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「筋トレが続かない原因」と克服方法【プロが教える筋トレ】

筋トレを始めることは、多くの人にとって健康や体型維持のための重要なステップだ。しかし、成果を感じたり、目標まで到達するまで継続し続けるのが難しいと感じる人も多いのではないだろうか。この記事では、筋トレが続かない原因とその克服方法について詳しく解説していく。

著者・監修者プロフィール

和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。

Official site:https://wada0129.wixsite.com/takumiwada(外部サイト)

Facebook:https://www.facebook.com/pt.wada(外部サイト)

筋トレが続かない理由

筋トレが続かないのには、いくつかの理由があるはずだ。もし挫折した経験があるのであれば、あてはまっているものがないかチェックしてみよう。

1.効果を感じられない

頑張ってつらい筋トレをしているのにもかかわらず、体つきが変わらない。そう感じた瞬間、一気にやる気がなくなってしまう。筋トレが続かない理由の多くは、筋トレの効果を感じることができないことにある。

2.筋トレの効果がすぐに出ると思っている

筋トレの効果が体の変化となって現れるまでには、時間がかかる。筋トレ初心者の中には、すぐに効果が出ると思っている人もいるかもしれないが、その考えのまま始めてしまうと、筋トレを挫折してしまうことにつながる。
目に見えて体が変化するには、最低でも2〜3カ月はかかるだろう。体を変えるには、長期的に取り組む必要があるということを頭に入れておかないと、続かない理由の一つとなってしまう。

3.目標があいまい

筋トレを行うということは、期待している目的や、こうなりたいという目標があるはずだ。しかし、その目標があいまいだと、筋トレが続かない原因になる。

多いのが、「痩せる」「細くする」「大きくする」などのざっくりとした目標だ。例えば「痩せる」のであればどのくらい痩せたいのかが決まっていないと、どのように筋トレを進めていけばいいか決めにくく、プログラムを組むのも難しくなってしまう。

また、健康・体力維持のためという目標も、危ない。なぜなら、効果を感じにくいからだ。

4.目標に無理がある

先述の通り、具体的な目標は必要だ。しかし、その目標設定に無理があると、筋トレは挫折しやすくなる。

例えば、「10kg痩せる」「体脂肪率10%以下に」などは、かなり難しい。筋トレを始めたばかりの頃は、高い目標がやる気にもつながるため問題はないだろう。
しかし、高すぎる目標を達成するまでには、かなりの努力と時間を要する。目標を達成するのが無理だと思った瞬間、筋トレへの情熱は冷めてしまう。

5.何をすればいいかわからない

「知識の不足」による筋トレの挫折は、初心者に起こりがちだ。

初心者の場合、どのトレーニングを行えばいいのかの知識が少なく、作成されたメニューをこなすだけのトレーニングになってしまいがちだ。
負荷設定やエクササイズの選択、刺激の違いなどをしっかり理解していないと、毎回同じトレーニングとなってしまい、効果が出ないだけでなく、マンネリ化してしまう。

6.完璧を求めすぎる

やる気が高まっている時に決めたトレーニング頻度やスケジュール、ルールなどはあてにならない。なぜなら、「完璧を求めすぎる」ことが多いからだ。

「週に○回はジム」「〇曜日と〇曜日はジムの日」などのスケジュールは、計画通り実行できなかった場合、徐々にやる気が落ちていく。筋トレの予定を1回サボってしまうと、色々理由をつけてサボりがちになってしまうのだ。

明確な目標設定の重要性

筋トレが続かない原因の一つにも挙げたとおり、筋トレを続けるためには、具体的かつ達成可能な目標を設定することが重要だ。ここでは、明確で無理のない目標設定の仕方を紹介する。

SMART法の活用

目標設定の方法は色々あるが、ここでは効果的な目標設定のための代表的なフレームワークであるSMART法を参考にしてみよう。
SMART法で目標を定めるときは、以下の5つの基準に沿って設定する。

@Specific(具体的)

目標は具体的で、明確かつ具体的な内容を定める。
「何を」「なぜ」「どのように」をしっかり考えよう。

AMeasurable(測定可能)

目標は測定可能でなくてはならない。
進捗や達成度を定量的に確認できるようにするためだ。

BAchievable(達成可能)

目標は、現実的で達成可能であるべきだ。
目標は高めに設定しつつも、無理のない範囲で設定する。

CRelevant(関連性)

その目標は、何のためにあるのか。
自分にとってどのような意味があり、どのくらい重要であるものか考えよう。

DTime-bound(期限)

目標には、明確な期限が必要だ。
期限を設けることで、緊急性とモチベーションを高めることができる。

SMART法の目標設定の例

では、このSMART法を使って目標を設定すると、どのようなものになるか、例を挙げて紹介してみよう。

【例】体重を減らす

@Specific(具体的):「体脂肪を減らすために週に5回、毎日30分間ジョギングする」
「何を」→ジョギングを 「どのように」→週に5回 毎回30分 「なぜ」→体脂肪を減らすため
AMeasurable(測定可能):「1ヶ月で2キロの体重を減らす」
1か月ごとに体重がどのくらい減ったのか、数値として確認する。
BAchievable(達成可能):「3ヶ月で5キロの体重を減らす」
達成できる範囲で設定しつつも、高い目標を掲げる
CRelevant(関連性):「健康を改善するために体重を減らす」
健康状態を改善するためなど、何のために体重を減らすのかをしっかり意識する
DTime-bound(期限):「3ヶ月以内に6キロ体重を減らす」
「いつ」→3ヶ月以内に、というように、期限を決める
このように、SMART法を活用することで、具体的で達成可能な目標を設定し、効果的に目標に向かって進むことができるだろう。

モチベーション維持のテクニック

筋トレを継続していくには、定期的にモチベーションを高める工夫が必要だ。ここではモチベーションを維持するテクニックを紹介していく。

1.中間目標を立てる

最終目標を達成するまでには時間がかかるうえ、難易度が高い。まずは、そこにたどり着くまでに続けるモチベーションを維持することが重要だ。そのために、中間目標を設定しよう。

中間目標は最終目標から逆算すること。一つ例を挙げてみよう。
【例】最終目標:3ヶ月後までに5kg体重を落とす

@ジムに週2回は足を運ぶ(小さな目標)
↓達成できたら
A1kg体重を落とす(小さな目標)
↓達成できたら
B3kg体重を落とす(小さな目標)
↓達成できたら
B5kg体重を落とす(最終目標)
目前にある中間目標を一つ一つクリアしていくことで、成功体験を重ね、モチベーションを維持させたり、運動を習慣づけ、最終目標を目指そう。

2. 頑張ったらご褒美を

体の変化など筋トレの効果を実感するまでは、モチベーション維持のために「ご褒美」を設定するといいだろう。
中間目標を設定したら、自分自身にご褒美を与えるのだ。

ご褒美の内容は何でもいい。例えば、欲しかった物を買うでもよいし、好きなものを食べるでもよい。チートデイもご褒美の一つだ。

ある程度運動が身についてくると、ご褒美がなくても筋トレを継続できるようになる。その場合は、最終目標を達成したときに大きなご褒美を用意して、自分自身を鼓舞しよう。

3.成果を記録して、こまめにチェック

目標達成までは、こまめに体重や体脂肪率をチェックして数値を記録すること。体の変化を感じられないと、モチベーションが低下するからだ。

その際、体重の増減に一喜一憂しないことも重要だ。なぜなら、体重の増加は、一時的なものであったり、筋肉量が増加したことによるかもしれないからだ。数値だけ見て「太った…」と気落ちしないようにしよう。

そうならないためにも、見た目(体型)も記録することをおすすめする。見た目の変化は、数値に現れない体の変化を見つけることができる。「体重は変化していないけど、見た目は締まってきている!」などはよくあることだ。筋トレを始める前に全身の写真を撮り、定期的に同じポーズで写真を撮って記録していこう。

4.楽しめる要素をプラスする

筋トレ中の気分を高めるために、いろいろな工夫を取り入れてみよう。

例えば、筋トレ中に好きな音楽やモチベーションが上がるBGMを聞きながら行ったり、お気に入りのウエアやシューズを着用するだけでもモチベーションは高まる。

SNSで発信するのが好きならば、筋トレアカウントを作り、日々のトレーニング進捗を共有するでもいい。フォロワーが増えればやる気も上がっていく。

どうせやるなら楽しく筋トレを行うというのがモチベーションを維持するポイントだ。

5.筋トレ仲間をつくる

1人で筋トレを続ける自信がない人は、誰かを誘ってみて一緒にトレーニングしてみてはいかがだろうか。一緒に筋トレしたり、お互いの進捗状況などの情報交換をすることは、モチベーション維持にも効果的だ。

筋トレ仲間は、友人でなくても家族でもいい。お互いのスケジュールを調整してジムに行くということは、サボりにくくなるのだ。そのため、筋トレ仲間を選ぶ際は注意しよう。すぐに約束を破る人や、目標が低い人、諦めやすい人を誘ってしまうと、筋トレ仲間に引っ張られて挫折してしまう可能性がある。

筋トレ仲間は、楽しく一緒に筋トレを行えるだけでなく、お互いが切磋琢磨できる人を選ぶことが大切だ。

6.周りからの評価を得る

筋トレの成果は、自分自身で感じる以上に周りからの評価を得られると嬉しいもの。そのため、家族や友人に筋トレをしていることを伝えておくと評価を得やすい。
家族や恋人など、気心知れた人には、定期的にほめてもらうようにするとよいだろう。

ただ、ほめるのが苦手な人に成果をアピールするのは注意が必要だ。ほめてくれないどころか、逆に嫌味を言われることも。アピールするのも人を選ぶようにしよう。

7.お金を投資する

必ず達成したい目標があるなら、お金を投資してより効率よく行うというのも一つの手だ。パーソナルトレーニングに投資することで、一人で行うよりも最短距離で目標に近づけるだろう。決して安くないお金をかけることで、最後までやり切ろう!という気にもなる。

その他にも、サプリメントやトレーニングギアの購入なども良いだろう。商品の効果を試してみたくなり、筋トレに対するモチベーションが高まるはずだ。

8.理想の体を常に目にするように

理想とする体を、よく目にするところに掲げておこう。こっそりスマホの待ち受け画面にするのもいい。

また、YouTubeなどで筋トレの動画を見ることも効果的だ。好きなボディビルダーやフィジーカーを探して、トレーニングの様子を見てみよう。それだけでも筋トレの意識が高まるはずだ。
おすすめのエクササイズを紹介しているものもあり、エクササイズの知識を増やすのにも役立つだろう。

継続しやすい筋トレメニューと時間管理方法

最後に、継続しやすく短時間で効果的な筋トレメニューを紹介し、忙しい人でも続けられるようにするための時間管理方法を解説していく。

最低でも週2は実施する

体の変化を感じたいなら、最低でも週2回の筋トレは行いたいところだ。週1回だと全身鍛える必要があり、トレーニング時間が長く、辛く感じてしまう。

週2回なら、上半身の日と下半身の日に分けて実施することができ、1回のトレーニングの時間を短くすることができる。集中すれば1時間でもしっかり追い込める。

筋トレを始めたばかりの頃は、できるだけジムに通う頻度を多くした方がいい。週3-4回にすれば、部位をさらに分割して行えるため効果的だ。

※詳しくは、「筋トレの適切な頻度と効果的なトレーニング時間【プロが教える筋トレ】」で紹介しているので参考にしてほしい。

筋トレのスケジュールは、なるべくずらさない

筋トレは「空いた時間で取り組む」と考えてはいけない。なぜなら、筋トレは他のスケジュールに比べ、優先順位が低くされがちだからだ。
大事な予定と同じようにスケジュールに入れておくようにしよう。

やる気がなくてもジムには行く

筋トレを続けていると、「どうしてもやる気がおきない…」という日もある。そんな時は、サボるのではなく、スパだけを活用するつもりでとりあえずジムに行ってみよう。

ジムに到着すると、不思議と筋トレをやる気が湧いてくるもの。筋トレをしなくても、習慣化につながるはずだ。

常に、トレーニングウエア・靴を持ち歩いたり、あえてジムに近い道を通って通学・通勤するのも良いだろう。

まとめ

今回は筋トレが続かない原因と、モチベーションを高めるコツを紹介してみた。もちろん、すべてのコツを取り入れる必要はない。自分に合ったコツを取り入れ、継続するようにしよう。

筋トレが続かないのは初めのうちだけ。中間目標や成果が現れてくれば、やる気は高まり、トレーニングの頻度も高まるはずだ。まずは、運動を習慣化するところまでは頑張って続けてみよう。
⇒【プロが教える筋トレの基礎知識・コツ】TOPページ

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