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(更新: ORICON NEWS

太もも・ふくらはぎの筋トレで足腰を鍛える方法【プロが教える脚の筋トレ】

太もも・ふくらはぎの筋トレで足腰を鍛える方法【プロが教える脚の筋トレ】

年齢を重ねても健康的な日常生活を送るために、今から手に入れておきたい強い足腰。立ったり歩いたりといった日常の動作の基盤となるのは「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」「ハムストリング」「臀筋(でんきん)」「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」など、太腿(太もも周り)、お尻、ふくらはぎの筋肉だ。
また、加齢とともに落ちやすい筋肉である腹直筋、姿勢維持のために欠かせない腸腰筋も合わせて鍛えておくと良い。
今回は強い足腰を作るために効果的な、自宅でできる下半身の筋力トレーニングを「GOLD'S GYM(ゴールドジム)」(運営:株式会社THINKフィットネス)アドバンストレーナーの加藤直之トレーナーに教えてもらった。
【文・監修者プロフィール】
  • ゴールドジム イースト東京 ゴールドジムアドバンストレーナー 加藤直之

ゴールドジム イースト東京
ゴールドジムアドバンストレーナー
加藤直之
【主な経歴】
2017年 アジアボディビル選手権70キロ級 3位
2019日本ボディビル選手権大会 3位
2019世界ボディビル大会70kg級 日本代表
2020年 ゴールドジムジャパンカップ 優勝
2021年 日本クラス別ボディビル選手権 優勝

筋の成長するしくみ

筋は大きなストレス(負荷)を繰り返し受けることでそのストレスに適応して太く発達する。

【筋肥大の誘発ストレス】
(1)強い筋力の発揮 
 →物理的に強い負荷をかける。

(2)筋繊維の微細な損傷
 →筋収縮による損傷、これがシグナルとなり肥大が起きる。

(3)無酸素性代謝物の蓄積
 →筋収縮をすると、乳酸などの代謝物が蓄積され、このストレスで成長ホルモン※(テストステロンなど)の分泌が促される。
※成長ホルモン:新陳代謝を活発にする脂肪分解や筋発達に必要なホルモン。

(4)筋肉を低酸素状態にする
 →肥大しやすい速筋が優先的に動員される。

下半身(太もも・ふくらはぎ・お尻)の筋トレで鍛える筋肉は?

冒頭に挙げた筋肉は日常生活にはもちろん、体のラインづくりにも欠かせない筋肉。鍛えあげられた各筋肉は魅力的な下半身のラインを作り出す。

◆太腿(太もも周り)の筋肉
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
 太腿前面の筋肉。主に膝を伸ばす、股関節の屈曲で使われる。また加齢とともに落ちやすい筋肉であるため、アンチエイジングのために重要。
ハムストリング
 太腿後面の筋肉。主に膝を曲げる、股関節を伸展させる動作で使われる。

大腿四頭筋とハムストリング

大腿四頭筋とハムストリング

◆お尻の筋肉
大臀筋(だいでんきん)
 単一では最大の大きさの筋。主に大腿を後方へ振る働きがある。加齢とともに落ちやすい筋肉であるため、アンチエイジングに重要な筋。
中臀筋(ちゅうでんきん)
 大部分が大臀筋に覆われている。主に太腿を側方へ振る働きがある。美しいお尻のラインを作るために重要な筋。
これらのお尻の筋肉は走行、歩行などの片足立ちの状態で重要な筋。中臀筋には片足状態で骨盤の位置を維持する役割もある。

大臀筋と中臀筋

大臀筋と中臀筋

◆ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)
腓腹筋(ひふくきん)
 ふくらはぎを形成する筋。足先を下方に伸ばす、膝を曲げる働き。
ヒラメ筋
 腓腹筋の下にあるふくらはぎの筋。足先を下方に伸ばす働き。
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、下半身の末端にある毛細血管に血液を循環させる大切な役割も持つ。
◆すねの筋肉
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
 足底のアーチを維持する。

下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)と前脛骨筋

下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)と前脛骨筋




下半身の筋トレ時の足裏ケアの重要性

足裏には安定性を向上させる働きがある。また、重心の位置によって使いやすい筋、使いにくい筋が出てくる。人それぞれ踏みやすい箇所、踏みにくい箇所があるため、トレーニング前には足裏を調整してバランスを整えることをお勧めする。
・ゴルフボールなどを足裏の痛い所をグリグリとほぐす
・足の指が開くように1本ずつほぐす

【トレーニング編】下半身(太もも・ふくらはぎ・お尻)の筋トレで重要なトレーニング・大切なポイント・筋トレ中の呼吸のしかた

強い足腰を作るために効果的な
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
ハムストリング
大臀筋(だいでんきん)
下腿三頭筋(かたいさんとうきん)
その他を鍛えるトレーニングを8つ紹介する。
一般的なスクワットのほか、強度を高めたスクワットやランジ、ヒップスラストなどを行い、下半身を構成する筋肉をバランスよく鍛える。

<効率よく筋トレを行うための大切なポイント>(全筋トレ共通)
各トレーニングの前には器具を用いずに一連の動きを行い筋肉の動きをイメージすると神経伝達が良くなる(アイソテンション法)。トレーニングの際、筋肉の動きを意識しやすくなるので実践してみよう。

<筋トレ中の呼吸のしかた>(全筋トレ共通)
重さをあげるときに息を吐く。そうすると体幹の筋肉が収縮し安定する。
息を止めてしまうと血圧が上がるため、呼吸は止めないで行おう。

【No.1】スクワット(自重orダンベル)−太もも、お尻の筋トレ

臀筋、大腿四頭筋に効果的なトレーニング。下半身を総合的に鍛えられる。自重で行う方法と、より負荷をかけられるダンベルを用いた方法を紹介する。
◆自重で行うスクワット
1.足は腰幅〜肩幅に開き、足先は30°に自然に広げる。両手を反対の方に当て、肘を肩の高さに上げる。

1.足は腰幅〜肩幅に開き、足先は30°に自然に広げる。両手を反対の方に当て、肘を肩の高さに上げる。

2.股関節を引いてしゃがむか、または膝を曲げてからしゃがむ。股関節から動かすか、膝から動かすかはやりやすい方でOK。

2.股関節を引いてしゃがむか、または膝を曲げてからしゃがむ。股関節から動かすか、膝から動かすかはやりやすい方でOK。

(横イメージ)2.股関節を引いてしゃがむか、または膝を曲げてからしゃがむ。股関節から動かすか、膝から動かすかはやりやすい方でOK。

【ポイント】
腰が丸まらない位置まで深くしゃがむ。
【トレーニングの回数】
10回×3セット目安
◆ダンベルで行うスクワット
1.足は腰幅〜肩幅に開き、足先は30°に自然に広げる。腕を真っ直ぐに下ろして、両手にダンベルを持つ。

1.足は腰幅〜肩幅に開き、足先は30°に自然に広げる。腕を真っ直ぐに下ろして、両手にダンベルを持つ。

2.ダンベルは自然にぶら下げしゃがんでいく。

2.ダンベルは自然にぶら下げしゃがんでいく。

(横イメージ)2.ダンベルは自然にぶら下げしゃがんでいく。

【ポイント】
腰が丸まらない位置まで深くしゃがむ。

【No.2】デットリフト(ダンベル)−太もも・お尻の筋トレ

大臀筋とハムスリングをメインに鍛えるトレーニング。ハムストリングのストレッチを意識しながら行う。
1.足は腰幅に開き、足先は正面に向ける。重心をかかとにおいて手は体の横に真っ直ぐ下ろしてダンベルを持つ。

1.足は腰幅に開き、足先は正面に向ける。重心をかかとにおいて手は体の横に真っ直ぐ下ろしてダンベルを持つ。

2.膝を適度に曲げながら、股関節を屈曲させていく。ダンベルは体から離れないようにする。

2.膝を適度に曲げながら、股関節を屈曲させていく。ダンベルは体から離れないようにする。

【トレーニングの回数】
10回×3セット目安

【No.3】ランジ(ダンベル)−太もも・お尻の筋トレ

大腿四頭筋、臀筋を鍛えるトレーニング。ダンベルを用いた方法を紹介する。
1.2でしゃがんだときに、前脚、後ろ脚の膝がそれぞれ90°になるように脚を前後に開いて立つ。

1.2でしゃがんだときに、前脚、後ろ脚の膝がそれぞれ90°になるように脚を前後に開いて立つ。

2.重心をダンベルにして、前後の膝がそれぞれ90°くらいを目安にそのまま真っ直ぐに腰を落とす。左右ともに同じように行う。

2.重心をダンベルにして、前後の膝がそれぞれ90°くらいを目安にそのまま真っ直ぐに腰を落とす。左右ともに同じように行う。

【トレーニングの回数】
10回×3セット目安

【No.4】ブルガリアンスクワット(自重)−太もも・お尻の筋トレ

椅子などを用いてランジをさらに強調したバージョン。ターゲットは前足の臀筋と大腿四頭筋。
1.重心を前足におき、後ろ足の甲を椅子にかける。

1.重心を前足におき、後ろ足の甲を椅子にかける。

2.背筋を伸ばし上体を少し前傾させ、前足の太腿が床と水平になるくらいまで沈める。左右ともに同じように行う。

2.背筋を伸ばし上体を少し前傾させ、前足の太腿が床と水平になるくらいまで沈める。左右ともに同じように行う。

【トレーニングの回数】
10回×3セット目安

【No.5】ピストルスクワット(椅子から)−太ももの筋トレ

椅子を使って片脚でスクワットを行い、大腿四頭筋を重点的に鍛えるトレーニング。
慣れてきたらより低いポジションから立ち上がる。バランスに自信がなければ壁に片手をつくなどしてサポートして行う。
1.椅子に浅めに座り、片足を床につかないように上げる。両手はそれぞれ反対の肩に添える。

1.椅子に浅めに座り、片足を床につかないように上げる。両手はそれぞれ反対の肩に添える

2.重心を前に移動しながら立ち上がる。

2.重心を前に移動しながら立ち上がる。

【トレーニングの回数】
10回×3セット目安

【No.6】ヒップスラスト(ダンベル)−お尻の筋トレ

ダンベルで負荷をかけながら、お尻を上げ下ろしして大臀筋を鍛えるトレーニング。負荷が短縮位で強くかかる種目。
1.肩甲骨の下部をベンチにかける。足は肩幅より少し広めに開き、足先を軽く広げる。ダンベルを股関節に乗せ、手を添えて支える。

1.肩甲骨の下部をベンチにかける。足は肩幅より少し広めに開き、足先を軽く広げる。ダンベルを股関節に乗せ、手を添えて支える。

2.腰を頭の高さまで浮かせる。ダンベルがずれないようにしっかりと手で支える。お尻をキュッとしめる。

2.腰を頭の高さまで浮かせる。ダンベルがずれないようにしっかりと手で支える。お尻をキュッとしめる。

【トレーニングの回数】
10回×3セット目安

【No.7】カーフレイズ&トゥレイズ−ふくらはぎ・すねの筋トレ

下腿三頭筋と前脛骨筋を鍛えるトレーニング。壁に手をついて立ち姿勢で行う方法と、椅子に座って行う方法を紹介する。
◆立ち姿勢で行う場合(カーフレイズ)

1.壁に片手をついて、足を腰幅に開いて立つ。顎は軽く引く。

1.壁に片手をついて、足を腰幅に開いて立つ。顎は軽く引く。

2.ふくらはぎの力でつま先立ちする。

2.ふくらはぎの力でつま先立ちする。

(拡大)2.ふくらはぎの力でつま先立ちする。

(足元拡大)

【ポイント】
より負荷をかけるなら片足立ち、またはダンベルを持って行う。
【トレーニングの回数】
10回×3セット目安
◆椅子を使って行う場合(トゥレイズ)
椅子に深く座り、床にかかとをつけたまま足を左右交互にパタパタと動かす。
1セット30秒で3セット行う。

椅子に深く座り、床にかかとをつけたまま足を左右交互にパタパタと動かす。 1セット30秒で3セット行う。

(右足)椅子に深く座り、床にかかとをつけたまま足を左右交互にパタパタと動かす。 1セット30秒で3セット行う。

(左足)椅子に深く座り、床にかかとをつけたまま足を左右交互にパタパタと動かす。 1セット30秒で3セット行う。

【トレーニングの回数】
1セットパタパタを30秒×3セット目安

【No.8】レッグレイズ−腹直筋下部・腸腰筋の筋トレ

脚を使いながら、腹筋を鍛えるトレーニング。 1で膝を真っ直ぐに伸ばして、脚を床から少し浮かせて行うとより負荷をかけられる。
1.膝を軽く曲げ、手を床について仰向けになる。首は丸めてへその辺りを見る。

1.膝を軽く曲げ、手を床について仰向けになる。首は丸めてへその辺りを見る。

2.足をお尻の真上に上げる。

2.足をお尻の真上に上げる。

【トレーニングの回数】
10回×3セット目安

下半身(太もも・ふくらはぎ・お尻)の筋トレの頻度は?

本来であれば10回ほどで限界となる負荷で休憩やストレッチなどを挟みながら各3セット行うのが理想。
その負荷がない場合は動きを通して負荷が抜けないようにスローで行うなど、工夫して行うのがよい。

自宅でこれからトレーニングを始める初心者は週2〜3回の頻度で全身満遍なく行うようにする。筋肉はトレーニング後2〜3日で修復されるので、このタイミングで効果的に進めていく。
また、筋肉を育てるためには栄養と休息も大切。筋肉の材料となるタンパク質を意識したバランスのとれた食事、補いきれない分は上手にサプリメントを活用する。そして、質の高い睡眠を確保するために、寝る直前のスマホ操作などは控えることをおすすめする。

【ストレッチ編】太もも、お尻、ふくらはぎなどの下半身の筋トレの前と後に大切なストレッチ

大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋を伸ばすストレッチを解説する。その他、ゴルフボールを踏んで足裏をほぐしたり、足の指をほぐしたりするのもおすすめ。
◆大臀筋のストレッチ [大臀筋]
床に仰向けになり、両手で片脚の膝を胸に寄せて大臀筋をストレッチする。

床に仰向けになり、両手で片脚の膝を胸に寄せて大臀筋をストレッチする。

◆ハムストリングのストレッチ [ハムストリング]
片足を一歩前に出して伸ばし、もう片方の膝を軽く曲げる。太ももに手を添えながら股関節を直角に曲げてハムストリングをストレッチする。

片足を一歩前に出して伸ばし、もう片方の膝を軽く曲げる。太ももに手を添えながら股関節を直角に曲げてハムストリングをストレッチする。

◆大腿四頭筋のストレッチ [大腿四頭筋]
片足で立ち、もう一方の足の甲を手で持ち大腿四頭筋をストレッチする。

片足で立ち、もう一方の足の甲を手で持ち大腿四頭筋をストレッチする。

下半身(太もも・ふくらはぎ・お尻)の筋トレをする際に取りたいサプリメント・食事例(各筋トレ共通)

筋肉を鍛えるときの食事として、トレーニングの前後はタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミンなどバランスの良い食事を心がけ、特にトレーニング後は魚、肉、卵、大豆などのタンパク質をしっかりと摂るのが効果的。また、トレーニングとセットで摂りたいプロテインは、トレーニング後はホエイプロテインを、就寝前にはカゼイプロテインと使い分けるのがおすすめだ。
さらに効率よく筋肉をつけるために、サプリメント(アミノ酸)を摂取するとなお良い。(下記参照)

【効率よく筋肉をつけるために摂取したいサプリメントの量とその効果】
◆トレーニング前、トレーニング中に摂取
BCAA
量:トレーニング前 5g、トレーニング中 5g
効果:筋分解を防ぎ、筋合成を高める 集中力の維持

◆トレーニング中に摂取
ホエイペプチド
量:10〜20g
効果:筋肉の合成を高める

◆トレーニング後に摂取(※ホエイプロテインと一緒に摂る)
グルタミン
量:5g
効果:コンディショニング、免疫力のアップ

クレアチン
量:5g
効果:筋力アップ、レップ数(回数)の増加





まとめ

シェイプされた脚は美しく、魅力的だ。また、誰しも必ず訪れる加齢に備えても重要な筋肉である。強い足腰を手に入れ、生涯自身の脚で立って暮らすためにもトレーニングを習慣にしよう。
トレーニング強度は段階を追って強めていかなければ筋肉は成長していかない。自宅トレーニングで強度が足りなくなった場合、フィットネスジムに通うことや、本格的なホームジムを作ることをおすすめする。
⇒【プロが教える筋トレの基礎知識・コツ】TOPページ
【モデルプロフィール】
  • ゴールドジム 原宿東京 ゴールドジムオフィシャルトレーナー 鈴木陽佑

ゴールドジム 原宿東京(外部サイト)
ゴールドジムオフィシャルトレーナー
鈴木陽佑
【主な経歴】
2020 MUSCLE CONTEST TOKYO メンズフィジーク(クラスD)4位
【取材協力】
株式会社THINKフィットネス
ゴールドジム

【店舗紹介】
ゴールドジム イースト東京
住所:〒 136-0076 東京都江東区南砂3-3-6
営業時間:
●月〜土 7:00〜23:00
●日   9:00〜20:00
●祝日  該当曜日と同じ営業時間

休館日:第3月曜日
TEL:03-3645-9434

ゴールドジム 原宿東京
住所:〒 150-0001 東京都渋谷区神宮前6-31-17 ベロックスビル4F・3F・B2F
営業時間:
24時間営業(B2フロア 7:00〜24:00まで)
※毎週日曜日20:00〜月曜日7:00クローズ。
※毎月第3月曜日23:00オープン。(但し、第3月曜日が祝日の場合は、7:00オープン)

休館日:第3月曜日
TEL:03-5766-3131
(取材・文/齋藤倫子)

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