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真野恵里菜、敵役ポジションで存在感を発揮 若手随一の“いびり役”に
清純アイドルからクセのある役を演じる本格女優へ 視聴者が嫌悪するほどの敵役
真野はモーニング娘。らの所属するハロー!プロジェクト出身で、2009年にソロ歌手としてメジャーデビュー。2013年にハロプロを卒業し、アイドルから本格的な女優を目指して転身。ドラマ『SPEC』(TBS系)の人の心を読むスペックホルダー・サトリ役や、映画化もされたドラマ『みんな!エスパーだよ!』(テレビ東京系)の腹黒い美少女ヒロイン役、映画『新宿スワン』ほか園子温監督の作品3本などメジャー作品への出演を重ね、確かな印象を残してきている。
そして昨年秋、プライムタイムの連ドラ初レギュラーとなった『結婚式の前日に』(TBS系)で、脳腫瘍と闘うヒロインの婚約者に想いを寄せる令嬢役に。ふたりの婚約を阻もうとして、香里奈が演じたヒロインに「どうせ死ぬんでしょう! だったら今死んでよ!」とひどい言葉を投げたりもした。「あの女、出てくるなよ」「あきらめが悪い」といった声がネットに上がったが、それらは芝居への評価であり、敵役を全うした裏返しとなった。
昨年12月公開の映画『orange』でも、土屋太鳳が演じたヒロインの恋敵役。転校生に恋心を抱きながら奥手な彼女を尻目に、「同じ東京出身だから気が合うと思う」などとアプローチしていく。学校のマドンナ的存在ながら、廊下でぶつかった土屋に「気をつけなさいよ!」と色をなすシーンで性格の悪さを見せ、陰で意地悪も仕掛けていた。そして「念願だった」という朝ドラ『とと姉ちゃん』での新人のヒロインに厳しい会社の上司役。それぞれキャラクターは異なるが一貫した敵役ポジションで存在感を発揮してきた。
“王道アイドル”ビジュアルとのギャップが映える悪女役
加えて、昨年9月の写真集発売イベントでは、ダイエットして1年半で5キロ痩せたことも明かした。元からさほど太っていたわけでもなかったが、顔つきもシャープになり、美しい敵役によりハマるようになった。アイドル時代からのファンも多いが、ヒロインをいびる役どころでもバッシングを受けることがないのは、真野のキャラクターが築き上げた特異なポジションでもあるだろう。
最近では菜々緒が悪女役でブレイクしたが、女優にとって得意パターンを持つことは大きい。真野もこれから役幅を広げていくにせよ、敵役がひとつの鉄板になれば強みとなる。正統派アイドルから真逆のイメージで当たり役を得た真野。女優転向の新たな成功例となりそうだ。悪女役の菜々緒に並ぶのか、いずれはいびり役の巨匠・泉ピン子のポジションに到達するのか、この先の女優としての動向に注目が集まる。
(文:斉藤貴志)