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(更新: ORICON NEWS

いかに“女子アナ”を捨てられるか? 飽和状態のフリー転身女子アナの「立ち位置」

  • フリー転身後、バラエティで活躍する田中みな実 (C)ORICON NewS inc.

    フリー転身後、バラエティで活躍する田中みな実 (C)ORICON NewS inc.

 有働由美子、加藤綾子、田中みな実……etc。近年、キー局からフリーへ転身する人気女性アナウンサーが多いが、独立後も報道番組で活躍できるのはほんのひと握り。バラエティ番組で真価を発揮するアナもいれば、女優デビュー、グラビアデビューする人も。局アナ時代の知名度や実績から大活躍が期待されたものの、意外なほど苦戦する場合もある。「好きな女子アナ」ランキング5連覇で殿堂入りを果たした、日本テレビの水卜麻美アナにも度々フリー転身報道が出るように、人気局アナの“その後”には注目が集まる。では、彼女たちの“生き残り術”とは?

清楚で高嶺の花は封印、バラエティに寄せた“キャラの確立”がカギ

  • 高橋真麻 (C)ORICON NewS inc.

    高橋真麻 (C)ORICON NewS inc.

 完全にバラエティに振り切って成功を収めた2人が、高橋真麻と田中みな実だ。高橋は局アナ時代からそのアナウンス能力が非常に高く評価されていたものの、“親の七光”のイメージが先行して不遇をかこっていた。しかし、フリー転身後は“負け犬キャラ”でブレイク。

 田中は田中で“ぶりっ子”が同性からの不評を買い、「嫌いな女子アナランキング」の上位常連であったが、今ではそれを逆手に取り、“自虐キャラ”で女性からの支持を取りつけ、「好きな女子アナランキング」にランクインするまでに至っている。

 そもそも2人とも局アナ時代は“ヒール”だったわけだが、フリー転身をきっかけに、ある意味開き直ったキャラ立ちで一気に好感度を上げ、成功を勝ち得たと言えよう。
  • 川田裕美(C)ORICON NewS inc.

    川田裕美(C)ORICON NewS inc.

 最近バラエティ色の強いフリーアナで目立っているのが、川田裕美だろう。「芸能界屈指のあんこ好き」がきっかけで、バラエティ番組に進出。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「運動神経悪い芸人」で見せたスキップも視聴者に衝撃を与えた。ただの天然ボケキャラで終わらないのは、『ミヤネ屋』(日本テレビ系)などの局アナ時代に培った“MC力”の高さがあるからこそ。

 また、2017年にフリーになった大橋未歩は、局アナ時代から芸人との絡みも多く、セクシーグラビアやコスプレなど大人の色香を駆使した“バラエティ映え”する活動が印象深い。フリー後初のレギュラー番組『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)の収録の際、「芸能界で生きていくのってすごく大変だなと、今さら気づかされました」と語っていたが、今後の各局バラエティ番組での活躍が期待できるポテンシャリティーを持っていることは間違いないだろう。

 そして、フリー後の“第3の道”に挑戦しているのが加藤綾子。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などのバラエティでのMCが目立つが、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』や『ブラックペアン』(TBS系)で女優としての本格活動をスタート。Instagramのアカウントも開設し、多角的な活動を目指しているようだ。
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 女性アナがフリーとなり、単発的に女優活動をすることはよくあるが、女優をメインに成功するのは至難の技。唯一の成功者と言えば、故・野際陽子さんぐらいのものだ。

バラエティ、ママタレ…“兼業”が で成功するフリー女子アナ

 また、女性アナゆえに、結婚・出産→フリーというコースも。中でも高島彩は「好きな女子アナランキング」で2005年以降5年連続1位を獲得し、“アヤパン”の相性で一世を風靡した超人気女子アナ。今ではアナウンサー業をこなしながら、エッセイ本の執筆や絵本の読み聞かせイベントの出演など、“ママ”としての一面も仕事につなげている。さらに、CM出演等で、“花形女子アナ”の立ち位置とママのイメージの両方をバランスよくキープし続けている。
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 ほかにも、結婚・出産を経て活動しているアナウンサーとしては、中村仁美や丸岡いずみなどがおり、つい最近でも徳永有美が、長いブランクを経て今年10月から『報道ステーション』のキャスターを担当することが発表されている。

フリーアナの注目株は有働由美子 バラエティより報道を選んだ“女子アナの矜持”

 現在、フリーアナの“本命”、最大の注目株と言えば、元NHKの有働由美子だろう。今年3月の退社後、単発のナレーションや司会などをこなす中、10月から『NEWS ZERO』(日本テレビ系)のメインキャスターに就任することが発表された。事務所もくりぃむしちゅーやマツコ・デラックスらのナチュラルエイトに所属、『スタジオパークからこんにちは』『あさイチ』などNHK時代に培った対応力がバラエティ番組でも期待されるところだが、『NEWS ZERO』のキャスターを務めることで、現状では報道(アナウンサー)の道を選択したとも言える。有働が報道、バラエティの「どちらへも行ける」逸材であることは間違いないが、ひとまずは報道への道を進んだということだろうか。

 報道と言えば、長野智子も『オレたちひょうきん族』の3代目ひょうきんアナを務めるなど、フジテレビ局アナ時代はバラエティ色が強かった。しかし実際、本人は報道への思いが強く、結婚後に退社すると夫のニューヨーク赴任に伴いニューヨーク大学大学院メディアエコロジー専攻で修士課程を取得。帰国後は、各報道番組で進行から取材までをこなし、現在『サンデーステーション』(以上、テレビ朝日系。2004年からはテレビ朝日専属キャスター扱い)のメインキャスターを務めている。いわば、自分の希望を叶えたフリーの成功例とも言えるのではないか。

 また、夏目三久もドラマ・映画・バラエティ・CMなどに出演しつつも、レギュラー番組ではしっかりと報道(日本テレビ『バンキシャ』)と情報番組(TBS『あさチャン』)を抑えている。夏目も局を退社した後に大きく花開いた一人と言えるだろう。

 こうしてみると、局アナからフリーの女子アナへの転身劇は、まさに本人の人生が映し出されるようだ。そもそもは、「自分のペースで自由に仕事がしたい」として退社に至るのだろうが、いざ独立して局の冠がなくなると、ゆったりと自分のペースで仕事ができるどころか、肝心の仕事すらなかなかないということすらあるだろう。女優もタレントも芸人も大勢いる中で、果たしてどうやって自分の立ち位置を確保するのかが問われてくるのだ。

 そのためには、“元局アナ”時代のプライドや感覚を一度手放す必要があるのかもしれない。そしてフラットな目線で、どこまで自分のやりたいことにこだわれるかが、生き残りのポイントとなるのではないか。ひょっとしたら、“元局アナのフリー女子アナ”といった肩書きがなくなったときに、初めて自分の立ち位置が確立されるのかもしれない。

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