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2017年映画シーンから学ぶヒット創出のヒント “想定外”の成功と失敗をひも解く

洋画の大ヒット作の話題が盛り上がった一方で、これまでシーンをにぎわせてきた邦画実写が軒並み低迷。そんな激震に見舞われた2017年の映画シーンだが、厳しい状況のなかでもランキングに表れないスマッシュヒットも生まれ、成功と失敗の裏には良くも悪くも“期待を裏切る”想定外の事象がつきまとった。そこを掘り下げることで、ヒット創出へのヒントを探ってみたい。

洋画の健闘と邦画実写の停滞が顕著になった2017年

興収5〜10億円ヒット多数 総合力で洋画に勝った邦画
 年間興収TOP10のうち、洋画8作、邦画2作と、洋画の大ヒット作がシーンを席巻した2017年。しかし、年間興収2285億7000万円の内訳は、邦画が54.9%、洋画が45.1%となり、一昨年より差は縮まったものの、邦画が洋画の興収シェアを上回った。昨年は、興収10億円以上の作品累計では洋画が上だったが、5億〜10億円あたりの邦画の数が多く、トータルで邦画が洋画を超えたのだ。1つめの想定外として、小規模なヒットを重ねた邦画の総合力が、大ヒット作を連発した洋画に勝ったことが挙げられる。

興収が頭打ちになった 邦画の大作実写作品
 昨年の洋画は、興収40億円を超えた作品が10本も誕生した。ヒットの大きさでは、邦画より数段上だ。逆に、邦画の実写作品の成績が頭打ちになった。洋画の健闘と邦画実写作品の停滞が17年に顕著になった。

 邦画実写作品の足踏み状態については、18頁から具体的な作品を挙げて説明する。ただ、全体を覆っている企画のマンネリ化状態は明らかに進んでいるとみていい。とくに気がかりなのが、漫画原作ものの現状だ。青春ものにコメディ、大型アクション、冒険ものなど、多様な原作から生み出される作品群が、行き着くところまできた感がある。認知度の広大さ、ファン層の確かさなど、漫画原作の実写化にはいくつかのメリットがあるのも事実だが、あまりに多くては当然のことながら、観客の分散の度合いは増すだろう。このジャンルは精査、再構築のときが来たと言える。

 これまでの実績からヒットが約束されていた人気アイドルや俳優らが主演する大作や中級作品も、明らかにひと頃の勢いを下げつつあるのが昨年、顕著に現れた。興収上位には、20億円を超えた『忍びの国』『関ヶ原』『海賊とよばれた男』などのヒット作品が並ぶが、後半に登場した『ナラタージュ』や『ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜』は10億円台前半にとどまった。こうした流れから見えてくるのは、かつては30〜50億円ほどの大ヒットを続出させていた、固定ファンのいる原作ものを人気俳優の出演で実写化する“ヒット方程式”が通用しなくなってきていること。企画次第では必ずしも成功しない作品が増えており、“キャスト頼み”の大ヒットを生み出せる時代ではなくなっていることがわかる。こちらも漫画実写と同様にマンネリ化の波に抗しなければならないのが実情だ。

 このように邦画実写作品の現状は甘いものではない。しかし一方で、邦画の5〜10億円ほどのヒット作は増えており、それらの作品群が映画シーンの根底を支える構造へと変化を遂げつつある。そう見れば、これら大作も失敗作としてとらえるのではなく、映画シーンにとっては想定外の結果ではあるかもしれないが、時代に即した製作規模のヒット体制作りへの布石になったと言えるだろう。

 そうしたなかで、昨年明らかに期待以上の成功を収めた作品がある。次頁から挙げる洋画作品は、小規模公開ながらそれぞれが一般層の若い世代を映画館に向かわせているのだ。その裏には何があったのか、ひも解いていく。
(文:映画ジャーナリスト・大高宏雄)

提供元: コンフィデンス

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