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女性のショートカット、心機一転の手段として未だ通用?

  • 夏菜(C)ORICON NewS inc.

    ショートヘアをきっかけにブレイク、夏菜(C)ORICON NewS inc.

 昭和の時代より男女の間でまことしやかに囁かれてきたのが、「女性は失恋すると髪を切る」という“言い伝え”。平成が終わる今となっては、俗説、都市伝説、妄想どころか、若い女子にしてみれば(は? 全然、関係ないし)ということであり、髪を切る=失恋と決めつける発言は、ヘタすればセクハラにすらなるレベルかもしれない。しかし、髪を切ることで心機一転をはかるという考え方はいまだ健在であり、ショートカットになることで突然ブレイクする芸能人がいるのも事実。果たして今、女性にとって“髪を切る”という行為はどういう意味を持っているのだろうか?

作品の描写で印象付けられる“ショートカット失恋説”

 そもそも、「髪を切る=失恋」という図式はいつでき上がったのか? 時代劇などでは、身分の高い女性が夫の死後に髪を切って仏門に入る…という場面があったり、戦争絡みのドラマや映画でも戦地から戻ってこない夫に対する思い・未練を断ち切る象徴として、髪を切るシーンがあったり…という“刷り込み”が“失恋”と結びついたのではないか、とする説がある。また、女性側が男性の好みのヘアスタイルに合わせるということもあり、好きな人が「長い髪の人がタイプ」と言うから髪を伸ばしていたけれど、別れた(失恋した)から無意味になって切ってしまった…というケースも学生時代にはよく聞く話だ。

 それにしても、昔から少女漫画、ドラマ、映画などのエンタメ作品の多くで、“失恋の象徴”として女性が髪を切る場面が描写され続けており、髪を切る=失恋は何となくセットとして記憶されている人は多いのではないだろうか。最近では、大ヒットした映画『君の名は。』の三葉(みつは)が、勇気を振り絞って瀧に会いに行ったのに「誰、お前?」と言われてショックを受け、後に髪を切ったシーンが有名だろう。

髪を切る女性の心境とは? 安易な「失恋したの?」が女性からの不快感を買う

 だが、実際に「失恋して髪を切った」経験のある女性は、ネットにある統計を検索してもだいたい2割前後で、思ったより少ない印象だ。「失恋で髪を切る」派としては、「気持ちを新たにしたい」、「“伸ばした髪=未練”であり、未練を引きずりたくないから“髪と一緒に切り捨てる”」など、前向きな気持ちになるために髪を切るというスタンスのようだ。

 一方、「髪を切らない」派の意見はというと、「周囲につっこまれるのが面倒」、「あからさますぎてはずかしい」、「髪型は自分の好きなタイミングで変えたい」などの声があり、「失恋した?」と聞かれることを見越してのことのようだ。そして、「髪を切るたび人は私を失恋させたがる 変なの」、「女の子が髪を切る理由に『失恋の影響』を求めてる、心底ウンザリする」、「『いやいや失恋したんでしょ?ww』て男性上司に言われたのいまさらムカムカしてきた 」、「『髪切ったね』自体は全然セクハラでもなんでもない!でも、極論イメチェンに理由を求めるな!『かわいいね!似合うね!』ってだけ言って!!」等々、実際に違和感や不快感を覚えたというコメントも出てくる。

 いずれにせよ、「髪を切る=失恋」はどうやら男性の勝手な思い込みも強く、タモリが『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「テレフォンショッキング」でゲストに「髪切った?」と聞くのと同じノリで言ってしまうと、思いっきり裏目に出る可能性もありそうだ。

失恋のレッテルから、“自己プロデュース”として魅せるショートカットに変化

 ただ、“ショートカット”にするという行為自体は、そのイメージや髪を切るタイミング自体を自己プロデュースに活用している例も芸能界では多くある。女優の夏菜は16歳のデビュー以降、100本以上の映画・ドラマのオーディションで落ちまくっていたが、マネージャーの「落ちるとこまで落ちたから、髪をショートカットに切ってみようぜ」との言葉でショートにしたところ、映画『GANTZ』などの話題作への出演が決まりはじめ、ついにNHKの朝ドラ女優までに登り詰めた。

 剛力彩芽もショートにした2011年ごろから露出が増えはじめた。波瑠も雑誌『non‐no』のモデルをきっかけにショートにすると、女優業で一本立ちすることになった。のん(能年玲奈)もショートにしてからNHKの朝ドラ主演が決定→大ブレイクしたし、元AKB48の篠田麻里子にしても、ショートカットにしていなかったらまた違っていたかもしれない。ホラン千秋も『THE BEAUTY WEEK AWARD 2014』のショートヘアスタイル部門を受賞したが、トレードマークとなったショートカットが芸能生活の転機になったことを明かしている。

 こうしてみると、ショートカットにする(髪を切る)=失恋=ネガティブ&マイナスイメージという時代は去りつつあるものの、ショートカット自体はいまだに低迷・停滞期を転換させる“起爆剤”ともなっており、“心機一転”という意味合いで言えば、失恋したことを髪を切ることで“清算”する構造と同じと言えなくもない。

 ほとんどの男性にとっては、髪を切る理由は単に伸びたからとか、鬱陶しいから、暑いからということだろうし、特殊な例では“謝罪・懺悔”であり(そういえばスキャンダルで坊主になったアイドルも)、あとは薄毛を隠すことを諦めて坊主にするぐらいか。 

 しかし「髪は女の命」ではないが、女性にとっては髪を切ることはやはり重要な自己表現のひとつなのかもしれない。今後も人によっては「髪を切る=失恋」という構図も残しながら、自分を変えたり、自己アピールするための強力な“武器”として機能していくことだろう。

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