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筋トレの効果を引き出すためのインターバルの最適な取り方【プロが教える筋トレ】
著者・監修者プロフィール
和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。
Official site:https://wada0129.wixsite.com/takumiwada(外部サイト)
Facebook:https://www.facebook.com/pt.wada(外部サイト)
和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。
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インターバルは、セット間やエクササイズ間の休憩時間のことを指すが、インターバルを効果的に活用することで、様々なメリットがあるのをご存じだろうか。
今回は、インターバルの重要性について解説していこう。
インターバルの重要性
筋力回復の促進
神経系の回復
集中力の維持
トレーニング目的に応じた刺激の調整
筋持久力を高めるなら、インターバルを短くして、できるだけ動作の時間を長くするように設定することが多い。このように、インターバルの長さを調整することで、筋トレの効果を調整し、目的に合わせた負荷を与えることができる。
目的別のインターバル時間の違い
今回は「筋肥大」「ダイエット」「筋力向上」にターゲットを当てて紹介する。
筋肥大の場合
【インターバル時間の目安:60秒〜90秒】
ダイエットの場合
エクササイズ中でも心拍数を大きく落とすことなく動き続けることで、脂肪燃焼効果が高まるのだ。
【インターバル時間の目安:15〜30秒】
筋力向上の場合
限界に近い高重量を扱うことで筋力の向上を狙うのだが、インターバルでしっかり休ませておかないと、筋肉や神経系の疲労や、集中力の低下によるフォームの崩れや挙上可能重量の低下によって、効果が薄れたりケガのリスクを高めてしまう。
【インターバル時間の目安:2〜5分】
レベル別に見る最適なインターバルの取り方
筋トレ初心者のインターバル
筋肉や神経系の回復時間も早くなく、まだまだ筋トレに適応している段階であれば、トレーニングの効率よりも、フォームや動作などの習得のために、しっかりインターバルを取り、集中できる状態を作ることの方が大事だ。完全回復に近いインターバルを取ることで、次のセットでも質の高い動作が維持できる。
また、初心者は知識が乏しい場合が多く、次のエクササイズに移るのに時間がかかることがある。
インターバルを守ろうと焦って次のセットやエクササイズに移ることで、十分な準備ができないまま始めてしまうこともあるだろう。インターバルの目安を参考にしつつ、それよりも長くなってしまったというくらいの気持ちで次のセットの準備をするとよいだろう。フォームや安全性を優先するために、インターバルを焦らないことが大切だ。
筋トレ中級者のインターバル
また、知識が増えてきたことで負荷を高めたり、新しいエクササイズにチャレンジすることも多いだろう。
普段通りのトレーニングメニューの場合は、目的に合ったインターバルを取ればよいが、負荷を高めたり、新しいエクササイズにチャレンジする場合は、インターバルも長めに設定しよう。慣れていないエクササイズや負荷は、筋肉への刺激が大きいため、回復にも時間がかかる。いつもと同じインターバルの時間では、回復が追いつかなくなってしまい、トレーニングの質が低下してしまうのだ。
筋トレ上級者のインターバル
目的や負荷に応じて、インターバルを管理し、負荷を調整してみよう。
あえて言うならば、普段と違うインターバルを試してみることで、負荷の感じ方が変わるということを紹介したい。自分流のやり方はもちろん大事だが、体の変化を感じにくくなったら、負荷やエクササイズを変えるだけでなく、インターバルの時間を見直すことで、新しい発見があるはずだ。
部位別インターバル設定のポイント
大筋群のトレーニング
●筋肉名:大胸筋、広背筋、三角筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス など
●代表的なエクササイズ:ベンチプレス(胸)、デッドリフト(背中)、ショルダープレス(肩)スクワット(脚)など
小筋群のトレーニング
●筋肉名:上腕三頭筋、上腕二頭筋、下腿三頭筋、腹筋群 など
●代表的なエクササイズ:フレンチプレス(腕)、アームカール(腕)、カーフレイズ(ふくらはぎ)、クランチ(腹)など
インターバルの質を高めるためのコツ
インターバル中にやるべきこと
水分補給や汗をしっかり拭くなどの基本的なことから、フォームの確認や使った筋肉の軽いストレッチなど次のセットの準備、トレーニングの記録など、やることは多岐にわたる。
インターバル中もしっかり準備しておくことで、ケガを防いだりトレーニングの質を高めることができるのだ。
インターバル中に気をつけたいこと
トレーニング仲間との時間も大事だが、トレーニング中はできるだけ集中してトレーニングに向かい合う環境づくりが大切だ。世間話に花を咲かせず、設定したインターバルが守れるように心がけよう。
短関節運動と複関節運動の違いによるインターバルの取り方
エクササイズには単関節運動(アイソレーションエクササイズ)と複関節運動(コンパウンドエクササイズ)がある。短関節運動は、特定の筋肉だけを刺激するエクササイズのことを指す。例えば、アームカール、トライセプスエクステンション、レッグエクステンション、レッグカールなどが挙げられる。
多くの筋肉を使用しないため、大きい負荷は扱えない。インターバルは30秒〜90秒と短めに設定しても良いだろう。
複関節運動は、大筋群を中心に多くの筋肉を動員して行うエクササイズだ。例えば、ベンチプレス、デッドリフト、チンニング、スクワットなどが挙げられる。
複関節運動は、高負荷を使用することができるので、筋肉の疲労が大きい。フォームや動作も崩れやすいため、一回ごとにしっかり休憩を入れるようにしよう。インターバルは60秒〜180秒を目安に、筋肉の回復具合を見ながら調整してみよう。
インターバルをあえて取らないトレーニング法
強度が高く、上級者向けだが、トレーニングの効果が停滞したと感じたときには、活用してみるのも良いだろう。
サーキットトレーニング
【トレーニング例】
スクワット10回 → プッシュアップ10回 → チンニング5回 → クランチ20回 → カーフレイズ20回 → インターバル を1セットとする。
サーキットトレーニングを行う場合、連続するエクササイズは違う筋肉を鍛えるエクササイズにすることがポイントだ。使った筋肉を休ませ、特定の部位を連続して疲労させないようにしよう。
コンパウンドセット
【トレーニング例】
ダンベルフライ10回 → ダンベルベンチプレス10回 → インターバル を1セットとする。
もっとハードに行う場合、同じ部位のエクササイズを3つ連続させるトライセット、4つのエクササイズを連続させるジャイアントセットというやり方もある。上級者は挑戦してみても良いだろう。
スーパーセット
【トレーニング例】
アームカール10回 → トライセプスキックバック10回 → インターバル を1セットとする。
スーパーセットは使った筋肉を休ませながら行うことができるので、インターバル自体を少なくすることができる。トレーニング時間の短縮にもなるので、忙しい人や1日で全身を鍛えたいという人は、活用してみるとよいだろう。
ドロップセット
【トレーニング例】
ベンチプレス60kg×限界まで → ベンチプレス50kg×限界まで → ベンチプレス40kg×限界まで → インターバル を1セットとする。
少し重量を軽くするだけで、意外と動作を続けることができる。終わった後は、筋肉のパンプを強く感じるほど非常に強度が高い方法だが、筋肥大には効果的だ。毎回のトレーニングでドロップセットを行うのは強度が高すぎて、疲労回復が追いつかない場合があるので、疲労具合を考慮して活用してほしい。
まとめ
トレーニングを安全に行うだけでなく、効率よく行うためにも今一度自分のトレーニングのインターバルを見直してみてはいかがだろうか。