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ORICON NEWS
第21回釜山国際映画祭『ボイコット騒動の余波は?真価が問われるアジア最大の映画祭』
イベント数減少、スター不在が際立った映画祭
ところが今年は、韓国メジャー映画会社の新作出品がほとんどなく、あっても昨年から今年の劇場公開済みの作品ばかり。それらの上映ではキャストの来場や、トークイベントは行われないことがほとんど(今年のイ・ビョンホンは例外だったが)。その結果、プレミア上映やトークイベントはインディペンデント作品ばかりとなり、ゲストとして来場するのは、ほとんどが監督や若手俳優というスター不在の状況。春先までのボイコット騒動の影響が色濃くにじみ出ていた。
イベントなど随所で感じられた観客の変わらない熱量
昨年から今年の変化、“アジア最大”復活へ来年への期待
しかし、個々の熱量の大きさは変わらなくても、映画祭全体として見たときは同じではなかった。多くの観客が、昨年までと今年の違いを肌で感じたことだろう。今年来場した観客は来年も来るに違いない。今年ではなく、昨年までのあの映画祭の空気が戻ってくることを期待して。もし、来年が今年と変わらなければ、その次の年に釜山国際映画祭が迎えるのは厳しい現実になるかもしれない。ボイコット騒動の余波を残した今年の釜山国際映画祭。アジアを代表する映画祭としてこの作も君臨できるのか、いままさに正念場を迎えているといえるだろう。
(文:編集部・武井保之)