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情報誌に物件サイト、損保まで…若手俳優“登竜門CM”の新たな潮流

 “時代の映し鏡”とされるCMは、いつの時代も若手俳優のブレイクのきっかけを作る登竜門のひとつとして注目されてきた。例えば大塚製薬の『ポカリスエット』CMは、1980年代から新人女優を起用し、宮沢りえや一色紗英、綾瀬はるか、川口春奈といった人気女優を輩出してきた。一方、近年では情報誌や物件サイト、損保といった企業が次々と若手俳優を起用したCMを展開し始めている。果たして、登竜門の王道CMに迫ることができるのか。注目の企業CMを探った。

登竜門CMの共通点は“海、“青春”、“爽快感”

『ポカリスエット』新CMのヒロインに抜てきされた茅島みずき (C)ORICON NewS inc.

『ポカリスエット』新CMのヒロインに抜てきされた茅島みずき (C)ORICON NewS inc.

 若手俳優の登竜門CMといえば、“海”や“青春”、“爽快感”などをテーマとしたものを思い浮かべる人が多いだろう。代表例ともいえる大塚製薬の『ポカリスエット』CMは、1988〜90年にかけて、イメージキャラクターに宮沢りえを起用。当時、宮沢が水着姿でサーフィンをする姿などが注目を集めた。以降、一色紗英や綾瀬はるか、川口春奈に中条あやみと、人気女優を多く輩出。今年は新ヒロインに、長崎県在住の現役中学生、茅島みずきを抜てき。CM内で見せるキレキレのダンスは、SNS上で「青ダンスCMの女の子がかわいい」と話題となっている。

 アサヒ飲料の『カルピス』CMも、登竜門の王道のひとつだろう。80年代初頭には、吉永小百合を起用。90年代には内田有紀、00年以降は長澤まさみ、永野芽郁らが起用され、それぞれ大ブレイクを遂げている。とくに長澤は、05年から現在に至るまでブランドのイメージキャラクターを担当。出演当時は女子高生役だったが、今では母親役を熱演している。長澤は、いわば同CMと共に女優として成長していったといっても過言ではないだろう。

加藤ローサに倉科カナ、広瀬すず…そうそうたる歴代“ゼクシィガール”

12代目“ゼクシィガール”に就任した白石聖 (C)ORICON NewS inc.

12代目“ゼクシィガール”に就任した白石聖 (C)ORICON NewS inc.

 一方、近年登竜門CMの潮流が変化し始めている。その先陣を切ったのが、リクルートが運営する結婚情報誌『ゼクシィ』CMだ。2001年の放送開始以降、毎年10代のモデルや新人女優を起用。出演後にはメディア露出が増え、クローズアップされることから、“美少女タレントの登竜門”的CMとして、例年話題を集めている。これまでに加賀美セイラや倉科カナ、広瀬すず、新木優子、吉岡里帆といった“ゼクシィガール”を輩出。とくに04年に起用された加藤ローサは当時モデルだったが、同CM出演をきっかけにブレイクし、以降、女優としても活動の幅を広げている。

 今年は、12代目“ゼクシィガール”に白石聖が起用された。就任会見時、白石は「ただただうれしい。夢なんじゃないかと思う」と語るなど、喜びを伝えていた。結婚といえば、純白なウェディングドレス。無垢なイメージのある新人女優が演じるからこそ、『ゼクシィ』CMは成立するのかもしれない。

桜井日奈子、“岡山の奇跡”からCM出演きっかけに全国区へ

 不動産関連のCMでも、新人女優の起用が増えている。大東建託の賃貸物件サイト『いい部屋ネット』CMでは、2015〜19年3月末まで桜井日奈子を起用。ポスト・橋本環奈として全国各地のご当地アイドルが名乗りを上げるなか、桜井は“岡山の奇跡”として注目を集め、14年に芸能界デビュー。同CM起用当時はまだ駆け出しの頃だったが、キュートな歌とダンスを披露すると、SNS上で「なんかCM見て気になっちゃいました」、「このCM好きでいつも流れるたび口ずさむ」と話題となった。

 また自身にとっても同CM出演は、将来の夢を決める大きなきっかけになったという。のちに桜井は、「カメラの前で歌ったり踊ったりするのは初めてで緊張しましたが、楽しんで撮影することができました。夢は女優になること。CMの仕事をしていく中で、表現の難しさや面白さを知り、興味を持ちました」とコメントを寄せている。

 今春からは、人気急上昇中の横浜流星をはじめ、演技力に定評のある伊藤沙莉を抜てき。ルームアドバイザー役として佐藤二朗を起用するなど、新たなシリーズCMを展開している。

織田の“熱血漢”が爆発!? 新人女優の宮本茉由にも注目

 東京海上グループの『イーデザイン損害保険』CMも、近年、変化し始めている。同CMはドライバーからのSOSに対し、同社がいかに対応し解決していくのかをドラマ仕立てで展開。とくに最新CMの織田裕二による“苦悩のあまり壁をバンバン叩く”といった熱い演技に対し、SNS上では「織田裕二が山本高広的なCMやってるw」、「このCM、みんなが見たいTHE織田裕二が爆発してていい」と話題となっている。

 『踊る大捜査線』シリーズを彷彿とさせる織田の“熱血漢”について、同社の担当者は「『ネット損保をデザインしなおす』というキャッチコピーのもと、ドライバーが抱く自動車保険の疑問を直視し、解決策をデザインしていく奮闘の様子を、織田裕二さんに熱演していただいた」と振り返る。
 また同CMは近年、オペレーター役に新人女優を積極的に起用し始めている。2014〜19年5月までは、土屋太鳳を抜てき。土屋は同CM出演以降、15年のNHK連続テレビ小説『まれ』でヒロインを演じるなど、大活躍を遂げている。

 19年6月からは、新人女優の宮本茉由を起用。宮本は、今春放送されたテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『東京独身男子』でバーテンダー役として出演し、SNS上では「バー店員役の子が気になる」、「良い女すぎ!」との声が上がっていた。宮本を起用した理由について、同社の担当者は「化粧品のCMにも出演するなど、まさにこれから期待の女優さんなので出演していただいた」と語る。現に、8日スタートのフジテレビ系月9ドラマ『監察医 朝顔』にも出演するなど、旬の若手女優のひとりとして注目度が高まっている。

 昨今、豪華な俳優陣を起用した大手携帯キャリアのようなストーリー性のあるCMが増える一方、若手俳優がデビューの一歩として出演する“登竜門CM”は減少傾向にある。情報誌や物件サイト、損保といった“異業種”のCMが、新たな若手俳優の“登竜門CM”としての地位を確立することができるのか。今後も注視していきたい。

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