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2016年 年間本ランキング、『小説 君の名は。』ミリオン突破!話題の『天才』『ハリー・ポッター』最新刊もBOOK総合上位を席巻

2016年の年間本ランキングを発表!現在、邦画歴代3位の興行収入を記録しているメガヒット映画の小説版『小説 君の名は。』が、119万部を超える売上部数で文庫部門1位。BOOK総合1位は、石原慎太郎が希代の政治家・田中角栄を綴った『天才』が獲得。さらに『ハリー・ポッター』シリーズ最新刊、芥川賞作品『コンビニ人間』など話題作が上位をにぎわせている。ジャンル別の年間本ランキングは、それぞれの分野の2016年世相が色濃く反映される結果になった。
<<総合ランキング表>>
◆BOOK  1位〜25位26位〜50位 ◆作家別 1位〜10位
◆コミック 1位〜25位26位〜50位 ◆作品別 1位〜10位
◆文庫   1位〜25位26位〜50位 ◆作家別 1位〜10位
<<ジャンル別ランキング表>>
◆ライトノベル作品別 1位〜10位  ◆ビジネス書 1位〜10位
◆文芸(小説) 1位〜10位  ◆ライトノベル 1位〜10位
◆タレント本 1位〜10位  ◆写真集 1位〜10位

石原慎太郎『天才』が総合1位、現代社会が政治家に求める想いを投影

 200万部オーバーというケタ違いの売り上げを残し、2015年の出版界を席巻した又吉直樹の『火花』から1年。残念ながら2016年はBOOK部門における2年連続のミリオンヒットは生まれなかった。

 年間の1位を獲得したのは、石原慎太郎の『天才』。昭和を代表する宰相のひとりである故・田中角栄氏の人物像を、田中氏の“モノローグ”という形で綴った話題作は、時ならぬ“角栄ブーム”を呼びよせ、さまざまな“角栄本”が市場をにぎわせることとなった。その火付け役でもある『天才』は、タイトルからも想像がつくように、田中角栄氏が遺した功と罪から“功”の部分を色濃く描いており、その点に違和感を覚えた読者もいたようだが、世界情勢の荒波のなかでもがき苦しむ現代日本の政治家を見るにつけ、田中氏が示したような「世界と対等に渡り合う力」を持つ存在を“社会”が求めているのもまた事実のようだ。

 2位には、子どもの寝かしつけという、子を持つ親の多くが抱く悩みにピンポイントで訴求した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』が入ってきた。世界中でその効果が語られているという“実用性”の高さが、メディアを通じての評判の高さと相まって、年間通しての高セールスに結びついたといえるだろう。

 さまざまなレシピ本に注目が集まったのもこの1年の顕著な傾向と考えられる。そのなかでも高い支持を集めたのが『つくおき 週末まとめて作り置きレシピ』だ。多忙を極めるシステムエンジニアという職に就いている著者がブログに掲載した、効率的かつ簡単な“作り置き”レシピが書籍化されるや、大きな反響を呼んだ。経済的なうえに“時短”の要素も加わった料理法が、少しでも時間を有効活用したいと考える現代人のニーズをくすぐった結果だろう。これらの3冊には、現代人の心の奥にフィットする魅力が詰まっている。

 また、今夏の芥川賞作品『コンビニ人間』は10位にランクインした。作者が今なお続けているコンビニでのバイト作業を通じて培った世界観が、不思議な読みごたえを生み出している異色作。ともすれば“クセ”の強い作品が多いとされてきた芥川賞作品に、世間一般の人々が注目するようになってきているようだが、これも冒頭で触れた『火花』の影響力なのだろう。先般、コミック化が発表されたばかりだが、そのパワーはいまだ衰えていない。

 そして、集計期間の最終盤に発売されたにもかかわらず、堂々の4位に輝いたのが、『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部 特別リハーサル版』だ。世界中が待ち望んだといっても過言ではない『ハリー・ポッター』シリーズの最新刊だが、村上春樹作品と同じようにカウントダウンでの販売が行われるなど、その人気は衰えることを知らない。今年7月にロンドンだけで行われた舞台の特別リハーサル脚本を書籍化した同書、さらに劇場公開となったスピンオフ作品『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などの話題も相まって、2017年にかけて“ハリポタ旋風”が吹き荒れることは予想に難くない。

コミック“盤石の年間ランキング”に変動なし 『HUNTER×HUNTER』の動向に要注目

 連載40年の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』がその歴史に区切りをつけるという大きなトピックがあったコミック部門ではあるが、ランキングの上位は世の移り変わりとは無縁のように不動のラインアップを形成している。『ONE PIECE』80〜83巻が1〜4位を占拠し、『進撃の巨人』18〜20巻がその直下のランク3つをかっちりと固めるという“盤石のフォーメーション”は年末の風物詩と化した感さえある。

 そんな“無風地帯”に飛び込んできたのが、8位にランクインした『HUNTER×HUNTER』33巻。1998年から『週刊少年ジャンプ』で連載をスタートさせた同作は、読者を引きつけてやまないストーリー展開の一方、休載も少なくなく、前巻(32巻)から3年5ヶ月というブランクを置いての最新巻の刊行となったが、順位、売り上げ部数ともに前巻を凌ぐものとなった。それだけ熱烈な支持層が存在していることを示すとともに、新たなファンがついてきていることも表している。上位の2作を脅かすポテンシャルを秘めた存在であることは間違いないのだが、この4月に再開した『週刊少年ジャンプ』への連載が7月で再び途絶えてしまっている。一刻も早い再開、そして34巻の刊行が待たれる。

文庫は『小説 君の名は。』ミリオン突破!映像化作品の好セールス続く

 東野圭吾や池井戸潤、あるいはさまざまな賞の受賞作が上位に君臨することが定番化しつつあった文庫部門だが、今年は意外な方向から頂点をつかむ作品が登場した。8月に劇場公開されるや驚異的な動員とともに邦画史に大きな足跡を刻もうとしているアニメ『君の名は。』の原作にあたる『小説 君の名は。』がそれである。数多くのリピーターを生み出した同映画だけに、その世界観をより深く知りたいという人はかなりの数に上ることだろう。その層へダイレクトに訴求したのがこの小説である。まさに、天井知らずで記録的な動員を重ねていく『君の名は。』。すでに119万部を超えた小説版も、年末年始も興行が続く映画同様、さらにセールスを積み上げていきそうだ。

 その『君の名は。』のプロデューサーでもある川村元気氏が書いた『世界から猫が消えたなら』が5位。単行本ですでにヒットしていた作品の文庫版だが、実写映画が佐藤健主演で5月に劇場公開された影響もあって、2014年9月の文庫化ながらロングセラーとなっている。

 この傾向は、4位の『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、8位の『植物図鑑』にも顕著で、いずれも刊行は2〜4年前であるが、今年の映画化をフックとしてセールスに拍車がかかった。映画化(映像化)が書籍にもたらすインパクトは、年々高まっているように思える。2017年にも映像化をきっかけに大きく浮上する作品が生まれるのだろうか。
(文:田井裕規)
<<総合ランキング表>>
◆BOOK  1位〜25位26位〜50位 ◆作家別 1位〜10位
◆コミック 1位〜25位26位〜50位 ◆作品別 1位〜10位
◆文庫   1位〜25位26位〜50位 ◆作家別 1位〜10位
<<ジャンル別ランキング表>>
◆ライトノベル作品別 1位〜10位  ◆ビジネス書 1位〜10位
◆文芸(小説) 1位〜10位  ◆ライトノベル 1位〜10位
◆タレント本 1位〜10位  ◆写真集 1位〜10位

調査期間:2015/12/7付〜2016/11/28付
(実質集計期間:2015年11月23日〜2016年11月20日)
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