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韓国映画特集『話題作が続々!なぜ今!?ファン層に変化のきざし!?韓国映画に見える5つの軸』

2013年5〜7月、韓国に関係する映画の公開が相次いでいる。これは日本の市場のニーズなのか、韓国映画が盛り上がっているのか、はたまた社会情勢との兼ね合いなのか。そして、現在の韓国映画はどういう状況なのか、韓流ブーム、K-POPブームが落ち着いた今こそ、韓国映画を通じて見えてくるものとは何かを探ってみたい。関係者へのインタビューから浮かび上がる韓国映画界の今と日本映画界の突破口とは!?

今きてる韓国映画☆話題作レビュー

◆建築学概論 [映画予告編] [公式サイト]
『建築学概論』 『建築学概論』
 韓国の映画人や演劇を学んでいる俳優からよく聞くのは、「日本の映画やドラマは淡々とした日常を描くのがうまい」という話だ。韓国では起承転結がはっきりしていて、ドラマティックなものを作ることには長けているが、日本の村上春樹などを象徴とするような、無臭化された世界への憧れがあるように思うし、それを映像化したがっている動きも感じる。『建築学概論』は、一組の男女の初恋と現在を描いた作品であるが、淡々とした日常的な世界と、韓国的なドラマティックなストーリー展開や濃い情熱をバランスよくミックスできている好例で、このバランスがうまくいったおかげで、韓流ドラマファンでも、普段こうした作品を観ないような観客にも違和感なく感情移入できる作品になっている。【ライター・西森路代】

 男性にとって初恋がいかに特別なものかを切なさたっぷりに描いていて、イ・ジェフン演じる学生時代のスンミンにだれもが共感できるポイントがきっとあるはず。観る人それぞれの淡い思い出をよみがえらせてくれる。世の中の男だれしも初恋とはうまくいかないものだから(?)、心のもろい部分に触れられて揺さぶられる。そんなときに、スジのかわいらしさにぐっと心をつかまれます。20年ぶりに再会した初恋の人が変わり果てていてショックを受けた人にもこの映画は夢を見させてくれる。【編集部・武井保之】

 キュンとせつない初恋……スジちゃんとジェフンくんの透明感のある演技がなんとも心地よくて、その場の空気感が伝わってくる。15年経った大人の2人の演技も、長い時間が経っていながらも、現在の大人の事情を伝えつつ、昔のせつない甘い想い出を浮かび上がらせてくれる。【編集部・yama】
◆嘆きのピエタ [映画予告編] [公式サイト]
『嘆きのピエタ』 『嘆きのピエタ』
 映画ファンにとって、キム・ギドクは特別な存在であるが、それだけにギドクらしい映画を期待しすぎているところが大きい。しかし、『嘆きのピエタ』は、個人的にはその期待に応えてくれた作品だと思える。最初から人の感情のなかに土足で入り込んでくるような居心地の悪さを感じさせ、見終わるころには痛々しいけれど、人間のむき出しの感情に触れたような気持ちにさせられる。ある人にとっては、その作用が強すぎて目をそむけたくなるかもしれないけれど、個人的にはこういう感情に触れたかった。映画に登場する人物に、それぞれの背景が描かれているから誰が悪いということでもない。だからこそ、社会の不条理を際立たせている。
【ライター・西森路代】

 衝撃的であり、芸術的でもあるラストにこの映画のすべてが集約されている。空から見下ろされる3人の画、大地に刻み付けられるどこまでも続くひと筋の痕跡――驚きと恐怖と感動と喜びが混在した感情に押しつぶされそうになる。心ふるわされる怪作。韓国映画ファンではない人たちにこそ触れてもらいたい、筆舌に尽くし難い感情が呼び起こされる作品。
【編集部・武井保之】

 最初から緊迫感がただよい、そして残酷なシーンがやってくる。目を背けながらも、ゆっくりした流れの中にいる俳優陣の存在感にのめりこんでしまう。チョ・ミンスさんとイ・ジョンジンさんの演技に打ちのめされた。会話のないところまでも、お互いの抱えている感情がただよってくる。他人に家族の人生を踏み潰される気持ち、復讐、母と子の愛情、人間の痛みがつらくせつなく伝わってきた。【編集部・yama】
◆10人の泥棒たち [映画予告編] [公式サイト]
『10人の泥棒たち』 『10人の泥棒たち』
 香港やマカオを舞台に描いたエンターテインメントアクション。泥棒たちがチームで活躍する姿を中心に据えながらも、キム・ヘス、キム・ユンシク、イ・ジョンジェという三人の恋愛と因縁の関係や、チョン・ジヒョンとキム・スヒョンの不器用な初恋のエピソードが描かれているのも良い。アクション映画のなかの限られた時間内の、少ないシーンでも、こんなにもちゃんと恋愛の感情を観客に伝えられる手法があるのか! と膝を打った。とくにキム・スヒョンファンには、たまらない映画ではないだろうか。もちろんワイヤーアクションもあるし、ハラハラドキドキの物語なのだが、それだけではない魅力のある作品である。【ライター・西森路代】

 ラブ、シリアスサスペンス、バイオレンス、アクション――韓国映画のいいところがぎゅっとつめこまれた韓国エンターテインメント大作の傑作!物語の展開が先の先まであって脚本が秀逸。それぞれの要素のバランスもよくて、ラブの部分はシーンとしては少なくて、そんななかでしっかりと情感を伝える演出がいいです。じわじわと沁み入る淡い恋心にくすぐられて、ポイントでぐさっと観客の心をつらぬく。キム・スヒョンにみんなやられてしまうのでは……。男性でもスヒョンに感じ入るひとはいるはず(笑)。若々しくセクシーな姿を披露するこの映画のチョン・ジヒョンも素敵です。【編集部・武井保之】

 ベテランから、話題の俳優陣がズラリ!テンポがよく、とにかくスピーディーな展開をみせてくれた。最後にダイヤを手にするのは誰なのか、仕掛け仕掛けられの連続でドキドキしつつ、チェン(サイモン・ヤム)とガム(キム・ヘスク)の日本人役になる?!危険な恋?!(笑)や、キム・スヒョンくんとチョン・ジヒョンさんの恋の駆け引きもおもしろかったな。
【編集部・yama】
◆ベルリンファイル [映画予告編] [公式サイト]
『ベルリンファイル』 『ベルリンファイル』
 まず、この設定は分断された国家である韓国の人が演じていないと説得力がないと思うと悔しさを感じる。また、アクションの組み立ては鳥肌ものだ。韓国は、ひとつの小さなエピソードから想像することが得意だと思うが、アクションに関しても、ベースになるアクションからイメージを膨らませるのがうまい。とくに、高いビルの上での銃撃戦の末に、ガラスの上に落ちていくシーンは、ジャッキー・チェンの『ポリスストーリー/香港国際警察』を思わせる。しかし、単に落ちるだけに終わらず、何工程にもわたって複雑にこれでもかと見せる「しつこい」くらいのアクションには、初めての感覚を味わった。リュ・スンワンと『G.I.ジョー バック2リベンジ』でハリウッドにも進出したチョン・ドゥホンのふたりによるアクションの演出をじっくり何度も味わいたい。【ライター・西森路代】

 重厚な空気に覆われる、見応えのある人間ドラマと激しいアクションもあるシリアスサスペンス。対立する北と南の諜報員のスリリングな駆け引き、幾重にも覆されるストーリー展開にぞくぞくさせられっぱなし。現代のわれわれ日本人の生活からは容易に想像することすらできない、特殊な国家の体制のなかで生きる者たちの“人の物語”のリアルさが、痛さをともなって胸を打ちつつも奇妙な引力で観る者を惹きつける。ハ・ジョンウは今最注目の実力派俳優では。【編集部・武井保之】

 俳優陣の名前をみただけでワクワク。舞台はベルリン、韓国と北朝鮮のスパイアクションと、息つく暇もないほどのスピード感であっという間の2時間。ハ・ジョンウのアクションに圧巻。ハン・ソッキュの貫録に、可愛いイメージがあったチョン・ジヒョンの今までとは違った演技、そして独特なキャラクターを見事にこなすリュ・スンボム。内容的に難しいかなと思っていたが、そんなことはなくすんなり物語が入ってきて、ハラハラドキドキが最後まで止まらなかった。【編集部・yama】
◆三人のアンヌ [公式サイト]
『三人のアンヌ』 『三人のアンヌ』
 韓国の海辺の街モハンを訪れたフランス人のアンヌとライフガードの恋の物語。3人3様のアンヌをイザベル・ユペールが演じ、しかも監督はヨーロッパで評価の高いホン・サンスと聞くと、どんなオシャレ映画かと思うだろう。しかし、モハンの街は、日本の田舎町のように素朴で、そこに住む人たちはどこか垢抜けず、なんだか可笑しい。あきらかにフランス人が歩いてそうにないモハンで、彼女に会って戸惑ったり、照れたり、喜んだり、怒ったり……一喜一憂する人々のなかに生まれる感情は、滑稽だけど優しくて、まるでコントのようでもあり、途中で笑いをこらえることができなかった。でも、観たあとには、身体の中から毒っけが抜けたような気持ちになる映画である。【ライター・西森路代】
◆私のオオカミ少年 [映画予告編] [公式サイト]
『私のオオカミ少年』 『私のオオカミ少年』
 韓国ラブストーリーの王道をいく、男性にとってはこっぱずかしい系のラブもの。パク・ボヨン演じるスニに自分を投影して幸せな気分になれる、女性の妄想がこれでもかとつめこまれた映画なのかなと。ハンカチを用意せずには観られないという触れ込みのラストは……スクリーンにひとりツッコミして笑ってしまうツボあり(男性には?)。でも、ラストの部分を含めて、普段ラブものを観ない人でも楽しめます。【編集部・武井保之】

 ソン・ジュンギくんの新たな一面を見た。言葉を出さない、表情や行動だけで表現するって大変なこと、オオカミ少年という役を演じきっていた。いつもジュンギくんの可愛いキレイなお顔ばかりみてたから新鮮だった!相手役のパク・ボヨンちゃんも自然体で、2人の初々しい姿……初恋を感じさせてくれたな〜。そして泣きました。
【編集部・yama】
◆殺人の告白 [映画予告編] [公式サイト]
『殺人の告白』 『殺人の告白』
 『殺人の追憶』のテイストをイメージして観ましたが、エンターテインメント作品に仕上がっていました。アクションの映像はスタイリッシュでカッコよくできていて。ストーリーに仕込まれる伏線とラストのどんでん返しへの流れはしっかりと作り込まれています。が、途中で気づいてしまうひとも少なくないかも。それでも、ラストですべてを明らかにしてすっきりさせてくれるハリウッド的な感じは、好きな人も多いのでは。【編集部・武井保之】

 まさかのパク・シフさんが殺人犯?!観る前からびっくり。チョン・ジェヨンさんがですよねと(ジェヨンさんすみません)確認してみたが、シフさんだったー!始まりからスピード感溢れていて息つく暇がなかった。シフさんのまさかのバスローブだけでのカーシーン?!も見応えありますから……いろんな意味で!愛する人を殺された家族たちの復讐、マスコミの伝え方、市民のとらえ方が残ったな。【編集部・yama】
◆ある会社員 [公式サイト]
『ある会社員』 『ある会社員』
 会社の中でドンパチ!見終わった後、なぜか外に出て『会社戻って撃たれないよな』と思っちゃうほど、リアルに残りました。本当に銃撃戦がすごかった。殺し屋ソ・ジソプさんでしたが、イ・ミヨンさんを見る姿がなんとも可愛らしくて。ZE:Aのキム・ドンジュンくんもすごく良かったな。俳優としてもこれからどんどん出てほしい。こわおもしろかった。【編集部・yama】
◆フェニックス〜約束の歌〜 [映画予告編] [公式サイト]
『フェニックス〜約束の歌〜』 『フェニックス〜約束の歌〜』
 とにかくボロ泣きです。命の時間を宣告された時、人はやりたいこと事をやる気力はでるのだろうか。出演者の誰の人生も悲しいのだが、お母さん演じるシム・イヨンさんと息子役のノ・ガンミンくんの最後のシーンはつらかった。愛する人がいなくなるのは、悲しいとかつらいとかを超えてる気がする。イ・ホンギくんの心が変化していくように、自分も有意義のある毎日を送らないとな、健康なんだから。【編集部・yama】

話題作が続々☆要チェック韓国映画 インタビュー&予告編 一覧

【インタビュー】
 
 

【予告編&作品詳細】
 
10人の泥棒たち  ベルリンファイル

 
悪いやつら  嘆きのピエタ

 
建築学概論   私のオオカミ少年

 
フェニックス〜約束の歌〜   コードネーム:ジャッカル

 
殺人の告白    共謀者

 
私は王である!  王になった男

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