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『ラ・ラ・ランド』37億円超え異例のヒット 春休み映画興行30億円超え4作

 4月を迎えて春休みシーズンが終盤に入るなか、土曜日の“映画の日”(4月1日)を挟んだ主な春休み映画の興行成績は一覧のような状況になった。それぞれ公開日から4月2日までの興収で、アニメの30億円超えが3作、20億円超えが1作。春休みという時節柄もあるが、近年の映画興行を支えているアニメの定番シリーズとハリウッド大作が、ファミリー層に加えて中高生、大学生ら学生層も動員して好調。劇場を賑わせている。

激戦の春休み映画興行で異彩を放つ『ラ・ラ・ランド』

 実写では、第89回アカデミー賞で作品賞こそ逃したものの、監督賞、主演女優賞を含む最多6部門を受賞(最多13部門14ノミネート)したミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』が、2月24日から4月2日までの38日間で興収37億3600万円、動員274万人。3月公開の大作映画が激戦を繰り広げるなか、4月2日までの興収では春休み映画でNo.1となる大ヒットを記録中。261館308スクリーンというハリウッドメジャー大作なみの規模での封切り後、春休みシーズンへの突入などでスクリーン数と上映回数は減っているものの現在でも上映館数は変わらず。全国映画動員ランキングでは公開からTOP10内をキープし続け、6週目となる最新ランキングでも春休みのアニメ大作などがひしめくなか7位をキープしている。
 『ラ・ラ・ランド』のヒットの裏には、まずはアカデミー賞授賞式の前々日に映画が公開されたことがある。まさに受賞発表と同タイミングでの公開が、世の中の話題性と関心の高さをそのまま興行に結びつけた。また、それ以前からアカデミー賞最多ノミネートという話題のほかに、作品そのもののよさも口コミで広く伝わっていたことから、事前の試写は毎回満席が続いており、関係者の間でもそのポテンシャルの高さは注目されていた(ここ最近で試写の満席が続いていたのは『この世界の片隅に』くらい)。そんなふつふつと高まっていた作品への期待感がアカデミー賞授賞式での最多受賞という結果とともに爆発した形になる。

 公開後は、作品の地力とともにアカデミー効果によるテレビ情報番組などでの露出のほか、ネットでは内容の批評が賛否を含めて大いに盛り上がり、さらにSNSではパロディ画像や動画がブームになるなど、それらの話題が追い風となった。その結果、観客層が映画ファンに偏りがちなオスカー関連作品のなかで、若い世代の女性を中心にしたライトユーザーを広く取り込む形に。配給会社は「1年に1本くらいのペースで映画を観る人や、ふだん邦画を中心に観ている人たちが劇場に足を運んでいます」とコメントするが、日本では大きなヒットに結びつきにくいオスカー関連作品としては、異例の興行になっている(配給会社の最終目標は45億円)。

春の3大アニメ『モアナ』『ドラえもん』『SING』がシーンをけん引

 昨年の年間映画興行ランキングTOP10のうち7作を占めるなど、いまやシーンをけん引しているアニメは、春休み映画興行でもやはり好調。『モアナと伝説の海』(興収37億2000万円、動員300万人)、『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(興収35億3700万円、動員311万人)、『SING/シング』(31億9160万円、動員264万人)がそれぞれ3月初旬〜中旬の封切りだが、すでに30億円超え。さらに興収を伸ばしている。

 興収76億円を記録した『ズートピア』(2016年)を超える勢いでスタートした『モアナと伝説の海』は、配給会社の最終目標は80億円。ファミリー層をメインにしながら高校生、大学生の観客も多く、4/8からは4DX上映もスタートすることから、さらに学生層の伸びを期待している。
  • 『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(シリーズ第37作)

    『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(シリーズ第37作)

  • 『SING/シング』

    『SING/シング』

 動員数で春休み映画トップの『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(シリーズ第37作)は、近年の大人でも楽しめるストーリー展開の作品性が好評。ファミリー層に限らず幅広い世代を楽しませていることから、興収をより伸ばしている。昨年の第36作『新・のび太の日本誕生』は、声優が変わった第26作(2006年)からの新シリーズ最高興収(41億2000万円)を更新していたが、今回の第37作での2年連続となる記録更新がほぼ確実な状況。新作が公開されるたびに興収を伸ばしていくファンからの信頼と強度を備えたシリーズになっている。

 そのほか、『SING/シング』は公開から3週連続で映画動員ランキング1位を獲得。いま一番の勢いを持つ。ライトノベルを原作にする『劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-』は、原作小説とアニメのコアファンをしっかりと取り込んで、興収22億7560万円、動員160万人の大ヒット中。リピーターが多いようだが、「『君の名は。』と『ガールズ&パンツァー』の中間くらいを狙った」(伊藤智彦監督)という通り、コア以外にも広くアニメファンを惹きつけているようだ。
 邦画実写では、広瀬すず主演の実話をもとにする物語『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』が10億円、ブレイク中の永野芽郁が主演の漫画実写『ひるなかの流星』が7億3260万円と好調。一方で、中高校生向けの漫画実写化作品の公開が続いているものの、一部の作品を除き伸び悩んでいる状況もあるようだ。アニメ放映と連動して2部作の実写化となる『3月のライオン【前編】』(3月18日公開)は興収、動員ともに非公表。そのほか3月中旬から後半の公開作品はこれからの4月の伸びに期待がかかる。
(コンフィデンス誌 17年4月10日号掲載)

Photo credit: EW0001: Sebastian(Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.(C)2017 Disney. All Rights Reserved.(C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ動画・ADK 2017(C)Universal Studios.(C)2017 映画「チア☆ダン」製作委員会(C)2017 フジテレビジョン 東宝 集英社(C)やまもり三香/集英社

提供元: コンフィデンス

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