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“ゲテモノ”から”スーパーフード”へ昆虫食専門サイトの運営語る”虫需要”の変化

 調理した“昆虫を食べる”ということは、かねてよりイナゴの佃煮に代表されるなど、古くから日本でも愛されてきた。近年はテレビの企画などで“罰ゲーム”として用いられることも多かったが、ここ数年で、昆虫食大好きタレント、自然食アイドル、野食ブロガーなどが登場するなど、どんどん“自然食需要”が高まっている。そこで、昆虫食を専門としている通販ショップ・バグズファームの辻さんにインタビュー。変化する昆虫食需要について語ってもらった。

実は高い栄養価を誇る昆虫食…一番の魅力は「皆様の好奇心をくすぐるなにか」

サナギ、幼虫ミックス

サナギ、幼虫ミックス

――“バグズファーム”とは、どんなお店ですか?

【辻さん】2018年11月に立ち上げた、世界の昆虫食を取り扱う昆虫食専門の通販サイトです。

――昆虫食専門の通販サイトというのはとてもマニアックに思えますが、どうしてこのようなコンセプトのお店を立ち上げたのでしょうか?

【辻さん】国際連合食料農業機関(FAO)が2013年に発表した昆虫食に関するレポートを受けて、世界規模で昆虫食に注目が集まりました。アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国で昆虫の養殖事業が立ち上がり、現在では世界中でさまざまな昆虫食商品が発売されています。

――世界中での動きなんですね。

【辻さん】そうなんです。日本では、イナゴの佃煮などは馴染みがあるかと思いますが、ヨーロッパでは“昆虫を食べる”という習慣はまったくありません。しかし2018年に“欧州においてあきらかに食経験のない食品あるいは食品原料”であるノベルフードに認定されてから認知が広がり、現在では大手スーパーなどでも好評を得ています。
――日本ではイナゴはなんとなく認知がありますが、それ以外だと奇を衒った食材というイメージがありますが……。

【辻さん】そうですね。日本では未だゲテモノ扱い、罰ゲームで食べるものというイメージが強く、取り扱い店舗も少ない。ゲテモノ扱いでも構いませんが、本来昆虫は豊富な栄養成分を持つスーパーフードであり、調理すれば美味しい食材でもあります。そういった本来の昆虫食の在り方を紹介すると共に、多くの方に虫を食べる事に親しんでもらえればと思い立ち上げました。でも罰ゲームとしての活躍もアリだと思っていますよ(笑)。

――豊富な栄養成分を持つスーパーフードとのことですが、具体的に“昆虫食の魅力”とは?

【辻さん】人類が誕生してからなのか火を使い始めてからなのかは定かではありませんがとにかく大昔、昆虫は確実に人類の必要な栄養源でした。現在は昆虫なんか食べなくても美味しく栄養満点の食材が沢山あるのに何故昆虫を食べるのか……と言われますと、実際の所は私にもわかりませんが、食べた事の無いモノを食べてみたいという欲求はわかります。要するに“皆様の好奇心をくすぐるなにか”が昆虫食の魅力なのではないでしょうか。
――なるほど。では、初心者にお勧めするとしたら、どんな昆虫をお勧めしますか?

【辻さん】栄養面では昆虫食の代表格であるコオロギですね。体の約70%がタンパク質で、良質の脂質(オメガ3脂肪酸など)も含まれています。その他、鉄分、ミネラル、必須アミノ酸、キチンなど健康成分が豊富に含まれています。

――本当にスーパーフードですね?

【辻さん】はい。日々の健康維持だけでなく、アスリートの体作り、腸内環境を整えることによる美肌効果にも期待できる食材ではないかと思います。そして、地球環境にも優しく、牛豚鶏などの既存の畜産によるタンパク質生産にくらべ、コオロギは農地も餌も水も排出される二酸化炭素も極端に少なく圧倒的に生産効率の良い動物性たんぱく質です。地球環境を憂う皆様には昆虫食をオススメします。

購入者のほとんどがリピーター「“虫は食べ物”というカテゴリーを確立したい」

――ご購入されるお客様はどんな方が多いですか?

【辻さん】幅広い年代の方にご購入いただいておりますが、10〜30代の方が多いように感じます。男女比は半々くらいだと思うのですが、女性の方が若干増えてきた気がします。

――リピート率はどのくらいでしょうか?

【辻さん】ありがたい事にほぼリピートしていただけております。一度興味を持ってくださった方は、「次はアレを食べてみよう、次はコレを食べてみたい」という感じなのではないでしょうか。
ーー初心者におすすめの虫は?

【辻さん】個人的に一番食べやすく、美味しいのはJRユニーク社の『バンブーワーム10g』でしょうか。そのままでも美味しいですが素揚げにするとすごく美味しいです。見た目も食感もソフトで抵抗感も少ないと思いますよ。

――YouTuberなどの登竜門として昆虫食が使われたことも、需要増の一環でしょうか?

【辻さん】若年層に興味を持っていただくには良いかと思いますが、ゲテモノ、不味いモノとして扱う動画がほとんどなので、美味しく調理して食べていただければもっと良いかなとも思います。

―ーアイドルやタレントでも昆虫食好きを公言する方が増えている印象です。昆虫食への愛を、影響力のある方が話すことについては、どのように感じていますか?

【辻さん】昨年ライブで“利き虫”を披露して話題になったアイドル・篠突宇宙さんやタレントの荒川真衣さんに弊社の商品を試食していただいたり、タレントの井上咲楽さんに番組でご紹介いただいたりしています。虫は栄養価が高く、美味しい“食べ物”というカテゴリーを作っていきたいので、広めていただけるタレントさんは全力で応援させていただきます。

野生でも手に入る食材も、生食は厳禁「正しい調理を」

――ユーザーの声で印象的だったものはありますか?

【辻さん】『コオロギ100匹が練り込まれたうどん』を発売した当初に言われた「せっかくパウダー状にして練り込んで見た目にわからなくしてるのに、なんでコオロギそのまんまの薬味なんかつけちゃうの? 本末転倒じゃん!」という的確なツッコミをいただいたことが忘れられません。しかし、新発売の『コオロギ塩』にも、またそのまんまコオロギが入っております。きっと弊社の社長はツッコんで欲しいのだと思います。
――『コオロギ塩』は手軽に楽しめそうですね。昆虫食を日常の食事に無理なくとりいれてほしい思いもあるのでしょうか?

【辻さん】「将来の人口増加や、環境の事を考えて」……などの大袈裟なことではなく「昆虫って食べられるんですよ! 意外と美味しいから食べてみませんか?」から始めればそのうち気が付けばどこでも買える普通の食材になっていると思います。
――ホームページのユーザーレビューがとても見やすいですが。

【辻さん】単純に皆様がどう思っているのかをお聞きしたいのと、昆虫食を買う方ならきっとユニークなレビューをいただけるのではないかという期待を込めて大きく掲載してみました。

――街で捕まえた昆虫を調理して食べる、という方もいらっしゃるようですが、危険性はないのでしょうか?

【辻さん】人体に悪影響を及ぼす寄生虫がいる可能性があるので、生食は絶対にやめてください。
よく洗い、必ず茹でる、揚げるなど十分な加熱処理をしてからお召し上がりください。細かく言えば、コオロギ、カマキリなどの雑食性や肉食性の昆虫は、採取して1〜2日絶食させて糞を出し切ってから調理する事をオススメします。

――今後、昆虫食はどのようになっていくと思いますか?

【辻さん】人口が爆発的に増えても、環境が悪くなっても、既存の牛肉や豚肉は絶対に無くならないし、魚も食べられ続けると思います。美味しいですからね。昆虫の優秀な栄養成分と味の良さが世間に認知されれば近い将来、エビや小魚のような感覚で昆虫が店頭に並んだり、健康食品の原料になったりすると考えます。今はその入り口なのではないかと思っています。

information

◆バグズファーム 公式サイト◆

https://bugsfarm.jp/

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