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15歳の私を美容整形に連れて行った母の言い分「こんな娘想いの親いないわ」
その整形は誰の希望か「自分の顔も、身体も、心も自分のもの」
10代で2度、母親からの提案で二重整形をしているグラハム子さんだが、整形そのものには反対ではない。
「整形は自分が希望して、自分で責任を取る覚悟があるなら良いと思います。実際私も30代になってからホクロ除去をしましたが、長年のコンプレックスが解消し前向きになれました。しかし“自分は希望していないのに他人にやらされる整形”には賛成できません。自分の人生は自分のもの。自分の顔も、身体も、心も自分のものです」
“低年齢美容整形”の当事者として、あくまでも自我のあいまいな年齢での整形には賛成できないという。また、本作では整形の是非よりも「大人になっても生きづらさは改善できるということ、過去の親子関係が原因で苦しんでいる人がいたら、今からでも乗り越えられるよ、大丈夫だよ、と伝えたい」と話す。
ネグレクトでも暴力でもない“一方的な愛情”という名の虐待
「反発できなかった理由は1つではなく複合的だと思います。私は母と二人暮らしだったので、小さい頃から“母の言うことを聞く良い子でいなければいけない”という考え方が染み付いていました」
ネグレクトや暴力といったいわゆる“虐待”ではなかったことも、ゆがんだ親子関係が続いた原因だ。母親の呪縛に気が付いたのは、摂食障害を抱えながら社会人への一歩を踏み出そうとした時だった。容姿も進路も言う通りにしてきたのに「全然幸せじゃない」と気が付いた。
「自分の進路や生き方は自分で考えたかった」
「太っていてもいいよって言ってほしかった」
「勉強や運動ができなくても好きだよって言われたかった」
今まで必死に押し殺そうとしていた感情が一気にあふれだした。就職する前に母親が3度目の二重術を勧めてきたが、行かなかった。その後、グラハム子さんは物理的にも関係性も少しずつ母親と距離を置き、本来の自分を取り戻していく。
「あ!もう大丈夫だ!と感覚的にわかりました。この人は他人だ。私にとってもう重要人物ではないし、影響を与える人ではない。と、わかったんです。この人とは分かりあうことはできないし、信頼関係は結べない。そんな良い意味で諦めがついたというか。諦めがついてはじめて、“じゃあどうしよう?”って考えられるんですよね。その結果、“信頼関係が無いなりに上手くやっていこう”と思えました」
自身が母となった現在も、母親とは絶縁していない。その関係に意味があったのではないか、と思えるまでに自身の中で消化できていると最後に明かした。
「母とこの関係性じゃなかったら、今の私にはならなかったわけです。今の私が大好き!とまでは言えないものの、まぁ納得できています。今の私、まぁまぁ良いじゃん、って。このように自分で自分の心身を整えられるようになれたことは本当に良かったし、意味があったとことだと思っています」
私のお母さんって、なんかおかしい……?
中学卒業した春、エリカは母に整形をすすめられた。娘の意思よりも外面ばかり気にして、理想の娘像を押しつけていく母は、気に入らない服をエリカが着ようとするとハサミで切り割いたり、ショートヘアの方が感じがいいからと髪も短く切ってしまう。友達も上位グループの可愛い子たちと付き合うようにと、部活や人付き合いにまで干渉するようになった。容姿も友達も進路も性格も母の理想に押し込められて、息苦しさを感じながら生きてきたエリカはついに心が擦り切れて、摂食障害になってしまう。母の呪縛から逃れて、幸せを手に入れるまでのサバイバルの記録。
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