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  • 2代目社長は元ミクシィ取締役、“スイーツ”業界に切り込む「BAKE」の野望
(更新: ORICON NEWS

2代目社長は元ミクシィ取締役、“スイーツ”業界に切り込む「BAKE」の野望

  • 行列を作るほど人気の「BAKE CHEESE TART」

    行列を作るほど人気の「BAKE CHEESE TART」

  • 「BAKE」の5周年パーティーで登壇する西尾社長

    「BAKE」の5周年パーティーで登壇する西尾社長

 チーズタルトをはじめ、シュークリーム、カスタードアップルパイ、バターサンド、さらには生どら焼きにいたるまで、バラエティ豊かな専門店を次々と打ち出しているお菓子ベンチャー、BAKE。創業5周年を迎えたこの春には、テイクアウトパフェ専門店『THE PARFAIT STAND(ザ パフェスタンド)』と、スイートポテト専門店『POGG(ポグ)』を新たにオープンし、その勢いをますます加速させている。

 SNSの発達などにより、流行り廃りが激しくなっているスイーツ業界で、すでに8つの専門店を出店しているBAKE。元ミクシィ取締役という経歴をもち、昨年8月にBAKEの新社長に就任したばかりの西尾修平氏へのインタビューから、その躍進の背景を探ってみた。

2ヶ月連続で新ブランドを立ち上げ

  • 『THE PARFAIT STAND』のパフェ

    『THE PARFAIT STAND』のパフェ

 BAKEはこれまで、年間販売数約3500万個のチーズタルト専門店『BAKE CHEESE TART』をはじめとした8つの自社ブランドを運営。シュークリームの『クロッカンシュー ザクザク』、カスタードアップルパイの『RINGO』、バターサンドの『PRESS BUTTER SAND』といったように、“1ブランド1商品“に絞って店舗を展開している。駅ナカ出店も多いため、スイーツに特別詳しくないという人でも、一度はその洗練された店舗デザインを見かけたことがあるのではないだろうか。

 ここ最近、新たに加わったのが、3月にJR原宿駅券売機横にオープンしたパフェ専門店『THE PARFAIT STAND(ザ パフェスタンド)』、そして4月にルミネエスト新宿にオープンしたスイートポテトパイ専門店『POGG(ポグ)』だ。

 『THE PARFAIT STAND』のパフェには、これまでお菓子の中で脇役ポジションだった「メレンゲ」がソフトクリームのようにドンと鎮座。「サクサク・しゅわしゅわ」の新食感が楽しめるのが一番の特徴で、トレンドの「インスタ映え」も叶えてくれる。
 
 また、『POGG』のスイートポテトパイは、パイ生地の上にポテトペースト、その中にポテトクリームという3層構造にすることで、「さくっ・ほくほく・とろり」という3つの食感を実現。こちらはすでに大宮駅に2店舗目がオープンすることも予定されている。

SNSでも好評価。その理由を社長のインタビューから考察

  • 「BAKE」代表取締役社長兼CEO 西尾修平氏

    「BAKE」代表取締役社長兼CEO 西尾修平氏

 スイーツは単価が低いだけに、幅広い年齢層が購入できるため、その分SNSでの反応も多い。購入者の感想ひとつで人気が下がるのも容易なものだが、BAKEの商品は「手土産に絶対喜ばれる!」「どれだけ並んでも買うべき代物やわ」「この世で一番好き」と、好評価が多い。消費者をここまで虜にさせる理由を、西尾社長へのインタビューから探ってみた。

・「1ブランド1商品」で“逃げ道”をなくす

 冒頭でも述べたBAKEの「1ブランドにつき1商品」のコンセプトには、いくつかの理由があるようだ。

 「多数の商品ラインナップを持たないことで、商品の製造工程や原材料にかける費用分を、ひとつの製品のみに投資をすることで、美味しさを追求出来るという考えから始まりました。それにより、商品価値やブランドカラーも明確に伝えやすくなります。もう1つの理由としては、商品を1つに絞り込むことによって“逃げ道”がなくなるから。本気でお菓子に向き合わなくてはそのブランドは潰れてしまう。お客様へ『これを食べていただきたい』という渾身の商品と覚悟を見てほしいです」(西尾社長)

・ブランド選定の基準は「8割主義」が根底にある

 洋菓子から和菓子までバラエティ豊かなBAKEのスイーツ。なにをブランド化するか決めるには「条件」があるという。

 「当初からBAKEが大事にしているのが『8割主義』。これは10人なら8人が好き、100人なら80人が好きであろう、マーケットの大きなプロダクトを選ぶということです。この8割主義にあたるものは結構多いのですが、トレンドなどをふまえ、その時良いと思ったものを選んでいます」

 ただし、先日オープンした店で扱う「パフェ」に関してはひとつの外部要因が関係している。

 「店舗のスペースがJR原宿駅の改札横という都合上、はじめて“火を使わない”条件がつきました。その中で選んだのが、パフェだったのです。私自身、もともとパフェはいつか挑戦したいと思っていたスイーツなので、いいタイミングにはなったと感じています」

・失敗上等。今後も1年に1〜2ブランドを提案

 新ブランドの立ち上げにはかなり慎重になりそうなものだが、BAKEは毎年次々と新ブランドを立ち上げている。ベンチャーならではの“勢い”があっても、立ち行かなくなる時もありそうだが、失敗は恐れないという。

 「毎回ヒットしていると思われていますが、まだまだこれからというブランドがあるのも事実です。ですが、新しい気づき、そして価値を創造するためには、打席に立ってバットを振っていかないといけません。今後どういった結果になろうとも、1年に1〜2つのブランドは提案していこうと思っています」
  • 各ブランドカラーの衣装を身にまとい登場したファッションモデル

    各ブランドカラーの衣装を身にまとい登場したファッションモデル

 インタビューの同日に開催されたBAKEの創業5周年パーティーでは、各ブランドカラーの服を着たモデルによるファッションショーが行われたり、その様子がTwitterの「#BAKE5th」ハッシュタグで拡散されていたりと、独創的かつ時代にマッチした方法でブランドの魅力をアピール。

 また、2015年から運営しているオウンドメディア『THE BAKE MAGAZINE』では、インフルエンサーの塩谷舞氏を編集長に迎えるなど、同業他社ではあまり類を見ないコンテンツマーケティング施策打ち出し、BAKEのブランディングを後押しする。

 単なるお菓子のおいしさやインパクトだけでなく、そうした「ブランディングの巧みさ」も、消費者がBAKEの取り組みをポジティブに受け入れる理由の1つのように思う。これからもお菓子を通じてどんな驚きと発見を見せてくれるのか、目が離せない。

(文・池田麻友菜)

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