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おバカ一本体制で“全部持って行く”キンプリ岸優太の後輩力、『24時間テレビ』抜擢の妙
『24時間テレビ』成功の要因にも直結? 番宣時期から際立つ岸優太の天然ぶり
「そもそもKing & Princeは天然の宝庫」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「平野くんの天然ぶりは割と広く世間に認知されていますが、岸くんはじめ、永瀬廉くんも高橋海人くんも神宮寺勇太くんも岩橋玄樹くんもそれぞれ天然で個性があります。実は平野くんには、頭の回転が早く、自身の立ち位置や立ち居振る舞いを瞬時に把握できるという二面性があります。そんな中、岸くんとの組合わせ“きしひら”では平野くんがツッコミに回る現象も。岸くんには平野くんの隠された魅力を“思わず”引き出す力があり、この力は、これまでも数々の番組、共演者間で披露されてきました」(同氏)
例えば6日放送の『ザ!鉄腕!DASH!!』(日テレ系)では「新宿DASH〜東京23区、大都会のど真ん中でカブトムシ探せるか?第3弾!〜」を放送。番組中に岸は突然、大声を。ライトを持った手から虫が飛んだことに驚いた声だが、その横ではおそらく岸の声にビックリし筋を違えてしまったのだろう、二宮和也が右肩を押さえて「痛ぇ」と。苦笑いしながらツッコむように網を岸に投げつけるが、それを物ともせず「わ、カナブンだ」と網を振り回す岸の姿がSNSで話題になった。
同じく『ザ!鉄腕!DASH!!』では自転車を使ったポンプで池の水を抜く懸命な姿が、先輩である国分太一とのやり取りで良い配分に。また8月放送の『ニノさん』(同系)では、「自宅で30秒クッキング」で手早くうどんを作る焦り具合に二宮やSexyZoneの菊池風磨がツッコミまくる姿が話題となった。『しゃべくり007』(同系)でも先輩ジャニーズになんだかんだ助けられながらも先輩トークのフォローも行うなど、岸ならではの笑いと見どころを生み出してきた。
Hey! Say! JUMP伊野尾のブレイクと酷似、『24時間テレビ』と日テレの“選択眼”
「『24時間テレビ』でグループ内の1メンバーがお茶の間に“見つかった“事例は過去にもあり、岸の状況と酷似しているのがHey! Say! JUMPの伊野尾慧くん」と前出の衣輪氏。2015年の同番組では、V6岡田准一が「いつも眠そうで、可愛くてムカつく」と発言して話題に。一気に人気が爆発して、同事務所の先輩から芸人まで各所で注目されるようになった。その結果が『めざましテレビ』のレギュラーや、映画の主演など。俗に言われる“伊野尾革命”が起こったのだ。
「“愛され後輩ポジション”であったことも伊野尾くんの状況と似ています。元々、『24時間テレビ』はブレイク寸前のジャニーズタレントをキャスティングする“選択眼”に優れており、そしてこれを活かすノウハウがある。ジャニーズ事務所との深く長い関係がある日本テレビさんならではでしょう。
ブレイク前の嵐がパーソナリティーを務めた回では、名物企画である手紙を読むコーナーで『トップをとろうね』と発言。その直後、ドラマや冠番組が続々と決定して飛躍に向かった過去もありました。『24時間テレビ』には、次期ブレイクの兆しがあるジャニーズタレントが同番組を契機に飛躍する土壌があると言っても過言ではない」(衣輪氏)
「歌って踊れる」「顔がいい」は当たり前、アイドルがいま求められる能力
その中で岸は、バラエティとは180度異なる、ストイックなパフォーマンスでグループを牽引。「そもそも岸くんは『Endless SHOCK』など10代から舞台で相当に鍛え上げられており、その“原点”が同パフォーマンスでも垣間光り輝いている様子が見て取れます。自身が『僕にはエロさが足りない』と話していたこともありましたが、見る人が見ればハッキリと大人の男の色気も感じさせ始めている。3年後、5年後がさらに楽しみなアイドルです」と衣輪氏。
昨今のジャニーズアイドルはやや高齢化が進んでおり、“大人の男の色気”は今の時代、必須に近い条件。また「顔やルックスがいいこと」「歌って踊れる」のも当たり前のため、これだけでは埋もれてしまう。だからこそ、それぞれが個性や特技のアピールをし始めているが、そんなアイドル戦国時代、存在しているだけで“何かしら起こしてしまう”岸の能力はタレントを起用するメディア側にとって強力な武器になるに違いない。
岸が持つ「天然」や「ピュアさ」が“救い”となっていく未来も遠くはないのではないか。日本のアイドル特有の「まだまだ足りないかも知れないけど頑張れ!」と思わせる、彼の努力と葛藤の汗を、“いつになっても、幾つになっても”、お茶の間で見ていたいと思う。
(文/中野ナガ)