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【上半期本ランキング】将来への不安が顕著に?「お金」「老後の生き方指南」に関心高まる

 『第15回オリコン上半期“本”ランキング2022』が発表され、厚切りジェイソンの『ジェイソン流お金の増やし方』が上半期BOOK1位を獲得した。ラインナップを見てみると、節約や投資を指南する実用書や家計簿がつけられるムック本など、“お金”をキーワードに展開する本が多数ランクイン。和田秀樹の『70歳が老化の分かれ道』(11位)、『80歳の壁』(16位)、Fの『20代で得た知見』(15位)など、各年代での生き方を考えさせられる本が売れているのも2022年の傾向といえる。先行きが見えない将来のために今の自分が何をするべきなのか、その答えを探るユーザー心理が垣間見える結果となった。
<<総合ランキング表>>
◆BOOK  1位〜25位 ◆作家別 1位〜5位
◆コミック 1位〜25位 ◆作品別 1位〜5位
◆文庫   1位〜25位 ◆作家別 1位〜5位
<<ジャンル別ランキング表>>
◆ライトノベル作品別 1位〜10位  ◆ビジネス書 1位〜10位
◆文芸(小説) 1位〜10位  ◆ライトノベル 1位〜10位
◆タレント本 1位〜10位  ◆写真集 1位〜10位
集計期間:2021/12/6付〜2022/5/30付(実質集計期間:2021/11/22~2022/5/22)

将来への不安を背景に躍進 厚切りジェイソン投資指南本1位

 2022年上半期BOOKランキングの1位を獲得したのは厚切りジェイソンの『ジェイソン流お金の増やし方』。ITベンチャー企業の役員とお笑い芸人という2つの顔を持つ筆者による投資法指南本だ。芸人の“トークスキル”とエリートビジネスマンの“マネースキル”が絶妙に融合して生まれる読みやすさもさることながら、以前として収束が見えないコロナ禍やウクライナをはじめとする世界情勢などがもたらす将来への不安が、投資というベクトルへ人々を誘っている大きな要因と言えるだろう。両@リベ大学長『本当の自由を手に入れる お金の大学』(7位)のロングセラーや文庫本部門で1位になった原田ひ香の小説『三千円の使いかた』にも同様の動きが見て取れる。

 また、そうした“先を読む”作品への需要という点では、帯の「本当の大災難は2025年7月にやってくる」というショッキングなフレーズが話題のたつき諒『私が見た未来 完全版』(9位)、和田秀樹が老後の生き方について著した『70歳が老化の分かれ道』(11位)『80歳の壁』(16位)などのヒットにも世の中を包むもやもやとした空気感が反映されており、特にミドル・シニア世代が強く反応しているのが見て取れる。ある意味、上半期のBOOKマーケットはこの世代が動かしていたとも言える。

 小説では、本屋大賞の『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬)が3位、直木賞の『黒牢城』が25位と、各賞受賞作への注目度の高さは変わらず安定したものを見せたが、全体的には文庫での需要が主だったものとなっている。

YouTuberが書籍でも躍動 コムドットが各部門を席巻

 時事ネタでYouTuberが取り沙汰される機会が増えたが、それは本の世界においても新たな1ページを生み出すこととなった。近年の写真集ランキングでは女性アイドルグループ、とりわけ“坂道シリーズ”のメンバーによる写真集が1位を獲得するケースが多かったが、今回それらを抑えて1位に輝いたのは、人気男性YouTuberグループ・コムドットの写真集『TRACE』。コムドットは総合部門でもリーダーやまとの初エッセイ『聖域』が10位、ファッション本部門でも『ViVi menまるごと1冊コムドット OFFバージョン』『―― ONバージョン』が1位と3位に。ランキングを席巻するとともに、YouTubeの波がいよいよ本の世界にまで波及してきたことを示す結果となった。

 第一生命保険株式会社が3月に発表した第33 回「大人になったらなりたいもの」アンケート調査結果(小学生・中学生・高校生計3000人対象)において「YouTuber/動画制作者」は小学生男子の2位、同女子の6位に入った。まさに時代が生み出した花形職と言える。
 コミック部門では、2020年で全巻が発売された『鬼滅の刃』がランキングから外れ、そのポストを引き継ぐべく近年勢いのある作品が順当にセールスを重ねた。その筆頭は、本編の前日譚が正月映画として劇場公開され大ヒットを記録した『呪術廻戦』が1位と3位を獲得。アニメ2期の放映が23年に決定していることも今後のプラス要素となるだろう。アニメ、実写映画、舞台とアプローチを広げてきた『東京卍リベンジャーズ』はTOP10内に最多の3巻が」ランクイン。22年はゲームの世界においても動きを見せており、ムーブメントは収まる気配がない。

 『鬼滅』や前記2作に見られる激しいアクションや力強さがストーリーの幹を成している作品に対し、ポップな描写とコミカルでスタイリッシュな展開で新たなファン層を獲得しているのが5位に最新巻が入った『SPY×FAMILY』。4月からアニメ放映がスタートしたことが下半期の大きな起爆剤となることは必至。7月に実写化第2弾の公開が控えている『キングダム』とそろって年間ランキングの台風の目となりそうだ。

(文:田井裕規)

「オリコン“本”ランキング」は「2008/4/7付」よりスタート
<クレジット:オリコン調べ 5/30付集計期間:2021/12/6付〜2022/5/30付(実質集計期間:2021/11/22〜2022/5/22)>
<<総合ランキング表>>
◆BOOK  1位〜25位 ◆作家別 1位〜5位
◆コミック 1位〜25位 ◆作品別 1位〜5位
◆文庫   1位〜25位 ◆作家別 1位〜5位
<<ジャンル別ランキング表>>
◆ライトノベル作品別 1位〜10位  ◆ビジネス書 1位〜10位
◆文芸(小説) 1位〜10位  ◆ライトノベル 1位〜10位
◆タレント本 1位〜10位  ◆写真集 1位〜10位
集計期間:2021/12/6付〜2022/5/30付(実質集計期間:2021/11/22~2022/5/22)
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