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佐藤健インタビュー『俳優生活10周年、本気で俳優業に向き合う“カッコ悪い”理由とは!?』

何が正解かわからないから、いろいろなパターンをやって全部出し切れた

――演じていても、光太郎は魅力的な存在でしたか?
佐藤健魅力は大きかったですね。コンプレックスをマックスに感じたのは、光太郎の内定が出たときでした。それまでも、もちろん光太郎のことは認めていたけど、ちょっとは自分の方が優秀だったりするんじゃないか? と思っているところもあって。光太郎に内定が出て、俺(拓人)には出ないってなったときの崩壊していく構図、拓人の嫉妬心には共感しました。
――いまお話いただいたシーンもそうですが、人生の傍観者だった拓人が、就活仲間と互いに切磋琢磨するなか、当事者になっていく青春ドラマで、拓人から感情があふれ出す瞬間に胸を衝かれました。とくに印象に残っているシーンはありますか?
佐藤健後半の面接のシーンは、いちばん時間がかかったこともあって、印象に残っています。台本を読んだときも、果たしてこのままでいいのか? といちばん思ったシーンでした。拓人のセリフが本当にこれでいいのだろうか? とずっと考えていました。撮影の1週間くらい前から前日まで、ずっと監督と相談してやりとりするなかで、台本以上に膨らませてセリフを作って。かなり議論というか話し合って、撮影当日を迎えたんですが、実際現場に入って、やってみて、また監督と話して。結局、面接の終わらせ方も含め、何パターンか別のお芝居も撮ったんです。完成作を観たとき、あぁ、監督はこれを選択したんだって。“ほぅ!”っていちばん思ったところもそこでしたね。

――どう受けとめたのですか?
佐藤健観終わったときの、観終わり感に直接つながる映画のラストシーンなので、もうちょっとすっきりできる終わり方の方がいいんじゃないか? ということを考えていたんですけど、僕が映画を観た感想としては、結果的に監督はもやっとした方向を判断されたんだなって思いました。“やっぱ、そんなにわかりやすくねぇよな!”って気持ちがあるんだなって。自分でも何が正解かわからないから、いろいろな議論があって、いろいろなパターンをやって、お芝居としては全部出し切れたので、あとは監督を信頼して、監督の編集にお任せしますという感じでした。

年を重ねるうちに自分を客観的に見れなくなっていく

――本作を通して、原作にも頻出する「想像力」というテーマについては、どのように考えましたか?
佐藤健想像力については、今回改めてというより、原作を読んだときにいろいろと考えさせられました。基本的には共感ばかりしていましたね。まだ言う段階じゃないことをブログに書くってどうなの? ってこととか(笑)。そういう意味では今回、拓人はかなり自然体でした。原作に書かれた「想像力」って、要は“自分がどう見えているのか、客観的に見えてんの、君は?”みたいな意味ですよね。それをちゃんと想像できているの? という意味では、自分がどう見えているのか、僕も常に客観的にいようと努めてはいます。忘れてしまう瞬間ももちろんあるけど(笑)。やっぱり年を重ねるうちに、麻痺していっちゃうじゃないですか? どんどん自分を客観的に見れなくなっていく気がするので、常に意識することが大事だと思います。
――今年は、7月に熊本の被災地へ慰問に行かれたり、9月には写真集+DVDブック『X(ten)』(ワニブックス)を発売されるなど、お芝居以外の活動も印象的です。俳優生活10周年を迎えたいま、お芝居のいちばんのモチベーションは何ですか?
佐藤健自分が出演している作品を観て、それがあるからがんばれるみたいなことを言ってくださる人がいることはもちろんありがたいんですけど、本当のモチベーションっていうのは全然カッコ悪いものです。僕ら俳優は、作品に出ないと生活できないじゃないですか? 作品に出ざるを得ないなかで、出るんだったらダサい格好は見せたくないし、なあなあでやっているって思われたくない。だからがんばる、本気でやる。それが正直、いちばんのモチベーションというか、一生懸命やる理由なんだと思います。見栄というか、意地というのか(苦笑)。

――デビューした頃から、変わったことはありますか?
佐藤健10年前は何も考えていないですから! もちろん一生懸命やっていましたけど。楽しかったし。自分のなかで10年前と違うことと言えば、期待してくれる人や自分を認めてくれている人、自分を信じて作品にかけてくれた、一緒にやってきたスタッフがいてくれること。そういう人たちに恥ずかしい姿は見せたくないし「あいつ、変わったな」って思われたくないなって。ファンの人たちも、いいと思ってくれたから、ファンでいてくれるわけで、そういう人たちの期待に応えたい。やっぱり“いい仕事してるよね”って思われたいですね。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:逢坂 聡)

何者

 就活の情報交換のためひとつの部屋に集まった5人の22歳。かつて演劇サークルで脚本を書いていた、人を分析するのが得意な拓人(佐藤健)。天真爛漫で何も考えていないようで、着実に内定に近づいていく光太郎(菅田将暉)。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せ続ける、実直な性格の瑞月(有村架純)。人一倍、意識高い系でありながら、結果が出ず不安を募らせていく理香(二階堂ふみ)。社会の決めたルールには乗らないと宣言しながらも、焦りを隠せない隆良(岡田将生)。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺、SNS、業界の人脈。様々なツールを駆使して戦っていく就活生たち。企業に入れば「何者」かになれるのか、自分は「何者」になりたいのか……。
 そんな疑問を抱えて就活を進めるなか、5人はそれぞれの思いや悩みをツイートするが、一緒に過ごすうちに、就活のやり方やスタンスに嫌悪感を覚えることもあり、徐々に人間関係が変化していく。そして拓人はサークルOBのサワ先輩(山田孝之)に相談するも、思うようにいかない現実に苛立ちを隠せなくなる。やがて「内定者」が現れたとき、抑えられていた妬み、本音が露になっていく。そして、ようやく彼らは自分を見つめ直す。果たして自分は「何者」なのか。

監督・脚本:三浦大輔
出演:佐藤健 有村架純 二階堂ふみ 菅田将暉 岡田将生 山田孝之
2016年10月15日(土)全国東宝系にてロードショー
(C)2016映画「何者」製作委員会
【公式サイト】(外部サイト)

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