ORICON NEWS
“ユーザー起点”から生まれた『とけにくいアイス』 高齢者にもアイスを楽しんでもらうために覆した“常識”
「冷たくておいしいアイスが食べたい」のニーズをかなえたい
「食事に長い時間がかかる入居者には、アイスは不向きなデザートだと捉えられていたためです」(小田島さん)
また、施設では一度の配膳に時間がかかるため溶けやすいアイスの配膳は難しい。提供者も、限られた時間のなかで多くの入居者へ食事を配らなくてはいけない。その一方でアイスは「のどに詰まりにくく、カロリーも高い」という利点があり、高齢者向きのデザートであった。
「入居者もデザートとして食べたいものにアイスを挙げる方が多く、“とけにくい”という特長を備えたアイスが提供できたら、“食事時間”や“配膳”の課題も解決でき、より多くの方に喜んでいただけるのではないかと考えました」
マイナス18度の冷凍庫と室温25度の環境で同商品と通常のバニラアイスを比較すると、後者は30分ほどでほとんど溶けてしまう。溶けにくさの理由を聞いてみると「安定剤にゼラチンを使用しているので、冷凍庫から出してしばらく置いていても、液状化しにくい構造になっています」とのこと。ただ、アイスとしてのおいしさを味わってもらいたい思いもあるそうで、「冷凍庫から出して30分以内」が一番おいしい状態で食べられるタイミングなんだとか。
入居者、施設、栄養士からも好評の声 アイスの「くちどけ」やバニラの「コク」にもこだわり
販売に先駆け、高齢者施設にも開発調査を依頼。「とけにくいので介護が必要な方にもアイスの食感を楽しんでいただけます。また、口に入るとすぐとけるので皆様から『食べやすい』とお声をいただきました」と、好評を得ていた。季節等でさまざまなイベントが催されている施設ならではの感想も。「デコレーションしてもとけにくいので、最後まで目で楽しみ、舌で味わっていただけています」
さらに、入居者からも好評の声が。「甘すぎずとても美味しい。量もちょうど良いし、1年中食べたいです」と、性質だけではなく、同社が消費者目線に立って、味や量にもこだわった点が伝わっているようだ。
アイスの進化も見守ってきたロッテ ずっと変わらない「お客様起点」
「テイクアウト需要が増えている昨今、時短営業といった影響を大きく受けている飲食店の新たな力になれば、と企画しました。今後も飲食店のテイクアウトやデリバリーでのデザートメニューの開発・提供のお役に立てればと思っています」
子どものおやつだったアイスが大人も楽しめるスイーツになり、ご褒美アイスやヘルシー志向のもの、食べるシーンの多様化など、時代とともにアイスのトレンドも変化。今回の商品も「アイスを食べたい気持ち」が開発者の気持ちを動かした。
「消費者の意識は確実に変わってきていると感じています。昔はアイスクリームは暑い夏に食べるイメージでしたが、家庭内における 冷凍設備の充実、需要創造に向けた商品開発を各メーカーが取り組むことによって、冷菓から“スイーツ”へと進化し、現在は季節・年代を問わずリフレッシュや癒しを与える存在に変わってきています」
商品を提供する上で、ロッテが心がけていることは「アイデア勝負ではなく、お客様のことを徹底的に考え抜き、お客様の声から商品の課題・潜在的なニーズを見つけ出す『お客様起点』のマーケティング」だという。だからこそ、「アイスは溶けて当たり前」という概念を覆した商品が開発できたのであろう。
「『クーリッシュ』、『雪見だいふく』、 『爽』など、広く親しまれているブランドに加え、 今回発売した『とけにくいアイス』のような新たな価値の創造により、ターゲットやシーンを拡大し、これからもアイスを通じてより多くの方へ“日常の癒し”を提供していきたいと考えております」
Information
現在都内の3店舗で『とけにくいアイス ゆっくりバニラ』を使った特別メニューを期間限定で展開中。とけにくさからテイクアウトが難しかったアイスデザートも、同商品を利用することで、可能に。
<展開メニュー>
『ハニーバターチキンアイス』(台湾もつ鍋本舗 もつ小屋)
『韓国風フレンチトースト』(かざみどり南池袋)
『ワッフルカルテット』(とある池袋のビストロ酒場 Bisrock)
⇒詳細はこちら
現在都内の3店舗で『とけにくいアイス ゆっくりバニラ』を使った特別メニューを期間限定で展開中。とけにくさからテイクアウトが難しかったアイスデザートも、同商品を利用することで、可能に。
<展開メニュー>
『ハニーバターチキンアイス』(台湾もつ鍋本舗 もつ小屋)
『韓国風フレンチトースト』(かざみどり南池袋)
『ワッフルカルテット』(とある池袋のビストロ酒場 Bisrock)
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