文=ソムタム田井
    よるるTwitter:@555yoru

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