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(更新: ORICON NEWS

「筋トレと有酸素運動・ランニング」の効果的な組み合わせで最大の成果を出す方法【プロが教える筋トレ】

筋トレと有酸素運動は、単独で行っても効果はあるが、組み合わせて行うと相乗効果を生み出すことができる。

今回は筋トレとランニングを組み合わせることによるメリットや、目的別の効果的な組み合わせ方を紹介する。

著者・監修者プロフィール

和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。

Official site:https://wada0129.wixsite.com/takumiwada(外部サイト)

Facebook:https://www.facebook.com/pt.wada(外部サイト)

筋トレとランニングの相乗効果とは?

筋トレとランニングを組み合わせると、どのような相乗効果が起こるのだろうか。
ここでは、筋トレとランニングを組み合わせることによるメリットについて解説していこう。

ボディメイクの効率化

ボディメイクの基本は、筋トレによって筋肉量を増やし、ランニングなどの有酸素運動でできるだけ脂肪を減らすことだ。両方を組み合わせることによって、効率よくボディメイクを進めることができる。

筋トレを行うことによる筋肥大は、見た目だけでなく基礎代謝量を向上させ、ランニングによる脂肪燃焼効果を高めることができる。
また、筋トレが終わったあとも数時間は代謝が高く、エネルギーが消費されやすい状態となるのだ。

筋トレの消費カロリーはそれほど多くない。脂肪燃焼という観点でみると、筋トレは適していない。そこで、ランニングを組み合わせることで、相乗効果を生み出す。

また、有酸素運動によって減少した体重の中には、筋肉量の減少も含まれている。筋トレによって筋肉量を維持・向上させることも、お互いのデメリットを打ち消すことができるのだ。

筋トレの質を向上させる

ランニングで有酸素機能を向上させることは、筋トレの質の向上にもつながる。
有酸素性機能が役立つのは、セット間など筋トレ中の休憩時だ。

休憩時は、筋トレの疲労を少しでも回復させ、次のセットに臨む際の筋力を回復させることが必要だ。その際に有酸素性機能が高い方が、回復が早いのだ。
回復が早ければ、次のセットでも高い負荷で行うことができ、トレーニング全体の質が高まる。

ランニングのパフォーマンス向上

速く走ったり、長く走るなど、ランニングのパフォーマンス向上のために筋トレは効果的だ。

筋力を強化することで、ランニングスピードの向上だけでなく、膝や腰、股関節などの関節を安定させ、ケガを防ぐことにもつながるだろう。
筋トレによって筋持久力を高めれば、今まで以上に長く走ることもできるようになる。

行う順番には注意が必要

このように、筋トレとランニングを組み合わせることで、様々なメリットを得ることができる。しかし、注意したいポイントがある。それが筋トレとランニングを行う順番だ。順番によっては、目的とした効果を得られない場合があるのだ。

ダイエット効果を最大化するためのトレーニングプラン

ここからは、
・ダイエット効果
・筋力向上
・持久力向上
の目的に合った、それぞれのやり方を紹介していこう。

ダイエット効果を得るための順番

ダイエット効果を最大化するのであれば、「筋トレ」→「ランニング」の順番で行うことをおすすめする。

筋トレを先に行うことで、成長ホルモンの分泌を活発にし、成長ホルモンの働きを活用するためだ。
成長ホルモンは、脂肪の分解を促す働きを持つ。
筋トレで成長ホルモンを多く分泌させておくことで、体脂肪が分解されていき血中に流れ込み、燃焼されやすい「遊離脂肪酸」に変化する。その状態で脂肪燃焼効果の高いランニングを行うことで、効率よく体脂肪を燃焼していくのだ。

この順番がダイエットに効果的であるのは、実際の研究でも明らかになっている。
研究では、筋トレ後に60分間の有酸素運動を行なうと、最初から有酸素運動を行うよりも脂肪代謝が20%も上がったという報告があるのだ。

逆に、有酸素運動→筋トレという順番にしてしまうと、成長ホルモンの分泌が起こりにくくなり、脂肪燃焼効果が低くなるという研究結果もあるので注意が必要だ。

自宅でもできる筋トレ

筋トレもランニングもとなると、トレーニング時間が長くなってしまう。ダイエット目的であれば、脂肪燃焼効果の高いランニングの方を優先して行いたいところだ。
その場合の筋トレは、大きい筋肉や複数の筋肉をターゲットとできる種目を選ぶのが効率的だろう。
ここでは、自宅でもできるおすすめの筋トレを紹介する。

プッシュアップ

プッシュアップは、胸の筋肉「大胸筋」をメインに、肩の筋肉「三角筋」、腕の裏側「上腕三頭筋」を同時に鍛えるエクササイズだ。
筋力が弱いと、強度が高すぎて動作ができない場合がある。その場合は、膝を曲げ、膝を床について動作を行ってみよう。可動域が狭くなってしまうなら、膝をついて強度を落とし、可動域をフルに使った方が効果的だ。
【プッシュアップのやり方】
1.手幅は、肩幅よりも拳2個分外側に広げて床につき、腕立て伏せの姿勢になる。
2.肘を曲げて体を下していく。胸が床につくくらいの位置まで下ろすと効果的。
3.下せるところまでいったら、肘を伸ばしていき、体を持ち上げて元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。

ワイドスクワット

下半身全体を鍛えるスクワットも、「大腿四頭筋」や「大臀筋」、「ハムストリングス」など一度に複数の筋肉を鍛えることができる効果的なエクササイズだ。今回は、オーソドックスなスクワットよりも足幅を大きく開いて行うワイドスクワットをおすすめしたい。足幅を広げることで、内転筋群に刺激が入りやすくなる。
ただ、オーソドックスなスクワットよりも、バランスをとるのが難しくなるので動作やフォームに気をつけて行おう。
【ワイドスクワットのやり方】
1.足を肩幅よりも拳2〜3個分程度外側へ開き立つ。つま先を45°程度外側へむけ、両手は胸の前で組む。
2.胸を張り軽く腰を反らせた姿勢を保ったまま、股関節と膝を曲げて体を下げていく。つま先の向きと同じ方向に膝を曲げ、膝が内側に入らないように注意しよう。
3.太ももが床と平行の位置まで体を下げたら、股関節と膝を伸ばして元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。


ショルダープレス

三角筋と上腕三頭筋を鍛えるショルダープレスもよいだろう。ダンベルが自宅にない場合は、ペットボトルなどを代用してもよい。
【ショルダープレスのやり方】
1. ダンベルを両手に持ち立ち、イスに座る。
2. 肘の角度が90度になるようにダンベルを肩の上で保持する。
3. 手のひらを正面に向けたまま、頭上にダンベルを持ち上げるように肘を伸ばしていく。この時、ダンベルは常に肘の上で保持するように動作を行うこと。
4. 上まで持ち上げたら、ゆっくりとダンベルを下ろしていき、2の姿勢に戻る。
5. この動作を繰り返し行う。

ベントオーバーロウ

ダンベルベントオーバーロウは、背中の筋肉「広背筋」や腕の筋肉「上腕二頭筋」を刺激するエクササイズだ。自宅でもできる背中のエクササイズは多くはない。全身を均等に鍛えるためにも、ベントオーバーロウを取り入れることをおすすめしたい。
【ベントオーバーロウのやり方】
1. 肩幅くらいに足を広げて、軽く膝を曲げて立つ。両手にダンベルを持ったまま、上体を前に倒し、胸をしっかり張った姿勢になる。
2. 肩甲骨を寄せるように意識しながら、脇腹へダンベルをひきつけるように肘を曲げていく。
3. 持ち上げられるところまで上げたら、ゆっくりと肘を伸ばしていき元の姿勢に戻る。
4. この動作を繰り返し行う。

筋力増強を目指すための最適なアプローチ

次に筋力・筋肥大を目指すためのトレーニングプランを紹介する。

有酸素運動の量に注意が必要

筋肉量を増やすことが目的なのであれば、筋トレとランニングの組み合わせ方に気をつけよう。
筋トレの後にハードな有酸素運動を行ってしまうと、筋力向上や筋肥大の効果が低くなってしまうという研究がある。

筋力増強や筋肥大したい場合、筋トレとランニングの実施日を別日にしたり、脂肪を減らす減量期にランニングを集中させるなど、トレーニングプランを工夫する必要があるだろう。

持久力を向上させるための効率的なトレーニング

最後に持久力を向上させ、ランニングのパフォーマンスを高めるトレーニングプランを紹介する。

持久力を高めるならランニングを先に

ランニングのパフォーマンスを高めたいなら、ランニングがメインのトレーニングとなる。ランニングを先に行うようにしよう。
疲れていない状態でランニングを先に行うことで、筋肉の疲れなどからくるフォームの崩れなどを防ぎながら、良いフォームや動作で行うことができる。筋トレはあくまでも補助トレーニングとしての位置づけになるだろう。

筋トレの後のランニングでは、ランニングエコノミー(無駄なエネルギーを使わず効率的に走ること)が低下するという研究結果もある。

筋力と筋持久力の両方を高める

長い時間走っても疲れにくい体を作るには、筋トレの方法にも気をつけよう。
筋力を高めるには、5〜7回程度で限界になる高負荷×低回数で行うが、筋持久力を高めたい場合は12〜20回程度で限界になる低負荷×高回数で行う必要がある。

ランニングのパフォーマンスを高めるなら、疲れにくくなる筋持久力だけでなく、ランニングエコノミーを高める筋力も増やしておきたい。筋トレのメニューは筋力と筋持久力の両方を上手くプログラムし、メニューを組み立てよう。

効率的なトレーニングのために知っておくべきポイント

最後にトレーニング効果を高めるための、総合的なトレーニング戦略を紹介していく。

目標の設定を適正に

トレーニングを行うということは、最終的な目標があるはずだ。その最終目標を適正に決めるということが、トレーニングの効果を引き出すポイントだ。

目標は、「いつまでに」「どのくらい」「何のために」をしっかり決めることが重要だ。

例えば、
●ダイエット目的:露出が増える夏までに〇kg痩せて体を引き締め、魅力的な体を作る
●筋力・筋肥大目的:〇ヶ月後に行われる競技の大会に向けて、今より10%筋力を高める
●持久力目的:〇ヶ月後に行われるマラソン大会に向けて、自己ベストを〇秒縮める
などだ。その目標に合わせて、逆算しながらトレーニングメニューを作っていこう。
ただやみくもに筋トレやランニングを行っても、効果をなかなか実感できないだろう。

目標設定の仕方については、「筋トレが続かない原因と克服方法」を参考にしてほしい。

ウォーミングアップやクーリングダウンもトレーニングの一環

トレーニングの質を高めたり、ケガのリスクを減らすこともトレーニングの一環だ。そのために、ウォーミングアップやクーリングダウンはしっかり行おう。

ウォーミングアップは、筋肉の温度を高めることが大切。筋温が高まることで、筋肉が伸びやすくなり、ケガのリスクを抑えることができるのだ。

暑い時期はまだいいが、寒い時期になると、なかなか筋温は高まらない。筋温が高まりにくい時期は、ウォーミングアップとして軽くランニングを取り入れ、筋温を高めてから筋トレを行うとよいだろう。

また、クーリングダウンで、運動による疲労を取り除いておくことも大切だ。疲労によって、筋肉が緊張し、柔軟性が低下してしまうからだ。
筋肉が張った状態で急激に筋肉にストレスがかかると、ケガを引き起こす。
トレーニング後は、ストレッチやマッサージ、入浴などで、筋肉の状態を整えておくことが、トレーニングの質の向上につながる。

トレーニングだけではダメ、体を作るのは栄養だ

体を作るのは栄養だ。トレーニングをどれだけ頑張っても、適切な栄養摂取ができていなければ、体も変わっていかない。特に筋肉の元となるたんぱく質は、スポーツに励む人には欠かせない栄養素だ。

たんぱく質は、肉や魚、卵、乳製品など、普段の食事からでも摂取できている。しかし、体を変えるなら、いつも以上に多くのたんぱく質を摂取する必要がある。

食事からたんぱく質を多く摂取しようとすると、食事量が多くなり、カロリー過多の心配もでてくる。そのため、サプリメントをうまく活用とよいだろう。プロテインやアミノ酸を活用することで、余計な栄養素を極力摂らずにたんぱく質だけを摂取することができる。

まとめ

どうせ行うなら、少しでも効率よく体を変化させたい。そのためには筋トレとランニングを、目的に合わせて効果的に組み合わせ、相乗効果を生み出そう。

今回の記事で紹介した内容の中から、各々のトレーニングの目的に適した組み合わせ方をチェックし、実施し、体づくりに活かしてもらえれば幸いである。
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