『ラ・ラ・ランド』37億円超え異例のヒット 春休み映画興行30億円超え4作
激戦の春休み映画興行で異彩を放つ『ラ・ラ・ランド』
公開後は、作品の地力とともにアカデミー効果によるテレビ情報番組などでの露出のほか、ネットでは内容の批評が賛否を含めて大いに盛り上がり、さらにSNSではパロディ画像や動画がブームになるなど、それらの話題が追い風となった。その結果、観客層が映画ファンに偏りがちなオスカー関連作品のなかで、若い世代の女性を中心にしたライトユーザーを広く取り込む形に。配給会社は「1年に1本くらいのペースで映画を観る人や、ふだん邦画を中心に観ている人たちが劇場に足を運んでいます」とコメントするが、日本では大きなヒットに結びつきにくいオスカー関連作品としては、異例の興行になっている(配給会社の最終目標は45億円)。
春の3大アニメ『モアナ』『ドラえもん』『SING』がシーンをけん引
興収76億円を記録した『ズートピア』(2016年)を超える勢いでスタートした『モアナと伝説の海』は、配給会社の最終目標は80億円。ファミリー層をメインにしながら高校生、大学生の観客も多く、4/8からは4DX上映もスタートすることから、さらに学生層の伸びを期待している。
-
『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(シリーズ第37作)
-
『SING/シング』
そのほか、『SING/シング』は公開から3週連続で映画動員ランキング1位を獲得。いま一番の勢いを持つ。ライトノベルを原作にする『劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-』は、原作小説とアニメのコアファンをしっかりと取り込んで、興収22億7560万円、動員160万人の大ヒット中。リピーターが多いようだが、「『君の名は。』と『ガールズ&パンツァー』の中間くらいを狙った」(伊藤智彦監督)という通り、コア以外にも広くアニメファンを惹きつけているようだ。
(コンフィデンス誌 17年4月10日号掲載)
Photo credit: EW0001: Sebastian(Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.(C)2017 Disney. All Rights Reserved.(C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ動画・ADK 2017(C)Universal Studios.(C)2017 映画「チア☆ダン」製作委員会(C)2017 フジテレビジョン 東宝 集英社(C)やまもり三香/集英社