【旧車トレンド(2)】「愛車遍歴」Pに聞く番組における旧車の役割 「持ってくるのにおぎやはぎのギャラよりかかった車もあります(笑)」
最新のテクノロジーが注ぎ込まれた新しい車を選ぶのではなく、何十万キロと走ってきた今の車にはない“個性”を持った車に価値を見いだす。そんな人たちによる空前の「旧車ブーム」はなぜ起こったのだろうか?さまざまな角度から、この「旧車」熱の高まりを分析していこうと思う。第2回の今回は、BS日テレの人気番組「おぎやはぎの愛車遍歴」のプロデューサー・菊地武氏に話を聞いた。
番組開始当初は車探し・出演交渉に苦労しました
菊地P番組が始まった当初は、車探しに苦労しました。当時は番組の認知度も低く、探し当てるルートもないので、スタッフの中にいた大学の自動車部あがりの子がいろいろと開拓してくれたり、竹岡さんがお力をお借りしました。あと、仮に見つかったとしても借りることに対して渋られることもありました。でも、今はおかげさまで番組を知っている方も多くなり、その車にたどり着けば快く協力してくださるオーナーさんが圧倒的に増えました。面白いなと思ったのが、車を探すときにときどき、『〇〇という車をお探しだと聞いたのですが』と電話があるんです。私たちが車を探していることを、人伝いに聞いて電話してくださったんですね。それくらい、ネットワークというのか、出来上がってきているなと思います(笑)。
菊地P希少車はオーナーズクラブなんかもしっかりしているので、わりと見つけやすいんです。逆に少し前(80年代、90年代)のありふれた大衆車の方が探すのが難しい。大衆車なので、乗りつぶす方が多くてあんまり残っていないのか苦労しますね。あんなに街中で見かけたから残っていると思うとそうでもないんです。
探してオーナーと交渉。さらにロケ地である首都圏にまで運ぶのだが、その輸送もまた大変。北は北海道、南は九州まで、求めている車があるとなるとどこまでも行くという。
菊地P大きな声じゃ言えないですけど、持ってくるのにおぎやはぎのギャラよりかかった車もあります(笑)。主に輸送費・保険費ですね。北は北海道、南は九州からフェリーで運んでというのも何度もありましたし。プロデューサーとしては悩ましいところですよね(笑)。でも車がそこにしかないとなると、仕方ないんですよ。