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カーマニアも唸る『トミカリミテッドヴィンテージ』のクオリティ 実車の “カッコよさ”を知り尽くす開発のこだわり
1台目は『プリンス グロリア』 手のひらサイズでも納得のハイクオリティ
――『トミカリミテッドヴィンテージ』は、どういう発想から発売されたのでしょうか?
圓道まずトミーテックという会社はタカラトミーグループの中で、“大人向けのホビー”を担当しています。大人向けのホビーというと「鉄道模型のTOMIX」が当時から有名でした。それに続き、今度は“大人向けのミニカー”を発売しようということになり、2003年から開発をスタートしました。
――最初に発売したクルマはどんなものでしたか?
圓道2004年1月に『プリンス グロリア』など、昭和30年代の高級車を3車種発売しました。そして『トミカ』の箱のサイズを守りながら、コレクションに向いたスケールモデルにしようということで1/64に統一したスケールで作られています。また『トミカ』は子供向けに安全基準を満たしていますが、安全性よりも“細部の再現”を優先させています。
金子はい。実車がシャープであれば、我々もシャープに作ることが前提となっています。あくまでホビーのジャンルということで開発しましたから。
フォーマットを守りながらディテールは実車に忠実に
圓道『トミカ』で育った方が、お子さんやお孫さんをおもちゃ屋さんに連れて行ったとき“おっ!?”となるような車種をラインナップするために古い車種を選んでいます。また発売当時、“昭和ブーム”も重なり、勢いがつきました。そんな大人の方に納得していただくため、カラーリングも実車をイメージさせる色を再現しております。
――子どもの頃に乗った車が入手できるのがうれしいところです。
圓道その後、1/64スケールのミニカー市場が成熟し、他社も参入してきたので、新しいラインナップを開発して出来たのが『トミカリミテッドヴィンテージNEO』。こちらは1970年以降のクルマもラインナップされています。とはいえ、基本のコンセプトは変わらず、バンパーやライト、ホイールもしっかりデザインされています。
圓道タイヤもゴム素材を使ってますし、シャーシー(自動車の車体以外の機構)も最初だけはプラスチックですが、途中からは金属にして質感を限りなく再現しています。サスペンション機能も付け、あくまで『トミカ』としてのフォーマットを守りつつ、車が好きな人に対し、アピールできるように。例えば、同じグロリアでも『プリンス グランドグロリア』と『プリンスグロリアスーパー6』はエンジンが違うので、フロントグリルを変えたり。当時、これらのクルマに乗っていた方が見て“こうだったよね!”って思えるようにすることが第一と考えた結果です
金子ほかにタイヤのパターンも車種によって違うんですよ。
圓道とくにスポーツカーに関してはタイヤのパターンを掘っています。我々は、このクルマのどこが一番カッコイイのか。それを再現したいですからね(笑)
(取材・文/今井敏行)