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劇場版 ATARU特集『ファンの反応が気になった劇場版でのチャレンジ!木村ひさし監督&島崎遥香が語る☆』
アタルのスピンオフと考えればしっくりくる
木村ひさし監督
木村本当にありがたいです。撮影中は、いろいろと全員でディスカッションを重ね、個々のシーンの内容について丁寧に決めていくスタイルを採ったので、完成して一本につながった映像を観た時は正直、ホッとしました(笑)。実は今回、アタルとマドカを中心にしたストーリーですが、当初のアイデアでは起こる事件に重点を置いた内容でした。ただ、中居(正広)さんをはじめ、全員で話をしている時、基本的には事件をメインに話を進めるけれども、主人公のアタルと彼と交わった人々の反応を描いた連続ドラマだったことを思い出して、アタルとマドカの物語にしていこうと。そのバランスが今回の課題だったと思います。
――ドラマ版を踏まえ、制作側の皆さんのなかには、アタルを掘り下げたい欲求が出ましたか?
木村プロデューサーの植田(博樹)さんは、マドカを出すことでアタルを表現しようと思っていたらしく、アタル自体を細かく描かず、マドカを描くことでアタルも表現していく方法にしたかったと思います。最終的にはアタル自身にフォーカスしてゆく描写もありますが、僕も正直、これを20年間続くシリーズに育てたいと思っているので(笑)、じっくりと今回の映画で描くことに抵抗がありました。だから皆アタルのことを知りたいと思っているけれども、誰かを通して想像するニュアンスが一番いいということになった。植田さんいわく、これはアタルのスピンオフ。そう考えれば、しっくりとくる内容かなって思います。
――劇場公開時の舞台挨拶では中居さん自身も続編を示唆するなど、皆さんの愛が強いです。
木村そうですね。ただ、終わった直後は達成感で、もういいと思っちゃいました(笑)。連続ドラマ、スペシャル版、そして今回の映画と、ずっと感覚的にはアタルをやっている気がしていて、次回作は2年後、2年半後くらいがちょうどいいかなあと、僕は思っていますが(笑)。
――ところで、アタルのキャラクター設定を含めて、チャレンジだったことは何でしょうか?
木村そうですね。一番はアタルがセリフとしてセリフをしゃべっているシーンが多いことと、今までは感情に根差してセリフを言うことは一切していなかったけれど、「(マドカを)撃たないで!」などは感情でしゃべっているセリフなので、そこがチャレンジでしたね。ファンの方々の反応が気になりました。アタルの気持ちを理解、表現するために、最初にセリフを多めに書いておいて、撮影を進めながら削っていく方法にしましたが、感情でしゃべってしまうセリフは印象が強いので、アタルを演じる中居さん本人も気を使っていました。ただ、今回の映画はアタルの新しい面が出ればという想いもあったので、残しましたね。アタルにしてはしゃべりすぎだというご意見もありますが、僕はいい塩梅だったと思います。
――中居さんはストイックに準備をする一面もありますが、俳優としての魅力は何ですか?
木村とても気を配る方で、このシリーズに新しく入ったゲスト出演者の方々を気遣って、よく話しかけていました。後で本人に聞いたら、バラエティの現場ではまったく話さないそうで、それは本番でぶつけたほうがおもしろいからだとか。仕事によって、接し方を使い分けているわけですよね。新しく入ったゲストの方が疎外感を感じると、作品にも影響を及ぼしかねない。そこまで考えが及ぶ人で、僕などよりも全然考えているなあと思いました(笑)。
誰もいないのか…中居さんの姿がシュールでした(笑)
木村そうですね。サヴァンではないですが、自閉症の方とお会いして話をした時に、アタルの演技表現などについてご意見をうかがったことがありましたが、最終的には中居さんが編み出した演技をして、それを見ている栗山(千明)さん、北村(一輝)さんの演技まで撮ることが必要だなと気づきました。事前にも話し合いはありましたが、現場で作っていった感じですね。中居さんには、そこまで考えて撮ってないでしょ? って、言われたことがありますが(笑)。
――ラスベガスとロスの撮影が暑くて大変だったそうですが、何かエピソードありますか?
木村そうです。体感で言うと、50度くらい(笑)。誰がロケって言い出したか、ですよ(笑)。ラスベガスのほうが10度くらい熱かったかな? アタルがトボトボ歩いている場所に、マドカがトラックで走ってくるショットはラスベガスで撮って、熱かったけれど、半日しかいなかった。ロサンゼルスは気温が低いといっても丸1日中いたので、疲労感はハンパなかったですね(笑)。そのなかでも中居さんは、堀北さんに気を使っていて、エライなって。
――そのロサンゼルスのロケ中、中居さんにまつわる“事件”が起こったという話ですよね?
木村ええ。中居さんも映画のナビ番組でお話しされてましたが、中居さんのマネージャーが中居さんに日傘を差して、でも中居さんは「いいから堀北さんのほうへ」と言いました。マネージャーさんも中居さんが言うならと堀北さんのほうへ行って、やがて砂漠のシーンがカットになった時に、中居さんのマネージャーさんが堀北さんについて行ってしまい(笑)。結局、皆が皆、堀北さんのほうへ行って、中居さんだけがポツンと砂漠の真ん中に残っているという(笑)。僕はモニターで観ていましたが、誰もいないのかって、言っている中居さんの姿がシュールでした(笑)。
――改めて、これほどまでの大人気をシリーズで獲得した要因は、どこにあると思いますか?
木村ここまでの人気が出るとは、最初は思っていなかったです。僕自身が、一部のファンにしか評価されないような作品しか撮っていなかったもので(笑)。秘話じゃないですが、アタルは変わった人間でしょうけれど、僕たちの周囲にいる普通に暮らしている多くの人々にも変わった人が多いですよね? だから、アタルの周囲にいる普通の人間と思われているメンバーも、変わったキャラクターにしようという狙いがあって、であれば全員濃くしてしまおうと(笑)。ただ、これは『ATARU』という作品世界には必要なことで、北村さんや栗山さんは悩まれたかもしれないですが、『ATARU』には必要なことだと受け止めて、結果的には演技をしていただけたと思います。まあ、納得のいくように説明することは、大変でしたけれど(笑)。
――実はリアルで、日常に根差した世界観ということですね。子どもたちの支持も得ました。
木村テレビでは――サスペンス、新感覚ミステリーという文句だったと思いますが、ミステリーというとダークな方向に画作りをしがちですが、アタルでは暗い画作りをしないように心がけていました。明るめで画を作れば、絵の印象としては受け入れやすい。後は中居さんのキャラクターが子どもたちにマネされて、かわいいとか、そういうことがテレビで実現した。それがベースにあったので、劇場版は、その意味ではハードルは高くなかったように思います。ちなみに予告編の時点で、子どもたちにはマドカが怖かったみたいです(笑)。
――最後になりますが、今回豪華な映像特典も見逃せないです! オススメはありますか?
木村そうですね。映像作品は感情で観始めると思うので、映像特典で中居さんがこういうことを言っているとか何か情報を入れたほうが、違う楽しみ方も可能になるとは思いますね。僕の中では『中居正広のオールナイトニッポンGOLD…』が楽しみですが、DVDの映像特典でどうして音なの? って、言われそうですよね(笑)。でも番宣番組とか、ラジオを含めて、映画公開時の順番と同じ流れで観ていただくと楽しいと思います。舞台あいさつを観て、本編を観た後に、ラジオとサントラを聞くとか。それと、僕が舞台上でプロレスラーのかっこうをしている映像が入っていると思うので、それが個人的には気になっています(笑)。止められると思ったので、舞台に出る寸前まで紙袋に衣装を隠し持っていて、直前で着替えて中居さんたちに突っこまれましたが、あのときのドキドキ感はないですね(笑)。
(文、写真:鴇田崇)
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『劇場版 ATARU』 Blu-ray&DVDが登場!
アタルやラリーが所属するニューヨークのFBI組織で爆破事件が起きる。同時期、東京でも電車の送電線破裂事件が起こり、車椅子の女性管理官・星が捜査の指揮を執る。沢ら警視庁捜査一課の刑事たちが捜査に臨む中、アタルとラリーも帰国して捜査に加わる――。
監督:木村ひさし
出演者:中居正広 北村一輝 栗山千明 玉森裕太 嶋田久作 島崎遥香ほか
『劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐』2014年3月19日(水)発売
■プレミアム・エディション
Blu-ray:【作品詳細】 【amazonで購入】
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■スタンダード・エディション
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【プレミアム・エディション特典】
<特典映像>
●『劇場版ATARU』の謎を大捜査スペシャル再編集版
●舞台挨拶集
●テレビスポットコンプリート版
●『劇場版ATARUプレミアムイベント』 in UNIVERSAL STUDIOS JAPAN 計109分
●トリオ・ザ・アタル(中居正広×北村一輝×栗山千明)&木村ひさし監督 シーンセレクトコメンタリー 72分
<特典音声(内容)>
●ニッポン放送『中居正広のオールナイトニッポンGOLD〜劇場版ATARUスペシャル〜』
(2013年9月18日(水)午後10時〜11時50分放送) 48分
など、このほかにも特典あり!詳細は公式サイトをチェック☆
⇒ Blu-ray&DVD公式サイトはこちらへ
(C)2013劇場版「ATARU」製作委員会
関連リンク
・島崎遥香36歳美魔女を演じるために
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・『劇場版 ATARU』公式サイト