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ガンプラ│トップモデラーインタビュー(ガンダムプラモデル)

“還暦”超えモデラーが『ザクヘッド』に魅せられたワケ「チャレンジは無限大」(連載30回)

 2017年、バンダイから発売されたカプセルトイ『ザクヘッド』がヒットし話題となった。これは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ「ザク」の頭部を精密に再現したものだが、モデラーたちの間では、このザクヘッドを改造・塗装して楽しむ人も多い。今回紹介するのは、“ザクヘッド職人”として名を馳せる亀人氏。本アイテムに魅せられた理由や、ワークショップを開催する意義を聞いた。

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「ザクヘッド」は、かさばらず、塗装・改造も簡単、しかも財布に優しい

――亀人さんがガンプラの魅力に目覚めた理由を教えてください。

【亀人】ファーストガンダムが放送されたのが大学生の頃。マン研に所属していたこともあって、仲間内でガンダムの話題は尽きませんでした。それから20年余り、子どもと最新のガンダムを見るようになってガンダムの世界に引き戻されました。

――自身の技術において、得意なテクニックというのは?

【亀人】俗に言うミキシングでしょうか。違うパーツを組み合わせてディテールを加算していきます。亀人=「コテコテ」なんで言われることもあります(笑)。塗装は、大学時代から芸大でエアブラシイラストレーションを主に勉強していたので、今でも塗装はエアブラシ中心の手法です。最近では、エアブラシからの「塩ケープ剥がし」に磨きをかけて、汚し塗装に専念しています。

――亀人さんといえばザクヘッド作品で有名です。制作するうえで気を配っている点を教えてください。

【亀人】ザクヘッドは多数制作しましたが、制作するときにはしっかりとした“テーマ”を持って始めます。塗装で楽しむのか、改造してみるのかなど、チャレンジと試行のために作ることが多いです。

――ザクヘッド作りの魅力を教えてください。

【亀人】とにかく簡単に組めること、かさばらないこと(箱がない)。シンプルな分、塗装・改造でも楽しめるので、「亀人らしさ」を表現できることでしょうか。また、早ければ半日で完成させられる手軽さも魅力です。お試しでこんなことしてみたい、というチャレンジもできますし、失敗してもお財布に優しい(笑)。ザクヘッドから学べるところは無限です。

――そんなザクヘッドに施す“匠の技術”を教えてください。

【亀人】やはりザクと言えばやられ役の象徴。つまり、汚れた塗装がよく似合います。そこで、「塩ケープ剥がし」というダメージ塗装を施しています。(塩ケープ剥がし:塗装が剥がれて下地が露出する塗装法。プラモのサフに茶系の色を使い、ヘアスプレーのケープを吹いてその上にミルで挽いた塩を乗せる。その上からエアブラシで塗装し、乾燥後に水に放ち、下のケープと塩を剥がすと下地の茶の錆色が出てくる。塩の部分がめくれたように見える)

――これまでのガンプラ人生で、「成長したな」と感じられたターニングポイントを教えてください。

【亀人】ガンプラを再開した当時は、ツヤありなどのきれいな塗装を行っていましたが、リアルさにかけると思い「汚し」にチャレンジしました。当初はエナメルのみの汚しでしたが、「塩ケープ剥がし」をするようになって、よりこだわりのある作品を制作できるようになったときでしょうか。

――では、ガンプラを制作してカタルシスを感じる瞬間はどんな時ですか?

【亀人】考えより、手が先に動いている時ですね。まさにガンプラの神が降りてきた瞬間かもしれません。

若者にワークショップで感じて欲しいのは「作ること、創造することの喜び」

――亀人さんはワークショップも行われています。これはどんな集まりですか?

【亀人】大阪のモデラー・シゴトバラボさんが主催するウェザリングのワークショップです。プラモデルをいかにリアルに汚すかを、実演して、受講者の方々に実際に体験してもらいます。基本の塗装の仕方から裏技まで、手取り足取りで指導する、内容の濃い5時間です。

――ワークショップで得られる体験はどんなものですか?

【亀人】汚して、ガンプラを、仕上げるのは、それなりの知識が無いとただ汚い物になりがちです。何故、何処で、何処が、どうして汚れるかを考えながら施すので、ストーリーも必要です。より深いガンプラ制作ができるのではないでしょうか

――ワークショップなどを通じて出会ったモデラー仲間はどんな存在ですか?

【亀人】もう4、5回やっていて、40名くらいの方々と出会いました。関西の展示会で再会すればガンプラの話題で盛り上がります。「塩ケープ剥がしでこんなん作りました」とかで、写真見せていただくとすごく感動します。

――ワークショップには子どもも参加されます。若い世代にガンプラの魅力を伝える方法はどんなものがありますか?

【亀人】大人のように塗装や改造で楽しむのは難しいでしょうから、とにかく物を作る楽しさを伝えたいです。ニッパー1本あれば、バラバラのパーツを組み合わせてカッコいいモビルスーツができて、ブンドド(フィギュアやプラモを戦わせて遊ぶこと)して遊ぶ。作る喜びを感じてもらうことが最大の魅力だと思います。

――亀人さんとってガンプラどんな存在ですか?

【亀人】ガンプラは、亀人の表現手段のように思います。日頃、仕事ではコンピューターで広告物の制作を行っていますが、そこには自分を抑えたクライアント好みの世界にいます。そればかりだとストレスが溜まってくるので、自分の世界に浸れるガンプラは“亀人を表現”する場所なのでしょうね。

――今後、どんなガンプラを制作したいですか?

【亀人】もう還暦も過ぎて、以前のような細かい作品は作れないかもしれません。しかし、年齢に負けないガンプラを作って行きたいですね。ザクヘッドについては、チャレンジの作品にしたいです。つまり、塗装や改造の引き出しの1つとなれば良いと思います。

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(C)創通・サンライズ

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