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真野恵里菜、不遇時代乗り越え女優として評価高まる ハロプロ出身としては異例
グループアイドル全盛の波にのまれ思うような結果を残せず
一方でソロの身軽さを活かし、歌手活動と並行して女優業にも積極的に取り組んでいた。BSのアイドルドラマやハロプロの舞台から始まり、いち早く彼女の演技センスに目を付けたのが『ケイゾク』『TRICK』などで知られる堤幸彦監督だった。自身が演出を手掛ける演劇ユニットの舞台『キバコの会』の第2回公演に出演した真野を「カンがいい。こちらが求めるものを察知して的確に動いてくれる」と絶賛。以来『キバコの会』に真野が毎年出演しているほか、真野のシングル「元気者で行こう!」のMV監督を務めた。さらに、真野は堤監督の『SPEC』(TBS系)で地上波ドラマ初出演を果たす。人の心を読むSPECホルダー・サトリ役で、アイドルの物腰を活かした可愛らしい演技で人気キャラクターとなった。
園子温監督作品で脱“清純派”
同ドラマは『ヒミズ』などで国際的評価も高い園子温監督によるもので、真野は以後も『新宿スワン』『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』と園作品に続けて出演。『リアル鬼ごっこ』の試写会イベントでは真野の演技を「そのままで良かった」と誉めるなど、満島ひかりや二階堂ふみを発掘してきた園監督の評価の高さもうかがわせる。
小泉今日子や篠原涼子にも通じるアイドル出身ならではの資質
『るみちゃんの事象』では主人公へのツッコミ役に初挑戦など、まだまだ伸びしろも多い。ハロプロは音楽中心のアイドル集団で、モーニング娘。や松浦亜弥などブームを起こす存在もいたが、卒業後にアイドル時代以上の活躍を見せた例は少なく、女優としてはまだ誰もブレイクしていない。真野はアイドルとしては時代の波に阻まれ大成に至らなかったが、ハロプロ発の女優として初めて大輪の花を咲かせそうだ。
(文/斉藤貴志)