細マッチョになるための筋トレ方法【プロが教える筋トレ】
どうすれば細マッチョになれるのだろうか。結論からいうと、細マッチョになるだけなら、そこまでハードな筋トレは必要ない。基本的な筋トレ、低糖質・高タンパク質の食事、サプリメントの活用によって細マッチョな体は作れる。
ちなみに筆者はこの記事に書いてある方法で、体重は67~69kg(身長173cm)、体脂肪率13~15%を数年間キープしている。その方法を解説しているので、細マッチョになりたい方はぜひ最後まで読んでいただきたい。
林本直
元アスレティックトレーナー|サプリメントインストラクター保有
了徳寺大学健康科学部卒 元日本体育協会公認アスレティックトレーナー&NSCA-CSCS。大学日本代表選手(ゴルフ、ビーチバレー)のトレーニングコーチや、ラグビーチームのトレーナーを経験。現在はサプリメントインストラクターを取得し、ライターをしながらオンラインでボディメイクを指導している。
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細マッチョとは?細マッチョになるには?
では、細マッチョになるには何を目指せばいいのだろうか。ポイントは
・筋肉量と体脂肪率
・生まれ持った骨格
だ。
適度に筋肉量を増やして筋肉の厚みを出しつつ、体脂肪率を減らそう。体脂肪率は13〜15%を目指してほしい。体脂肪率13〜15%以下から腹筋が割れ始めることが多いことが理由だ。
多くの男性は、筋肉量を増やさなくても体脂肪が減れば、腹筋が割れて腕の筋が見え始めるため、細マッチョに見られやすくなる。もちろん体質や運動経験によって筋肉が多い人・少ない人がいる。そのため一概には言えないが、筋肉量を増やすよりも体脂肪を減らす方が重要だ。
女性にモテたい場合は、筋肉が肥大していなくても、体脂肪率が少なくて、筋肉の筋が見えていることが重要な場合もある。男性から見てガリガリでも、女性から見て細マッチョというケースはよくあるのだ。
そのため人によっては、筋肉をあまり増やさなくても体脂肪率を減らすだけで、理想の細マッチョになれるだろう。
そして、脂肪を減らすには筋トレがもっとも効率がいい。筋トレそのものがカロリーを消費するだけでなく、筋トレによって筋肉が増えれば、同時に基礎代謝も増える。
仰向けになって寝転んだ状態で、なにも活動をしなくても消費されるエネルギーのこと。
つまり筋肉が増えて基礎代謝が増える=毎日のエネルギー消費量が増えて、痩せやすく太りにくい身体になるということ。
そして、自分の生まれ持った骨格をしっかり見極めなければいけない。
骨格が人より厚いタイプの人は、あまり筋肉をつけなくてももともと身体に厚みがあるため、脂肪を落とすだけで細マッチョと見られやすいだろう。逆に筋肉を少しつけただけでもゴリマッチョに見られやすい。適度に筋肉をつけることよりも、脂肪を落とすことが重要だ。
一方で骨格が人より華奢なタイプの人は、筋肉をしっかりつけないと細マッチョではなくガリガリに見られがちだ。このタイプは筋肉をつけてもゴリマッチョには見られにくいため、しっかり筋肉をつけることが重要になる。
自分と似た骨格のモデルを探して、その人の筋肉量や脂肪の厚さを目指すといい。細マッチョは見た目の印象であるから、自分の目標も「どんな見た目になりたいか」で決めよう。
細マッチョのメリット
簡単に言うと、細マッチョになることでかっこいい身体が手に入る。そのため、女性にモテやすくなったり、ファッションを楽しめたり、より健康的になったりするのがメリットだ。
細マッチョは一般的に、女性にモテやすい体型と言われる。前腕の筋肉や浮き出た血管、広い肩幅に厚い胸板、ちらっとみえる腹筋、キュッと引き締まったお尻などを好きだという女性は多い。
ただ、細マッチョ以外が好きな女性もいるため、特定の好きな女性がいる場合は、その女性のタイプを事前に知ろう。ゴリマッチョが好きな女性も、もちろんいる。
細マッチョはスーツスタイルがきれいに着こなせるのはもちろんのこと、カジュアルやスポーティなスタイルなど、幅広いスタイルをかっこよく着られる。
特に、ビジネスシーンでシャツをまくった時に見える、前腕の筋や血管が好きな女性は多い。モテるためのファッションにも細マッチョはおすすめだ。
男性に多い内臓脂肪型肥満は、糖尿病や心臓病、高血圧などの生活習慣病のリスクが高まる。細マッチョになる過程で内臓脂肪も同時に減らせるため、どんどん健康に近づけるのだ。
そして細マッチョを維持するためには、適度な運動や健康的な食事を続けなければならない。細マッチョを維持し続けることは、健康を維持することにもつながるのだ。
細マッチョになるための筋トレ種目
先ほど解説したように筋肉をどれだけ肥大するかは、生まれ持った骨格や目指す体型による。だが筋肉をあまり肥大させたくない場合も、脂肪を落とすために筋トレがとても重要なので、しっかり行おう。メニューの組み方は次の章で解説する。
そして、自宅で行う場合はダンベルを用意したい。できれば2つで40kgになる重量があると効果的だ。ネットでは1万円前後で購入できるので、筋トレの効果を高めるためにも検討してみよう。
■ワイドスクワット
鍛えられる筋肉は、大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋、大殿筋。通常のスクワットよりも脚を横に広げることで、内転筋に効かせられる。
1.両手にそれぞれダンベルを持ち 脚を肩幅より1足分外に広げて立ち、つま先を斜め45度に向ける。
2.腰をゆっくり下げる。できれば膝の高さまで下げる。そのときに膝をつま先の方向に曲げること。
3.ゆっくり上げる。 2〜3を限界まで繰り返す。
鍛えられる筋肉は、ハムストリングス、大殿筋、脊柱起立筋。身体の背中側の筋肉に広く効かせられる。
1.ダンベルを身体の横で持つ
2.脚を肩幅に開いて立つ
3.膝の位置を変えずに、お尻を後ろに引きながら腰を下げる(背中は真っ直ぐなまま前に倒れる)
4.ダンベルが地面につくか、ハムストリングスが伸び切ったところで、元に戻る
5.3〜4を限界まで繰り返す
鍛えられる筋肉は、下腿三頭筋。ふくらはぎを鍛える種目だ。
1.ダンベルを身体の横で持つ 脚を肩幅に開いて立つ
2. 膝を伸ばしたまま、かかとから上げる
3.伸び切ったところで下げる。地面についた瞬間、すぐ3へ戻る。3〜5を限界まで繰り返す。
・大腿四頭筋の筋トレで太い太ももを作る【プロが教える脚の筋トレ】
・太もも・ふくらはぎの筋トレで足腰を鍛える方法【プロが教える脚の筋トレ】
・ダンベルを使った下半身の筋トレメニュー【プロが教える筋トレ】
■クランチ
鍛えられる筋肉は、腹直筋。いわゆるシックスパックを構成する筋肉だ。
1.床に仰向けに寝て、膝を曲げた状態で股関節の上にあげる。
2.へそをのぞき込むように体幹を曲げる。限界まで曲がったら1の体勢へ戻る(※頭が地面につかないようにする)。
3.2〜3を限界まで繰り返す。
鍛えられる筋肉は、腹斜筋。脇腹を引き締めるために重要な筋肉だ。
1.仰向けに寝て、手を横に広げる。脚を伸ばしたまま、90度上に上げる。
2.脚を伸ばしたまま左右に振る。地面につくすれすれのところで上げて、反対側へ。
3.2を限界まで繰り返す
鍛えられる筋肉は、大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部。男らしい胸板作りに重要な種目だ。
1.手は肩幅より広くし、手と脚だけ地面について、腕・脚・体幹を真っ直ぐにする
2.胸を張り、体幹を伸ばしたまま、腕を曲げて胸をゆっくり下げる。
3.胸が地面につくぎりぎりで止めて、上げる。2〜3を限界まで繰り返す
・腕立て伏せ(プッシュアップ)のやり方【プロが教える筋トレ】
・自重トレーニングでできる筋トレ種目と鍛えられる部位【プロが教える筋トレ】
・胸板を厚くするための大胸筋の鍛え方【プロが教える胸の筋トレ】
・逆三角形の身体を作る広背筋の鍛え方【プロが教える背中の筋トレ】
・腹筋を割るための最短で効率の良い鍛え方【プロが教える腹筋の筋トレ】
鍛えられる種目は、広背筋、上腕二頭筋、三角筋後部、僧帽筋下部・中部。 男らしい、広い背中を作るのに重要な種目だ。
1.ダンベルを両手に持って立つ。膝を軽く曲げて、お尻を後ろに引いて、背中を真っ直ぐのまま前に倒して胸を張る。
2.姿勢をキープしたまま、肘をゆっくり上げる。限界まで上がったら、ゆっくり下ろす。
3.2を限界まで繰り返す
■アップライトロウ
鍛えられる筋肉は僧帽筋上部と三角筋中部。広い肩幅に重要な種目だ。
1.ダンベルを身体の前で両手に持って真っ直ぐ立ち、ダンベルを肘から上に上げる。(肩から上がらないように)
2.肘が肩の高さまで上がったら、ゆっくり戻す。
3.2を限界まで繰り返す。
鍛えられる筋肉は前腕屈筋群。前腕の血管を浮かせるために重要な種目だ。
1.ダンベルを両手に持って椅子に座る。手のひらを上に向けた状態で、膝に手首を置く。
2.ゆっくりダンベルを下ろし(手首が反る) 限界まで下りたら、上げる。
3.2を限界まで繰り返す。
鍛えられる筋肉は前腕伸筋群。前腕の筋を出すために重要な種目だ。
1.ダンベルを両手に持って椅子に座り、手のひらを下に向けた状態で、膝に手首を置く。(リストカールの上下逆のイメージ)
2.ゆっくりダンベルを下ろし(手首が曲がる)限界まで下りたら、上げる。
3.2を限界まで繰り返す。
・プロが教える僧帽筋の筋トレメニューでたくましい方を作る【プロが教える肩の筋トレ】
・肩幅を広くする三角筋の鍛え方【プロが教える肩の筋トレ】
・上腕二頭筋・上腕三頭筋の筋トレで二の腕を鍛える方法【プロが教える腕の筋トレ】
細マッチョになるための筋トレメニューの組み方
効率よく筋トレ効果を得て細マッチョになるためには、適切なメニュー設定が必要だ。
細マッチョになるためには、筋肉を大きくすると同時に、脂肪を落とす効果も得たいところ。そこで、インターバルトレーニングを行おう。
例えば下半身のトレーニングなら、スクワットを限界まで行ったら、10秒休んでルーマニアンデッドリフトを行う。そしてルーマニアンデッドリフトを限界まで行ったら、10秒休んでカーフレイズを行う。これを2セット繰り返す。
同じ種目を続けて行う場合、1〜2分のインターバルを空けたほうが筋肥大効果は高まるが、違う種目であれば短いインターバルで構わない。インターバルを短くすることで、心拍数が高い状態を維持でき、脂肪燃焼効果が高まる。
またこのメニューでは、1つのセットを限界まで行う。限界までとは「もうこれ以上できない」ところまでを指す。しっかり追い込むことで少ないセット数でも筋肥大効果を得やすい。
なお、重量は全種目6〜12回ほどで限界を迎えるように設定してほしい。クランチのように重りを使えない種目の場合は、数十回行って構わない。持っているダンベルで負荷が足りなくなったときは、さらに重いダンベルを用意するか、ジムに通おう。
1日3〜4種目をインターバル10秒で2セットだけ行うので、トレーニング時間は5分ほどで終わる。その代わり5分は辛いが、短時間で筋肥大と脂肪燃焼効果を得られる。
なお、本気で筋肥大させたい場合は、「総負荷量」(※)を上げることが重要だ。だが、細マッチョを目指すならそこまでのトレーニングは必要ない。
※総負荷量・・・例えば50kgのダンベルを10回上げたら、50kg×10=総負荷量500kgとなる
スケジュールは、鍛えた筋肉を48時間以上休ませるように組もう。それは筋肉の合成が48時間前後続くからだ。その間は、筋肉を休ませなければならない。
例えば、月曜日に脚を鍛えたら、脚のトレーニングは木曜日まで行わない。火曜日と水曜日は違う部位のトレーニングを行おう。先ほど紹介した、脚・体幹・肩と腕の3つのメニューでスケジュールを組むと以下のようになる。
月曜日:脚
火曜日:体幹
水曜日:肩と腕
木曜日:脚
金曜日:体幹
土曜日:肩と腕
日曜日:休養
細マッチョになるための食事やサプリ
筋肉をつけながら脂肪を落とすには、低糖質・高タンパク質の食事が重要だ。低糖質食にすることで、肝臓に貯蔵されているグリコーゲン(糖質)が減少する。この肝グリコーゲンが減少することで、身体は脂肪を分解してエネルギーに変えようとするのだ。
近年、パーソナルジムで低糖質食が流行っているのは、この仕組を利用したもの。糖質は、1日にご飯1杯ほどに抑えよう。体脂肪率を維持する段階になったら1日2杯ほどになら戻しても大丈夫だ。(筋トレは継続すること)
また、筋肉を増やすために、タンパク質をたくさん摂ろう。筋トレをして筋肉を増やす場合は、体重×1.5〜2g以上は摂りたい。あなたの体重が70kgなら、1日105g以上のタンパク質を摂取しよう。
肉には、100gあたり20g前後のタンパク質が含まれている。肉だけで105gのタンパク質が摂取しようとすると、毎日肉を500g摂らなければならないので、プロテインを活用しよう。
プロテインなら手軽に効率よくタンパク質を摂取できる。多くのプロテインはタンパク質含有量が80%だ。50gのプロテインで40gのタンパク質を摂取できる。
肉を毎日500g食べるより、1日に肉を300gほど食べて50gのプロテインを飲もう。胃腸への負担も減り、摂取カロリーを抑えられる。
また、脂肪が代謝されるときに働く、ビタミンB群もおすすめだ。脂肪が落ちにくい時は試してみてほしい。
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まとめ
また、骨格が厚い人はちょっと筋肉を増やしただけでもゴリマッチョに見られやすく、骨格が華奢な人は筋肉が少ないとガリガリに見られやすい。
自分の骨格に似た人で、理想の身体をしている人を探して目標にしよう。どのタイプに共通していえる目標は、腹筋が割れ始める体脂肪率13〜15%だ。脂肪を減らすことで、前腕の筋や血管が見えたり、腹筋が割れたりなど、細マッチョに欲しい要素を満たせる。
細マッチョになるためには、しっかり筋トレを行いつつ、低糖質・高タンパク質の食事を続けよう。
日々努力し続ければ、着実に理想の細マッチョに近づけるはずだ。