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骨太からキュートまで 内野聖陽が「真田丸」の“バカ殿”で新境地
“三谷節”炸裂の人間味ある徳川家康と家臣のコミカルな掛け合い
そもそも徳川家康のキャラは、史実においても歴史ドラマを観ても時を耐え忍ぶ“ザ・タヌキおやじ”といったものであり、かつての大河ドラマでは腹に一物あるような俳優、西田敏行や寺尾聡が演じているが、まさにハマリ役だったのは津川雅彦だろう。しかし今回は、高身長のイケメン俳優・内野聖陽。ちょっと家康っぽさに欠けるようにも思われ、また演出自体もわれわれの知る家康像とはかけはなれているようだ。
たとえば第4話。忠勝に「門外で死んだ者の供養をしましょう」と促されるも、「まだ残党がいるかもしれないし、外は怖い……」と怖気づいて見せたり、続く5話の伊賀越えのシーンでは、服部半蔵(お笑いコンビ・ハマカーンの浜谷健司)に「まだ安心できません。明智(光秀)の兵がおります」と言われて、「どうするのだ!」と返すが、「全力で押し通りまする!」と半蔵にそのまま返されると、「……またか」とあきらめて泣き喚きながら逃げていくのである。“人間味”があると言えば聞こえはいいが、悪くすれば、志村けんの“バカ殿”状態だと言えなくもない。
キャラの引き出し”の多さ見せた『真田丸』での内野聖陽
「今回の内野さんの家康は、まさに内野さんの新境地とも言えるのではないでしょうか。また逆に、骨太で男くさいというイメージが定着している内野さんだからこそ、この役の面白さが引き立つとも言えます。かつて上戸彩さん主演のドラマ『エースをねらえ!』(テレビ朝日系)でコーチの宗方仁を演じたことがありましたが、原作どおりの長髪で熱演していた内野さんは、失礼ながら、ちょっと違和感があって面白かったですね。ひょっとしたら本人も意図しないところでコメディの才能があるんじゃないでしょうか」(ドラマ制作会社スタッフ)
今回の三谷作品『真田丸』の家康役で、コミカルな面を前面に打ち出し、“キャラの引き出し”の多さを見せつけた内野聖陽。家康は今作でも重要な役どころであり、当然、内野は物語の最後まで登場すると思われる。間抜けで臆病だが、キュートでカワイイ家康を、今後もまだまだ楽しめそうである。