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『絶対正義』狂気の高校生役で新人賞受賞の白石聖、次は「明るいギャル役をやってみたい」

 法律のみを唯一の価値基準に生きる“絶対正義”の主人公が、周囲の人々を翻弄していく心理サスペンスとして注目を集めた、オトナの土ドラ『絶対正義』(東海テレビ・フジテレビ系)。このドラマで山口紗弥加演じる主人公・高規範子の高校時代を演じた白石聖が、『第15回コンフィデンスアワード・ドラマ賞』で「新人賞」を受賞した。先だっては、“人気女優への登竜門”としても知られる「12代目ゼクシィCMガール」に抜てき。飛躍の時を迎えている白石に、『絶対正義』での役作りなどドラマの裏話から、女優としての今後の目標などを聞いた。

⇒『第15回コンフィデンスアワード・ドラマ賞』全7部門の結果一覧

「第1話の衝撃的なシーンでの感覚を忘れずに演じた」

――新人賞受賞、おめでとうございます。
白石 ありがとうございます。こんなに素晴らしい賞をいただけることになり、本当にうれしいです。最近、インタビューなどで今後の目標を聞かれると、『(女優として)賞に選んでいただきたい』と答えていたんです。だから今回、マネージャーさんから受賞の連絡をいただいた時、駅にいたんですけど、構内に響くくらい大きな声で『えっ』って言っちゃいました(笑)。1月期のドラマは結構見ていたんですけど、すごく面白い作品が多かったなかで、新人賞をいただけて大変光栄です。
――今回は、1つの間違いも犯さず、一切の過ちも許さない女性という難しい役どころでしたが、どのように役作りをされたのですか?
白石 撮影前に原作を読みました。最初に読んだとき、範子のことは一切理解ができませんでした。相手を罰したときに脳に電撃が走るみたいな描写を見て、これは変態だな、根本的に歪んでいる人という印象があったんです。でも監督と話しながら、嬉しさとか『負』だけじゃない気持ちづくりを現場でしていって。回を重ねて演じていくうちに、思った以上にかわいそうな人で、本当に孤独な人だということがわかってきて、役への理解が深まっていきました。

 撮影が始まってから早々に、1話で母親が亡くなってしまう衝撃的なシーンがありました。このシーンはすべての根源的な部分。これがあって範子は人格が歪んでしまったので、この日の感覚を大切にその後の撮影に臨んでいました。監督が、範子の息の吸い方やまばたきの仕方に細かな指導をしてくださってキャラクターを付けてくれたので、迷うことなく演じられましたね。逆に(範子の)周りで翻弄されていく人たちのほうが、きっと大変だっただろうなと思います。山口(紗弥加)さんと一緒に1人の人物を演じられたことはすごく勉強になりました。
――山口さんとは「範子」像について、お話しする機会はあったのですか?
白石 いえ、お時間が合わず撮影前にお話ができなかったんです。特に第1話が高校生時代の話だったので、なかなかご一緒させていただく機会もなく。個人的にはもう少し山口さん演じる範子に寄せられたら良かったかなとも思ったんです。でも、ああやって高校生から大人になった時の範子の振り幅、時間が経過してこんなにやばくなってしまった、という山口さんが作られたキャラクターが、すごくよかったんだと思います。山口さんと私の間に監督が入ってくれて、うまく“範子”というキャラクターをつないでくれたのが良かったと思います。

――山口さんからは何かアドバイスなどはありましたか?
白石 アドバイスではないんですけど、すごくいいのどのスプレーをいただきました(笑)。みんなを山小屋に連れていって豚肉を調理する場面があるんですけど、その時に声を荒げるシーンがあって。もともと体調があまりよくない上に、撮影前にのどを痛めていて、万全ではない状況でずっと叫んでいたんです。そしたら山口さんが気を遣って、のどのスプレーをくださって。今でものどの調子よくないときに使わせていただいています。そういった心配りがありがたかったですね。

やってみたい役は「明るいギャル役」

――高校時代のシーンでは、同年代がキャストに揃いました。なにか印象的なエピソードはありますか?
白石 第1話は、高校時代のキャストがメインということで、だいぶプレッシャーを感じていました。本読みの時に、監督にボロボロに言われて、みんな緊張感を持って撮影に臨んでいましたね。本当は仲良く話しをしたいと思ったんですが、、みんなそんな余裕もなく、それぞれの役として集中する時間を持って役をまっとうしていました。だから8話の撮影で高校時代のキャストに再会したときに、すごく嬉しかったですね。第1話で築いた絆を感じました。
――第1話のお話がでましたが、卒業式の後に1人教室でピアノを弾き、涙を流すシーンはとても印象的でした。
白石 最初はただピアノを弾いて歌うだけだったんですけど、現場でだんだん変化していって、ピアノを弾いて涙する演出に変わったんです。あれだけ印象的なシーンになるとは思っていませんでしたが、あのシーンをやってから範子の中面がわかってきたというか、あのシーンがあったから範子として生きられたんじゃないかなと思います。撮影中は現場にいないときも、役のことを考えていましたね。撮影が終わったあと、なんかすごく気持ちが軽くなったので、自分では気づかないうちに、背負ってたんだなと思いました。

――今回の範子役で、ご自身の可能性をさらに広げたように思います。
白石 本当に運がいいなと思います。出会った役に恵まれているなと。いままで内面にいろいろため込みがちな女の子の役をいただくことが多かったんですが、今回のような役もやらせていただいて、少しずつふり幅が広がってきたと思っています。今後もっともっと広げていきたいですね。今、演じるのがすごく楽しいので、これからもいろんな役と出会っていきたいです。

――今後やってみたい役があれば教えてください。
白石 ギャルの役がやりたいですね(笑)。クレイジーじゃなく、抑えるのではなく自分を出すお芝居ができるすごく明るいギャルをやりたいです。自分の引き出しの中にギャルは眠っています(笑)。これまでは、泣いていたり、何か内面的に抱えている役が多かったので、ギャルじゃなくても、明るくて楽しい役をやってみたいですね。憧れの女優さんは夏帆さん。あれだけ華やかだけど、相手を輝かせることもできて素敵だなと思っています。自分もそういう風になれたらいいなと思います。今回、素晴らしい賞をいただいたのでこれに恥じぬよう、これからも頑張っていきたいです。

撮影/片山よしお

提供元: コンフィデンス

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