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満島ひかり、若手女優がこぞって憧れるワケ
川栄李奈はじめ、若手女優がこぞって憧れる実力派女優の地位を確立
もっと若手だと、最近の是枝裕和監督作品でもおなじみの蒔田彩珠、CMなどでも一部注目されている“福岡で一番かわいい女の子”・今田美桜、映画『ミスミソウ』で初主演を果たす山田杏奈、映画『プリンシパル〜恋する私はヒロインですか?〜』でヒロインを演じる黒島結菜も憧れの人として満島ひかりを挙げているのである。もはや満島リスペクトも“渋滞”気味といえるほどだ。
アイドルデビュー後に紆余曲折…不遇時代を経て女優としては遅咲き
そんな満島に転機が訪れたのは、園子温監督の『愛のむきだし』(2009年)への出演。メイキング映像では、園監督が怒号とともに満島を厳しく指導し、ボロボロに泣きながら何度も演技に挑戦した満島の姿が話題になった。当時はほとんど無名ながらも、最終的には園監督に「もはや狂気とも呼べる領域に達した満島の芝居にすべてが圧倒された」とまで言わしめたのである。この作品で満島はモントリオール・ファンタジア国際映画祭はじめ、報知映画賞、ヨコハマ映画祭、毎日映画コンクール等々、多くの女優賞・新人賞を受賞。その後、映画『カケラ』(2010年)、『悪人』(2010年)、ドラマ『モテキ』(テレビ東京系)などの話題作に次々と出演、知名度を上げていくのである。
2015年には、演劇界の巨匠、故・蜷川幸雄氏演出の『ハムレット』でも悲劇のヒロイン・オフィーリア役を好演。イギリス公演もされたこの作品の舞台裏は『女優 満島ひかり まだ見ぬ世界へ』と題してNHK・BSプレミアムでも密着。蜷川幸雄から怒鳴られるシーンも写されたが満島は「芝居を始めた頃を思い出す」と充実感をもって臨んでいた。かくして、舞台度胸、歌唱力ともに評価され、名実ともに実力派女優・満島ひかりが知られていく。
知名度向上と共に、媚びない姿勢が“わがまま”との報道も
このように満島は業界の慣例を無視してでも“自分の道を突き進んでいる”というイメージも。よく言えば、「媚びない」といった“女優魂”だが、わるく言えばただの“わがまま”になってしまうものだが、このエピソードは、オンリーワンの存在として実力があることの裏返し。芝居でしっかり存在感を発揮していれば、女優としては問題がないともいえる。
裏を返せば“自分”をしっかり持つ、女性としての生き様が憧れの対象に
かくして満島ひかりは、“憧れの女優”にも挙げられる中堅世代の実力派女優というポジションを確立したのだ。しかしながら、自分の道を突き進む=自由奔放がすぎるとコントロール下に置けないという側面もある。若手女優から憧れられている満島ひかりだが、憧れの女優に満島ひかりを挙げることは所属芸能事務所にとってはお手本にしてほしくない面もあり、心中穏やかではないかもしれない。
だが、そんな事情はいざ知らず、当の満島にとっては、替わりのないオンリーワンの個性として輝きを放っている今こそまさに独立の好機と言えるだろう。事務所独立の理由として、満島は「自分の足で歩いてみたい」と発表している。フリーとなるこの先も、女優としての大成を夢に抱く若手の憧れとして存在感を発揮しつづけるか否か、満島ひかりの次のステージに期待したいものである。