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ORICON NEWS
【連載11】SMAPベストアルバム 5人を信じ愛し続けるファンからのメッセージ
投票結果はまるでファンからの祈りのメッセージのよう
デビューから通算6枚目となるSMAPのベストアルバム『SMAP 25 YEARS』の収録曲が、テレビの情報番組やニュースを賑わせている。400曲以上あった候補曲の中から、ファンからのリクエストによって収録が決定した50曲。「BEST FRIEND」「FIVE RESPECT」「どうしても君がいい」「ありがとう」「A Song For Your Love」「華麗なる逆襲」「手を繋ごう」「どうか届きますように」……。ずらりと並んだそのタイトルを見るだけでも、まるでファンからの祈りのメッセージのようだ。
なぜあのとき「STAY」を歌ったのか? 彼らが歌に込めたものを信じて
<永遠なんて言わないからさ 5、60年 それだけでいい>と、ファンの前で、ライブで歌ったとき、それを観ていた誰もが、「デビュー25周年の幕開けにふさわしい曲」と思ったはずだ。だから、そのあとSMAPファンにとっては理不尽で不可解な報道がなされ、夏に年内解散が発表された時、ファンは、このシナリオがメンバーの意向ではないと直感した。なぜ中居は、年明けすぐの生放送ライブで「STAY」を選択したのか。なぜあのとき、木村拓哉が<どうか道の途中で 手を離そうとしないでよ>と歌ったあとに、中居がそれを受けて、<大事なのは続けること>と繋いだのか。5人で、<僕らずっと共に生きよう>と歌ったのか。彼らの口から真実が語られない今、信じられるのは、彼らが歌に込めたメッセージしかない。だから、SMAPの存続を願うファンは何となくではあるが予感していた。「STAY」が、ベストアルバムの1位になることを。この結果は、SMAPファンからSMAPへの、祈りでありメッセージなのだ。何があっても、私たちはSMAPの5人を信じ、愛し続けるというメッセージ。
歌番組は中居が、コンサートは香取が演出を担当
ところで、SMAPほど、テレビの企画でライブを披露しているグループは他にないのではないだろうか。『ザ・ベストテン』(TBS系)も『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)も終了した、音楽番組冬の時代にデビューしたせいか、メンバーの中でも特に中居には、テレビの音楽番組に対する思い入れが強い。ちなみに、2014年の『27時間テレビ』生ライブのあとで中居に取材する機会があったのだが、そのとき彼は、このライブの演出は、衣装からセットリストに至るまで、すべて自分で担当したと話していた。オープニングで、全員がメガネをかけて登場して、途中でそれを外す演出がとにかくカッコ良かったことを伝えると、「その演出は前日に急に思い立って、急きょ、親しいスタイリストに20個以上の白縁メガネを用意させた」という。さすがは、デビューからずっと、SMAPのツアーを中心になって演出していただけのことはある。2008年から、ツアーの演出は香取が担当するようになっていたけれど、テレビの歌番組でライブを披露する際の演出担当は相変わらず中居だった。
『27時間テレビ』生ライブがあったのと同じ年、香取が4回目の演出を担当したツアー『Mr.S-SAIKOU DE SAIKOU NO CONCERT TOUR-』は、本当に素晴らしい出来栄えだった。おそらく、SMAPのライブ史上最高に踊っていたと思う。香取が演出担当になった2008年のライブは、それまでの中居演出とは打って変わって、タイトル通り“アーティスティック”になり、正直、好き嫌いの分かれる感じはあった。それが、2年後にはエンタテインメント感をふんだんに盛り込み、どんどんライブが大胆に、遊び心を持って進化していった。だから、2016年のライブは、本当に本当に楽しみだった。