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2015年 年間本ランキング『純文学の世界に『火花』ビッグウェーブ!出版界に差し込んだ大きな光』
<<総合ランキング表>>
◆BOOK 1位〜25位/26位〜50位 ◆作家別 1位〜10位
◆コミック 1位〜25位/26位〜50位 ◆作品別 1位〜10位
◆文庫 1位〜25位/26位〜50位 ◆作家別 1位〜10位
<<ジャンル別ランキング表>>
◆ライトノベル作品別 1位〜10位 ◆ビジネス書 1位〜10位
◆文芸(小説) 1位〜10位 ◆ライトノベル 1位〜10位
◆タレント本 1位〜10位 ◆写真集 1位〜10位
次回作を待望される新たな作家が登場
お笑いタレントが書いたこの純文学小説は、80年を超える歴史を有する文芸誌『文學界』(文藝春秋)に掲載されるや、同誌が創刊以来初めて増刷されるという異例の反応を記録。単行本となった後には、第28回三島由紀夫賞の候補を経て、第153回芥川龍之介賞を受賞したことが一般のニュースでも取り上げられるほどのトピックとなったことなどから、品切れと増刷を繰り返す一大ムーブメントとなった。
いわゆるタレント本やタレントが執筆した本がヒットするケースはこれまでにも多々あったが、純文学の世界でビッグウェーブを巻き起こした例は皆無であり、これがいかに画期的な“事件”だったかを示していると言えるだろう。コミック部門で上位4作品を独占した『ONE PIECE』や、文庫部門で多くの作品がランキングされた東野圭吾氏のように近年のBOOK市場をけん引してきた存在が貫録を示している一方で、次回作を待望される新たな作家が登場したことは、出版界にとって大きな光となったのではないだろうか。
現代人の糧に?年輪を重ねた作家による書物のヒット
このほかでは、2014年の勢いそのままにヒットを連発した『妖怪ウォッチ』関連や、体のケアのノウハウを教える本、痩身法にまつわるムックなどの“定番”商品が上位を賑わした。それらのなかでひときわ輝いたのが、年輪を重ねた人物が手がけた書物のヒットだろう。年齢を引き合いに出して申し訳ないが、『家族という病』(4位)の下重暁子氏は79歳、『置かれた場所で咲きなさい』(8位)の渡辺和子氏は88歳、『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』(6位)の篠田桃紅氏は書名に表しているように来年の3月で103歳を迎える(2015年11月末現在)。高齢化社会と言われるようになって久しいが、そんな時代だからこそ先人の声は現代を生きる人にとって何よりの糧となる。今後も80代、90代の人々が文壇に登場する機会は増えていきそうだ。
コミック2強を追う『東京喰種』『暗殺教室』
マンガ大国の日本だからこそ、そのなかで大多数の支持を得るためには、大胆な舞台設定や印象に残るキャラクター、息をもつかせぬ展開と心を捉えて離さないセリフ回しが重要なカギとなる。2016年に『東京喰種トーキョーグール:re』『暗殺教室』がどんな広がりを見せてくれるのか、大いに楽しみである。
映像化により“バケる”文庫のヒット
すでに一定層のファンには広く知れ渡っていた作品ではあったが、映画化やテレビドラマ化によって、作品の深みに触れてみたいと新規の読者が書店に足を運んだ。東野圭吾氏の『天空の蜂』にしても同様だ。ヒットメーカーの東野氏ではあるが、同作の文庫での出版は1998年。映画化、それもテーマが原発というタイムリーな話題を背景に今年の一冊に名を刻んだ。時代を予見していたかのような骨太な作品。やはりただのヒットメーカーではない。
(文:田井裕規)
◆BOOK 1位〜25位/26位〜50位 ◆作家別 1位〜10位
◆コミック 1位〜25位/26位〜50位 ◆作品別 1位〜10位
◆文庫 1位〜25位/26位〜50位 ◆作家別 1位〜10位
<<ジャンル別ランキング表>>
◆ライトノベル作品別 1位〜10位 ◆ビジネス書 1位〜10位
◆文芸(小説) 1位〜10位 ◆ライトノベル 1位〜10位
◆タレント本 1位〜10位 ◆写真集 1位〜10位
集計期間::2014/12/1付〜2015/11/30付
(実質集計期間:2014年11月17日〜2015年11月22日)