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土屋守 スコッチ・終わりなき旅
ウイスキー文化研究所 代表 土屋守
1954年新潟県佐渡生まれ。大学卒業後フォトジャーナリストとしての活動、新潮社『フォーカス』編集部勤務を経て1987年に渡英。1988年から4年間、日本語月刊情報誌『ジャーニー』編集長を務める。その後英国取材の経験を生かし、主にスコッチウイスキー、紅茶など、ライフスタイルを紹介した著書、エッセイ等を多数発表。1998年ハイランド・ディスティラーズ社より「世界のウイスキーライター5人」に選ばれる。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立し、代表に就任。2014年のNHK朝の連続テレビ小説『マッサン』ではウイスキー考証として監修を務めた。現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家。日本初のウイスキー専門誌『Whisky World』(2005年3月創刊)の編集長として活躍中。
<シングルモルトウイスキーとは?>
1つの蒸留所で大麦麦芽(モルト)を100%使用して作られ、それぞれの蒸留所(あるいはその親会社)で瓶詰めされているウイスキーのこと。日本酒の酒蔵、ワインの醸造所ごとに味の違いがあるように、シングルモルトは蒸留所ごとに豊かな個性を持っている。一般的なブレンデッドウイスキーに比べ個性を楽しむことができるのがシングルモルトウイスキーだ。
ウイスキーの伝道師、土屋がスコッチにはまったきっかけ
撮影:渋谷寛
「1992年以降、日本でもぽつぽつとシングルモルトが出回り始めた。帰国直前、古巣の新潮社から頼まれて、スコッチの取材経験があるということでシングルモルトの本を執筆したんです。7割僕が書いたんだけど、書いたことで自分の中に変化が起きました。実際全部の蒸留所を網羅した本が世の中にないんです。それを作らなければ区切りがつかないという思いが芽生えました。
1993年の秋、赤坂のとあるバーを会場に、シングルモルトの会を企画しました。当時の日本にはシングルモルトに関する資料がなかったので、僕が自分で作った資料を使いつつ、2年間かけてほぼ全種類のシングルモルトを飲むという会をやりました。資料が溜まったころに、それを本にしたいという出版社が現れたんです」