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『今日俺』瀬奈じゅん筆頭、18年TVシーンを盛り上げた個性派端役女優たち

 18年秋クール最大のダークホースとなった『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で、主人公・三橋貴志(賀来賢人)の母親役を演じた瀬奈じゅん。福田雄一監督の作品だけあって、ムロツヨシや佐藤二朗、またドラマ版三橋を体現した賀来らツッパリ陣にスポットが当たりがちだったが、元宝塚月組トップスターの瀬奈じゅんがあれだけファンキーな“母ちゃん”を演じたことに度肝を抜かれた人も多いのではないか。男性バイプレイヤーばかりが取り上げられやすい昨今、18年は知る人ぞ知る存在ながら、一般層にはまだマイナーな存在の端役女優たちが次々とテレビシーンで爪あとを残した印象がある。

瀬奈じゅんのムダ遣い!? そのギャップにSNSも騒然

瀬奈じゅん(C)ORICON NewS inc.

瀬奈じゅん(C)ORICON NewS inc.

 瀬奈じゅんは宝塚歌劇団の元月組トップスター。92年に宝塚歌劇団に入団し、05年には月組トップスターに。『エリザベート』では男役で初のヒロインとなるエリザベート役、『ME AND MY GIRL』ビル役など数々のヒット作と当たり役をものにし、09年退団。その後の女優活動でも、『第37回菊田一夫演劇賞』や『第3回岩谷時子・激励賞』などを受賞。東日本大震災の際の募金活動、医療用ウィッグでの髪の毛の寄付など社会貢献活動にも携わってきた。

 テレビドラマでは13年『女優 麗子〜炎のように』(テレビ東京系)での浅丘ルリ子役をはじめとして、『都市伝説の女』『科捜研の女』『女たちの特捜最前線』『警視庁・捜査一課長』(すべてテレビ朝日系)などにゲスト出演。そして『今日から俺は!!』では、80年代の“おばちゃんパーマ”姿を披露し、吉田鋼太郎演じる三橋貴志の父との夫婦役を怪演。三橋家のシーンでは、瀬奈、吉田、賀来の3人のコントのような芝居が毎週のように繰り広げられたが、SNSでは「これがあの瀬奈じゅん!?」「瀬奈じゅんヤバすぎる」「この夫婦の声量がハンパない(笑)」など、瀬奈が見せた新たな“顔”に驚きの声を上げる視聴者が多かったほか、同作で初めて瀬奈じゅんを知り、ファンになったという声も少なくなかった。

 そもそも『今日俺』原作の三橋の母親もかなりファンキーな“母ちゃん”だった。そこに福田雄一監督流の演出が加わる。近い例でいえば、11年の福田監督演出『勇者ヨシヒコと魔王の城』(テレビ東京系)で盗賊を演じた古田新太の妻役・上地春菜だろう。瀬奈も“美形”“演技派”“舞台トップスター”などの仮面を惜しみなくかなぐり捨てた体当たり芝居を見せたが、それでも上品さを損なわない“本物”ぶりが、そのギャップとともに注目を浴びた。「吉田鋼太郎と瀬奈じゅんをあれだけムダ遣いしようとした勇気がすごい」と最大級の賛辞(?)を送るキー局プロデューサーもいた。

18年は女性バイプレイヤーの当たり年

 テレビ東京系のドラマ『バイプレイヤーズ』(17年)のヒット以降、芝居に安心感があり、その人を脇に配置すれば作品の価値がその俳優の分だけ上がるような名端役が一躍注目を浴びるようになった。そもそもは脇役俳優が主演に抜擢されるようになった流れから生まれた流行だが、数多くのバイプレイヤーがネットニュースでも取り上げられ、称賛され、「華のある役者もいいが、やはりお芝居がいい俳優はすごい」という認識が浸透した。だがなぜかそれは男性バイプレイヤーが多く、女性バイプレイヤーがあまり取り上げられないことに「女性名脇役もいるんだけど」と不満を漏らす視聴者の声も多かった。

 しかし、18年はドラマに欠かせない名バイプレイヤーとして活躍してきた山口紗弥加が芸歴24年にして『ブラックスキャンダル』(読売テレビ/日本テレビ系)でドラマ初主演して話題に。“謝罪会見”をテーマに、芸能界に生きる人々の人間模様を描いた復讐劇で、そのエグさと主演としての山口の姿に好評価の声が多く上がった。
 このほか『獣になれない私たち』(日本テレビ系)では、新垣結衣演じる晶の会社で働くはためいわくな営業・松任谷夢子を演じた伊藤沙莉も、彼女の個性がにじみ出るような好演がインパクトを残した。『女王の教室』(日テレ系)など“いじめっ子”役で注目された子役上がりの24歳で、『ひよっこ』(NHK総合)ではコメディエンヌとしての力量を発揮。「芸人かと思ってた」との声がSNSに上がるほどの器用さとユーモラスさを兼ね備えた女優で、この18年に一躍、その名をメジャーにした。

 ほか個性派でいえば、話題作『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)での伊藤修子もそうだ。『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のレギュラ−出演や『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)スカウト枠で優勝もしているが、本職は女優。あまりに個性的すぎるが故、先日配信された『田中圭24時間テレビ』(AbemaTV)では「過去に、監督さんに“あなたは芝居が下手だ。帰っていいよ”と言われたことがある」とも語っていたが、確かにエキストラ的に使うには、クセと存在感が強すぎる女優だ。その唯一無二の芝居が昨年、いよいよ脚光を浴び始めたように思える。

提供元: コンフィデンス

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