(更新:)
ORICON NEWS
“冬アイス”定着の陰で『100円みぞれ』が販売終了、ふわサク「進化系かき氷」戦争へ
「練乳がけイチゴ」や「宇治金時」…『100円みぞれ』の販売終了
一方、アイス市場は6年連続で拡大している。アイスクリーム協会によると、2017年度のアイスクリーム類及び氷菓販売額金額は5114億円と、業界待望の5000億円を突破。とくに冬から春先にかけて売り上げが伸びたという。まさに「冬アイス」が定着している中、種類別販売実績では、氷菓が前年を下回った。もともと、かき氷などの氷菓は夏に売り切るというイメージが強く、1年通しての売上高では、アイスクリームやラクトアイスに比べ伸び悩んでいた。
森永乳業のマーケティング開発部の尾田京子さんは、変化が少ない氷菓カップ市場に対し、新しい価値を持った新ブランドを投入することで活性化させたいと考えていたという。「近年、かき氷専門店もブームですし、『100円みぞれ』のようなガリガリとした氷に甘いシロップ、という組み合わせではなく、ふわっとした食感の濃厚なかき氷なら1年中食べてもらえるのではと思いました」(尾田さん)
かき氷でもアイスでもない濃厚氷を発売
尾田さんによると、50回以上の試作を重ねて完成したという。「濃厚さを感じながら、後味をすっきりにするためには、どのような食感や素材の組み合わせにしたら良いのか、何回も検討しましたね。ソースの充てんや出来上がりの見た目など、サンプル段階ではできていたことが工場で製造してみるとうまくいかないことも多々あり、苦労しました」(尾田さん)
また『100円みぞれ』シリーズで課題だった若者からの支持を、同商品は得られているという。「20〜40代の女性に好評をいただいておりますね。SNS上でも『パケ買いした』や『濃厚だけどさわやかでおいしい』といった投稿が多く見受けられました。開発当初の狙い通り、氷菓カップ市場に新たなお客様を呼び込むことができたかなと思いますね」(尾田さん)
「進化系かき氷」に他社も続々と参入
ますます競争が過熱する「進化系かき氷」。森永乳業の尾田さんは「冬アイスは定着してきたが、冬でもお風呂あがりなどはさっぱりしたアイスが食べたいという方も多い。気分転換をしたい時に、ぜひ『蜜と雪』を食べてほしいですね。氷菓ならではの贅沢感やご褒美感を楽しんでいただけると思います」と語っている。