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スキャンダルではなく世界を見据えての独立 ビックスモールンが語る日本の芸能事務所の役割

スマホ1台で国境を超えられる…こんな時代にならなければ独立しなかった

──いよいよ核心の独立のお話です。元事務所の先輩であるオードリーの若林さんが、ラジオで「海外からのオファーを事務所がさばききれないらしい。しかもサウジアラビアとかからものすごい高額オファーが来てる」と言っていましたが、本当ですか?
ゴン実は、当時僕が若林さんに話したのは、「ビックスモールンがスペインのイベントに呼ばれた」という事実と、「知り合いの日本人パフォーマー集団がサウジアラビアに高額オファーで呼ばれた」ということなんです。なので「ビックスモールンも今そこを狙う為にサウジアラビア用のネタ(サウジアラビアの有名なビル)などのボディーアートを作り撮影して、動画を送ったばかり」というような話をしていました。興奮していっぺんに話したせいで、僕の伝え方があまりにも悪過ぎて間違って伝わってしまいました。なので、正式にはビックスモールンはスペインから普通ギャラのオファー来た。ってのが正解です(笑)。そして大前提として言っておきたいのは、事務所に不満があって辞めたわけじゃないんです。
チロむしろ事務所には良くしてもらってたほうです。居心地もすごく良かったですしね。
ゴンただ海外からのオファーが増えてたのは事実で、事務所としてはイレギュラーなことも多くて判断がしかねることもあったと思います。また海外からだと基本的に僕のDMに直でオファーが来るので、そこから僕が事務所を通して…とやってるとレスポンスが遅くなることもあって。
──日本の芸能界のビジネス慣習を知らない海外の企業もあるでしょうが、事務所が間に入ることで機会損失したことも?
チロまあ、1個や2個はあったかもしれないですけど…。
ゴンでも、それが事務所を辞めた直接的な理由ではないんですよ。僕らはよく「スマホ前/スマホ後」って言ってるんですけど、スマートフォンが普及し始めた2008年ごろを境に時代が変化したというか。今は、スマホを活用することでネタを作るところから売るところまで自分たちでプロデュースできるって、すごく面白い時代だなと。だから、辞めた理由を聞かれたら、"時代の必然"ということになるのかな。
──皆さんの場合はTikTokでバズる前にも海外でボディーアートの修行をしたり、米・アポロシアターのコメディショーに挑戦したりと、海外志向が強かった印象です。
ゴンもともと僕は芸人になる前にバックパッカーをしていて。言葉はぜんぜん通じないんだけど、馬のモノマネとかでいろんな国の人と仲良くなるという経験をしてたんです。

──ビックスモールンのネタもまさに非言語のコミュニケーションですよね。
ゴン芸人を始めたときも世界に通用するネタをやりたいと思って、試行錯誤する中でボディーアートに行き着きました。ただ結成した2001年ごろは海外にアプローチする方法もなかった。
チロそれがスマホ1台で簡単に国境を越えられるなんてね。こんな時代にならなかったら、事務所を辞めようなんて発想はまったくなかったと思います。

──近年、芸能人の事務所独立が相次いでいますが、逆に事務所に所属するメリットは?
ゴン独立してから気付いたのは「マネージャーさんって超有能だったんだ!」ということ。今はスケジュール管理や請求書発行といった事務作業的なこともすべて自分たちでやってるんですが、同時に僕らはプレイヤーでもあるのでいっぱいいっぱいです(汗)。
チロあと、これから芸人を始める人でテレビに出たいと思ったら、事務所という窓口は必須ですね。ネタ見せやオーディションを振ってくれるのも事務所ですから。
──逆を言えば、テレビを活動の場にしないと割り切れば所属する必要はない?
ゴンそうとも言えるかなあ…。僕らは少なからずテレビ関係の方とも面識があるし、テレビに育てていただいたと思ってるし、これからもテレビに出たいです。ただ今は、ほかにもいろんな活躍の方法があるっていうことですよね。

──芸人仲間から「独立したいんだけど」という相談を受けることもありますか?
チロありますね。実際に事務所を辞めた人もいます。
ゴンただ僕が言ってるのは、事務所がイヤだとかマイナスな理由で辞めてもあんまり意味がなくて。「こんな未来が待ってる」とか「こんなことをしたい」といった前向きな辞め方であれば、独立したあとの大変なことも受け入れることができると思うんですよね。

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