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「合成じゃないの!?」ミニチュア信号機に驚きの声、実在の都市風景を再現する制作者「失われていく“平成の街並み”残したい」

 SNSに投稿された「信号機」のミニチュアに、「本物にしか見えない」「合成?」「理解するまで時間かかった」と驚きの声が寄せられた。制作者のMAJIRIさんは、これまでも「渋谷スクランブル交差点」や「箱崎ジャンクション」など実在する都市風景を再現したジオラマを投稿し、その再現度の高さで度々注目を集める“都市モデラ―”。MAJIRIさんに今回制作した「信号機」へのこだわりや、なぜ都市風景を制作し続けるのか、その魅力について話を聞いた。

ケーブル、配管、金具まで…再現度高すぎてメーカー特定まで、制作背景には幼少期からの興味「地域の特徴反映している」

――信号機があまりにもリアルで、「合成写真」と勘違いする人もいました。特にこだわって制作した点を教えてください。

MAJIRIさん都会の“ごちゃごちゃ感”を再現するため、ケーブルや配管、それらを留める金具などまで再現しました。特に柱に巻き付く金具については、アルミホイルや紙などを細く切り出して実際に柱と配管に巻き付けたりしました。汚し塗装も行い、よりリアルに見えるよう工夫しています。

――なぜ、今回「信号機」を制作されようと思いついたのでしょうか?

MAJIRIさんもともと都会の風景、特に道路が好きでした。なかでも、その地域の特徴などを反映する信号機にはさまざまな形状があります。小学生の頃には自由研究の題材にあげたくらい、幼少期から信号機には魅力を感じていました。それを今回、制作しようと思ったきっかけは、ほかのモデラ―さんたちがSNSに投稿されていた電柱に感化されたからです。

――今回の「信号機」にも、具体的な特徴が盛り込まれているのでしょうか?

MAJIRIさん今回の信号機は、東京都の沿岸部、オリンピックへ向けて開発が進んだエリアの信号機がモデルです。新しいタイプの信号機であるため、薄型のLEDタイプとなっています。また、この場所は夜間の人通りが少なく、夜間押ボタン式の信号機を多く見かけます。それを再現すべく歩行者用ボタンや、それを制御するボックス等も制作しました。配線や配管が非常に複雑に入り組み、作りがいがあります。

――信号機1基から、ここまで街の様子がわかることに驚きました。

MAJIRIさん信号機マニアの方がみると、東京都のものであることは一瞬でわかるようで、メーカーまで特定される方もいらっしゃいました(笑)。信号機の固定方法などに東京の特徴を反映して制作したため、こだわった甲斐があったと感じています。

スクランブル交差点、ジャンクション…日本独自の都市風景を再現「無理な計画によるカオスさが魅力」

――MAJIRIさんの作品には、「渋谷のスクランブル交差点」「箱崎ジャンクション」など、実在する日本の都市風景の作品が多いですね。

MAJIRIさん日本の都市風景は、高度経済成長期に一気に開発され、欧米諸国と比較して新しい時代に開発されているため、魅力的な特徴がたくさんあります。

――日本独自の都市風景があるということでしょうか。

MAJIRIさん大都市のビル群の中を縫うように走る首都高速はその代表例です。突貫で建設されたため渋滞が多く発生し、さらに景観を邪魔しているなどの理由で「嫌いだ」と思う人は多いと思います。その意見ももっともですが、少し見方を変えて首都高の高架橋を下から見上げてみると、人によっては複雑に絡み合う道路に魅力感じることがあると思っています。

――MAJIRIさんも、そうした風景に魅力を感じてきたんですね。

MAJIRIさん私の場合、首都高を見上げると高度経済成長期の少し無理をした計画と、なんとか改善を試みた、その後の時代の修正によって生み出された、幾層にも重なるカオスな道路に魅力を感じずにはいられません。

――なるほど。目の前の景色がどうやって作り上げられたのか…という視点で見ると、また違った印象になりそうです。

MAJIRIさんしかし、日本の街並みは新しいがために国内の人からまだ歴史的価値を十分に見出されていないと個人的には感じています。そういった街並みを机の上に作り上げ、さらに多くの方にリアルな街を俯瞰して見ていただくことで魅力を感じてもらえたら嬉しいと思います。そういった思いで作ったのが「箱崎ジャンクション」や「スクランブル交差点」などの作品です。

大学在学中、コロナ禍で始めた趣味が本業に「失われていく“平成の街並み”をジオラマで残していきたい」

――そもそも、ジオラマ制作を始めたきっかけは?

MAJIRIさん実際に本気でジオラマ制作を始めたのが約2年前、大学生でコロナウイルスの流行が始まったころでした。これまで大学で打ち込んでいた部活もできず、自宅での生活を余儀なくされたため、その時間を自分にとって有意義な活動に充てたいと思い、制作活動を始めました。

――コロナ禍で始めた趣味だったんですね! 現在ではジオラマのパーツを制作・販売もされるなどご活動の幅を広げています。

MAJIRIさん昨年まではジオラマ制作は趣味として、出社までの早朝や仕事後深夜までの時間を使って制作を行ってきました。しかし、おかげさまで多くの方にYouTubeを再生いただいていることもあり、実は昨年12月にこれまで勤めていた会社を退職し、今年1月からフリーランスとしてジオラマ制作や動画投稿を本業としたところでした。

――ジオラマ制作の時間は、MAJIRIさんにとって現在どのような存在になっているのでしょうか?

MAJIRIさんジオラマ制作は、何時間やっていても楽しみの尽きない、最高の時間です。そういったことで生きていけるかもしれない、そんな環境を自宅で作品を作るだけで実現できつつあるこの時代は、本当に良い時代だと感じます。
そしてなにより、いつも動画などをご覧いただいている、僕と同じようなものを魅力的だと感じてくれる人が世界中にいるということがとても嬉しいですし、見ていただけることに感謝しかありません。今後はフリーのジオラマ作家として活動しますので、制作のご依頼などもお待ちしております。

――本業として始動されたタイミングですが、今後どのような活動に挑戦していきたいですか?

MAJIRIさん今後もショップ名「Cityscape Studio」という名前の通り、都市景観を題材とした作品を作り続けていきます。そして、今後失われていくであろう“平成の街並み”をジオラマとして残していくことができればと考えています。

――次回作はもう、決められていますか?

MAJIRIさん次回は地下鉄の駅を作る予定です。横から覗き込むと、そこには東京の地下鉄ホームが広がっている、そんな情景をイメージして現在設計を進めています。さらに、今後の挑戦としては現実世界だけでなく、アニメや映画の舞台であったり、現実ではありえないような街の光景などを作ってみたいです。ぜひ今後の作品も楽しみにしていただけると嬉しいです。
MAJIRIさんアカウント
YouTube「Cityscape Studio シティスケープスタジオ」(外部サイト)
■[[URL>https://twitter.com/Cityscape_StdTwitter: https://twitter.com/Cityscape_Std">Twitter(@Cityscape_Std)(外部サイト) 

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