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【連載10】SMAP 5人の役割を考察:香取慎吾 小学生からずっと――末っ子が生きてきたSMAPという人生

 前回お送りした『草なぎ剛 嘘のない“5番目の男”がSMAPを予測不可能な未来へ』に続く、SMAP連載第10弾。今回は、SMAPの末っ子・香取慎吾を語る。グループが結成されたのは、香取が小学生の頃。それから39歳の今に至るまで、その人生のほとんどは “SMAPの香取慎吾”であった。そんな香取をめぐり、様々な報道がなされている。彼が今なにを考え、思っているのか。真実は本人にしかわからないけれど、香取がグループを愛する“SMAPバカ”であることは、疑いようがない。

“言っていいこと”“悪いこと”の境界線上に――

 「そもそも、何で終わるんですか?」

 2014年3月31日。『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のグランドフィナーレで、香取慎吾は、タモリに向かってそう質問した。「答えはいりません。ちょっと我慢できないので言います」と前置きして、長きに渡ってレギュラーを勤めた番組が終わってしまうことの理不尽さと寂しさと悔しさとを、そのひと言に託した。

 テレビのバラエティ番組には、基本的にはベースに台本がある。それが生放送のアドリブであればなおさら、出演者は、“言っていいこと”と“言ってはいけないこと”の線引きを気にしながら発言しているはずだ。香取のこのひと言は、たぶん、言っていいことと悪いことの境界線上にあって、SMAPでも“末っ子キャラ”の香取だからこそ、許された発言なのだと思う。

SMAPという“家族”の末っ子、“本音”をもらす得意技

 香取が“いいとも”のレギュラーになったのが17歳。幼い頃から常に大人に囲まれながら仕事をしてきたせいか、とぼけたふりをして“本音”をもらすことは、言ってみれば彼の得意技だった。“本音”とは少し違うけれど、2002年の『SMAP×SMAP』(同系)の“SMAP裁判”というコーナーでは、自分が小学生のときに、メンバーの連絡係を任されていたことを、証拠のカセットテープを持ち出して暴露したこともある。幼い声で、「4月から小学6年生」と話す香取が、メンバーそれぞれに翌日の待ち合わせ場所や持ち物を伝え、自分も話した内容を忘れないために、会話をカセットテープに録音していたのだった。SMAPデビュー20周年を迎えた頃から、過去の出来事を振り返ることが多くなった。そのたびに香取が面白エピソードの口火を切った。たとえば2014年の『武器はテレビ。SMAP×FNS27時間テレビ』(同系)の“27時間ナショー”では、東野幸治から「(解散危機は)何回くらいあったのか?」と質問され、「ありましたよ、3か4あたり」と、他のメンバーが沈黙する中、真っ先に答えたのが香取だった。

 最近のアイドルグループやダンス・ボーカルグループには、大抵、“末っ子キャラ”と呼ばれる存在がある。でも、思い返してみると、“末っ子キャラ”という概念を世の中に浸透させたのは、誰であろう香取慎吾である。5人兄弟とか大家族とか、そんな賑やかなファミリー像になかなかお目にかかれなくなった時代に、SMAPというグループは、比較的早い時期から、メンバーそれぞれの“役割”のようなものを確立させていた。SMAPを一つの家族にたとえるなら、年長の中居正広と木村拓哉が“両親”のような立場で、優しく、時に厳しく、下の4人の面倒を見た。兄弟は上から順番に、稲垣吾郎、森且行、草なぎ剛、そして香取。SMAP結成当初、小学生だったのは香取だけで、ランドセルを背負ってテレビ局に通っていた逸話もある。デビューしたのが中学3年、14歳のときで、中居と木村はその年の3月に高校を卒業していた。

「慎吾ママ」も「カニ蔵」も ギリギリの線で笑いをとる大胆さ

 末っ子は要領がいいとよく言われる。たしかに、末っ子であれば、上の兄弟たちの振る舞いを参考にしながら、何事も失敗をしないようにうまくやることができる。しかも、“できない”“わからない”ことは当たり前。これだけみんなに愛されて育っているのだから、中身は天真爛漫のはず、という世の中の思い込みにも後押しされ、何かやらかしてしまっても、大抵、“末っ子だから”と許される。SMAPにおいても、多少香取が暴走したとしても、“まぁ、慎吾だからね”と笑って許されてしまう場面は何度もあった。“ビストロSMAP”(『SMAP×SMAP』内)では、試食のときに香取がゲストの過去を発掘したコスプレで登場することも多いが、ある種のゲストにとっての恥部を、笑いに変えることができるのは、香取の末っ子パワーの成せる業といえるかもしれない。市川海老蔵のパロディ芸のカニ蔵だってそうだ。オマージュ(尊敬)と無礼、そのギリギリの線を突き、笑いを取れるあの大胆さ。何をやってもグロテスクにならず、そこはかとない“可愛さ”が漂う。何より、彼自身がそれを楽しんでやっていることが伝わってきて、観ているこちらまで楽しくなる。

 その、香取が生み出すハッピーなキャラクターの究極が、「慎吾ママ」だったのだろう。毎週土曜日に中居正広と2人で司会を勤めたバラエティ『サタ☆スマ』(同系)から生まれたキャラクターで、“中居パパの赤ちゃん預かります”と“慎吾ママのこっそり朝御飯”など、一般人とのサプライズな絡みが満載で、作り込まれた歌やコントに彩られ“芸達者”な側面が光る『スマスマ』に対し、『サタ☆スマ』では中居と香取の“素”の部分に触れられた気がしたものだ。

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