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(更新: ORICON NEWS

インフルエンサーの価値が暴落? ガチフォロワーが支持する「アイドル化したレイヤー」

いまインフルエンサーとして価値が高いのが「コスプレイヤー」だという。“日本一”のコスプレタレント・えなこ(C)oricon ME inc.

いまインフルエンサーとして価値が高いのが「コスプレイヤー」だという。“日本一”のコスプレタレント・えなこ(C)oricon ME inc.

 ゲーム業界、出版業界、タレント事務所がいま注目しているのが「コスプレイヤー」だという。これまで、広告業界ではインフルエンサーが重宝されていたが、SNSの「フォロワー数」、「いいね」などが購入できることが判明してからは価値が暴落。もともと、思ったよりも反応が得られないケースもあり、業界全体がその価値に懐疑的になっていた。そんな中、コスプレイヤーが持つフォロワーの価値が注目されつつあるという。そこで、凋落するインフルエンサーと、アイドル化するコスプレイヤーの現状について、元週刊誌の芸能記者でアイドルやコスプレイヤーのキャスティングに携わる豊沢朱門氏に話を聞いた。

“いいね”や“フォロワー”を買う「偽インフルエンサー」たちの実態

 インフルエンサーの価値に対しては、数年前から疑問を呈する人が増えてはじめていたという。そして、その疑義は昨年あたりからより顕著になった。

 「きっかけは、アメリカの企業による“偽インフルエンサー”の調査です」と話す豊沢氏。それは、カリフォルニアのマーケティング会社が、「コメント」や「いいね」を買って偽インフルエンサーを作ったところ、他の企業からそのアカウントに対して広告出演の依頼がきたのだという。

 「偽インフルエンサーは、傍目にニセモノだとばれないように注意深く運営され、フォロワーを購入する際は1日1000人程度。そして、『いいね』『コメント』を買い足しながら、アカウントがちゃんと活動している体を演出しながら成長させました。すると、あるブランドから『モニター商品を差し上げる』という連絡があったそうです」。

 この実験では、約300ドル(3万円程度)で、企業と仕事ができるインフルエンサーになれたのだそう。またインフルエンサーになれるBOTツールもある。これは「いいね」をつけに行ったり、相手の写真に「綺麗な写真ですね」といった定形のコメントを自動ですることでフォロワーを増やす仕組みだ。

SHOWROOMの前田社長も激白「自称インフルエンサーに騙されるな」

 そもそも、クライアントにとって質のよいインフルエンサーとはどんな人たちを指すのか? 「それは、ただのフォロワーの数ではなく、『フォロー』や『いいね』など、ちゃんとリアクション(エンゲージメント)が見込める熱心なファンを抱えているインフルエンサーが評価されています」と豊沢氏。

 一方で、このエンゲージメントの需要性を理解していない企業もある。「一般の会社の決裁権を持つ年配層には、ITリテラシーが低い人が一定数います。そのため、単純に『フォロワー』『コメント』『いいね』の数が高ければ優秀なインフルエンサーだと誤解している人が多い」という。

 インフルエンサーを企業に繋ぐ代理店も、「クライアントのITリテラシーが低いから」という逃げ道を用意しつつ、正しい評価指標を企業に教えず、単純なフォロワーの数を指標にモデルを推薦することもあるそう。そのため、仕事が手軽に回ってくる偽インフルエンサーが横行し、それを囲う事務所が増えたようだ。

 とはいえ、そうした“偽インフルエンサー”の存在に気づく企業もある。それはなぜか?「単純に思ったほどの効果が出ていないからです。当たり前ですよね、買ったフォロワーにいくらアプローチしても、企業のブランディングや、商品訴求、ましてや購入に繋がるわけがない」と豊沢氏は指摘する。

 実際、Twitter社は先ごろ、偽アカウントを一斉削除すると宣言し、全世界で実施。海外では78%のフォロワーを失ったユーザーも発見され、SNSでも話題となったばかり。また、SHOWROOMの前田裕二社長は、昨年放送されたラジオ番組で、「自称インフルエンサーに騙されるな、見分けるリテラシーが必要」と警鐘を鳴らしていた。

次なるインフルエンサーとして脚光を浴びる「コスプレイヤー」

 このように、実績が上がらないインフルエンサーの効果に対して疑問を感じていた企業が、次なるインフルエンサーに目を向けている。「それはコスプレイヤー」だと力説する豊沢氏。

 「最近、コスプレイヤーがTVに出たり、雑誌のグラビアで特集されたりするのをよく見ると思います。それは、インスタグラマーや地下アイドル、グラビアモデルに比べて、彼女たちのエンゲージメントが良いからなんです」と説明。その理由として、彼女を支持するカメコやアニメファンといったオタク層にとって、同じ趣味嗜好を持つという親近感、そして、撮影会やイベントを通じて会えるという点も大きいという。

 かつてAKBが“会いに行けるアイドル”としてアイドル界を革新したが、レイヤーは素人なため、アイドルよりもイベントやSNSを通じて気軽にコミュニケーションが可能。「フォロワーは、レイヤーと知り合いたい、仲良くなりたい、という“下心”のある男性ユーザーが多く、レイヤーの行動に対してレスポンスがよい。つまりエンゲージメントが高い。“男性でオタク”というセグメントも明確で、その層に広告を打ちたいクライアントにとって、レイヤーはもっともコスパがよい」のだそう。いわゆるレイヤーの“アイドル化”が進行しているのだ。

レイヤーの囲い込みで“レイヤーバブル”到来!?「次に起こるのはレイヤーの淘汰」

 さらに、レイヤーが企業に指名される理由は他にもあるという。「それは起用する際のギャラの安さです。1万フォロワークラスの子でも、1日1万円(交通費)で起用可能です。また、通常のタレントとは違い、物販のキャンペーンガールとしての対応なども快く引き受けてくれるため、企業にとって“使い勝手”がいい」という。

 そして、こうしたレイヤーのパワーに気づいた芸能事務所が、いま続々とレイヤーの囲い込みに走っている。同時に、自分たちの価値を意識し始めたレイヤーもいるという。「そうなると次に起こるのはギャラの上昇ですね。それと共に、今後はマネジメント能力のないレイヤーの淘汰も始まると思います」と豊沢氏は予想する。

 偽インフルエンサーの凋落と連動するかのように起きたコスプレイヤーたちの“アイドル化”。次なる展開は、更なるレイヤー文化の発展か、それともレイヤーバブルの崩壊か? 今後のコスプレ業界の同行に注目したい。

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