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愛ゆえの贋作探求… 1枚25万円『ビックリマン』“パチシール”に見るニセモノの価値基準

『ビックリマン』への深い愛がもたらす“贋作”への興味と探求

似たようなキャラがいたような…通称イテテマン 3弾 魔神ゲロ(銀角プリズム)  画像提供/まんだらけ

似たようなキャラがいたような…通称イテテマン 3弾 魔神ゲロ(銀角プリズム)  画像提供/まんだらけ

 「コピー系」は“パチシール”が出始めたであろう頃に多く流通したもの。本物の「ビックリマン」のキャラクターをそのままコピーし、裏面の説明書きの部分に、例えばロゴの「ビックリマン」の「マン」の部分を取って「ビックリ」とだけ記載。また、先に挙げたメーカー名「ロッテ」の部分が「ロッチ」になっていたり、空白になっているシリーズも存在している。ロゴやタイトル以外にも違いはあり、本物はシルク印刷という手法を使っていたが、“パチシール”はこれを使用せず簡単な印刷になっている。また背景のキラキラも、透けて見えるようなベタっとした印象に。紙自体の素材も悪く、コレクターの間では、「ビックリマンシールを印刷していた工場がコストカットされた部分を取り戻そうとやったのではないか」とまことしやかに憶測もされている。いずれにしても、キャラクターを無断で使用し、商品化されることは許されることではない。

「コピー系は多すぎて、どれだけ種類があるのかわからない。黎明期から長く続いており、さらには細かく出されているため、どれがどの系統と全貌を知るには困難を極めますね」
 次に「創作系」だ。パッケージは似ているが、キャラは見たことがない…もしくはやや似せているものであり、「スーパーゼウス」が元ネタではないかと思われる「スーパーサン」が発見されてから分類が始まった。

「『スーパーサン』自体は定番人気でしたが、どのシリーズに入っていたか、その全貌は分かっていませんでした。ですが創作系の『これまたビックリクン』というシリーズのクジの束が発掘され、ここに『スーパーサン』が入っていたことで、『こういうシリーズだったのか』と考証が再スタートしたのです」

 創作系は独自性が強いため、オリジナルキャラばかりがラインナップされていたであろうと見られていた。だが実際はもっと混沌としており、本物のキャラを手書きで模しただけのキャラクターも見つかり始める。これら模したシールは「下手絵」と呼ばれており、これも一つのジャンルとして成立した。

 現在確認されているものまんだらけの方で把握できる“パチシール”は、実に3,000種類ほど。だが、正規品と違い、どんなシールがどの程度流通したのか、まったくデータがないため、「このシリーズはこうなっているのではないか」「このシールはこのシリーズに入っているのではないか」という論考が、新たなシールの発見によって覆されており、その様子はさながら「考古学」。
 収集家の方々のなかには、素材の違いや、色味が少し黄色い、少し青っぽいなどのちょっとした違いに面白みを見出し、見極めて追いかけている人もいるが、それが元からの仕様なのか、経年劣化なのか、議論もされるようになっており、驚くほど深く豊かなコレクションアイテムになっている。

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