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「炎上よりも エンジョイを」、“バイトテロ”作品が『アルバイト川柳』グランプリ
求人情報の老舗『an』、“バイトテロ”ネタをあえてグランプリにした理由
同企画を担当するパーソル キャリア株式会社の亀田郷平さんは、“バイトテロ”問題を彷彿させる作品をグランプリにした意図を語る。
「アルバイトとは本来、初めてのお給料や仲間との出会い、胸がときめく恋など、とってもワクワクする楽しいものであると思っています。実際に大多数の人たちは、仕事や職場に誇りを持って楽しんで働いているんです。本作品は、働くことにポジティブなメッセージをストレートに伝えているものだったので、グランプリに選びました。」
求人情報サービスの老舗である『an』としては、“バイトテロ”多発の理由をどう考えているのか?
「アルバイトの楽しさややりがいをもって働いていれば、アルバイト先のことが好きになって、このような事件は起きにくいと考えています。好きなれる職場を提供するために、働く側と雇用する側との最適なマッチングを行うことが、我々のような情報を提供する側にとって一番大事なことであり、問題の解決に繋がると考えています」
キャッシュレスや中年採用、身近なアルバイト事情を映す鏡
このように、リアルタイムの事象を切り取る『アルバイト川柳』だが、開始からは15年の年月が経ち、時代による変化も見られるそうだ。
「第1回のグランプリ『10円を 愛しく感じた 初昇給』、そして第2回目の受賞作『お前もか あの子目当てで シフト決め』などは、まさに“バイトあるある”ですよね。第5回目くらいから、○○王子(『おばさまに シール王子と 迫られる』)、こども店長(第6回『うらやましい こども店長 俺バイト』)のように、時事ネタが増えてきました。ここ2〜3年の傾向としては、AIやインスタにまつわることなど、ITトレンドに関するワードが急増していると言えます」。
また、若者が多いせいか「お笑いネタも多い」とか。
「今回、チョコレートプラネットさんの“そろりそろり”を取り入れた作品なども寄せられました(バイトデビュー賞『初バイト そろりそろりと 皿運ぶ』)。まさにバイトをしている若い人の、リアルな声が寄せられているんだと思います」。
働く人々の川柳といえば、32年もの歴史を持つ『サラリーマン川柳』を思い出す人も多いだろう。それに比べて、アルバイトをテーマにしている特性上、投稿者の年代が比較的若い。応募内容にもより軽やかさが感じられ、時事ネタや流行が敏感に取り入れられているのが『アルバイト川柳』の特徴だ。