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ケンシロウとの共通点も? 『北斗の拳』作者・原哲夫が絵本に込めた想い「根底にあるものは“愛”」
自身の育児経験が絵本を作ったきっかけ 「誰もが読めるよう無料で配布したいと思った」
【原哲夫】僕が育児を経験する中で、絵本やアニメのキャラクターが、子どもの心を動かすのを知ったことがきっかけです。「週刊少年ジャンプ」で『北斗の拳』や『花の慶次』を描いていた時代は、主人公の生きざまが少年たちの生き方のヒントになる側面があり、次はもっと年少の子どもに向けた作品を手掛けてみたいなと思ったんです。そんなことをボノロンの原作者である北原星望(『北斗の拳』の担当編集者であった堀江信彦)さんと話していたところ、具体化の機会をいただいたのです。
――本作は無料で全国に配布されていますが、どのような思いから無料配布を始めたのですか。
【原哲夫】家庭環境等に影響を受けずに素敵なストーリーを届けられたら…という思いがあり、子どもが読みたくても読めないことがないよう、無料で、比較的手に取りやすいコンビニエンスストアで配布しました。その共通の思いがセブン銀行さんと結びつきました。
――本作の主人公であるボノロンのキャラクターはどんなイメージで生まれたものなのでしょうか。
【原哲夫】和洋折衷の世界観の中に和を隠し味にデザインしました。僕の画風は、アメリカの画家フランク・フラゼッタのコントラストが強い、バロック調の絵画から影響を受けています。そこに、日本的なイメージの“お相撲さん”のフォルムが合わさったら面白いなと考えました。そのため、頭の形は大銀杏を模しています。また、アレンジは洋風ですが、ボノロンが腰に巻いているのはまわしです。さらに、「ボノロン」というふくよかな名前の響きからイメージして、首まわりにモコモコをつけてみました。