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鉄板の「美女×食べる」系CM、“ギリギリセーフ”を狙う表現方法

  • 大口を開けて豪快にお茶漬けを食べる小島瑠璃子(C)ORICON NewS inc.

    大口を開けて豪快にお茶漬けを食べる小島瑠璃子(C)ORICON NewS inc.

 「美女×食べる」系のCMは抜群の親和性を誇り、視聴者に強烈なインパクトを残している。新垣結衣が可愛くラーメンをすする「チキンラーメン」、杉咲花から浜辺美波にバトンタッチされた「味の素クックドゥ」のCMなど、美女がおいしそうにものを食べる姿は商品アピールの定番。平昌五輪でも人気を博したカーリング女子の“もぐもぐタイム”や、SHOWROOMでの“もぐもぐ配信”等々、美女の食事シーンの需要は常に高いのだが、一方では女性が豪快に食べるシーンに対して下品や不快との声が上がることもあり、なかなかデリケートな問題でもある。テレビの規制が厳しいと言われる昨今、制作側も下品に見えないようギリギリのラインを模索している。そんな「美女×食べる」系のCM事情とは?

「美女×食べる」CMは女優・アイドルの登竜門、“ギャップ萌え”や“艶美”なインパクトも

  • 美味しそうにアイスを頬張る中条あやみ(C)ORICON NewS inc.

    美味しそうにアイスを頬張る中条あやみ(C)ORICON NewS inc.

 最近の「美女×食べる」系CMを思いつくままに挙げても、小島瑠璃子が味噌汁をすすり、お茶漬けをかき込む「永谷園」、中条あやみが「ハーゲンダッツ」を艶っぽく食べたり、綾瀬はるかが「ジャイアントコーン」にかぶりつくシーン等々、いくらでも出てくる。また、「美女×食べる」がシリーズ化されているCMも多く、「クノールカップスープCM」では、小泉今日子、宮崎あおい、長澤まさみ、川口春奈、「ポッキーCM」でも石原さとみ、新垣結衣、忽那汐里と、女優・アイドルの登竜門的なCMにもなっているのだ。

 男性が豪快に大口を開けて食べるのは当たり前だが、女性となると話は違う。まして美女ともなれば“ギャップ萌え”で元気が出るイメージもあるし、場合によっては艶美にさえ感じるだろう。だからこそ、まだ売り出し中の知名度の低いタレントでも、「あのCMの美女は誰?」の決まり文句で注目もされるし、商品自体の訴求力も高まるのだ。

女性が大口で食事する“豪快さ”と“下品”は表裏一体

 しかし、女性がモリモリ食べるシーンは“下品”と背中合わせとも言える。杉咲花や浜辺美波の「味の素クックドゥ」のCMは、おいしそうに食べる様が異様に食欲をそそる一方で、そしゃく音や食べ方が不快という“批判”もあったという。かつてAKB48が出演した「ほっともっと」のCMでも、食べ方が不快という一部意見があった。実際、一般社会でも食事中にクチャクチャ音を立てる人は“クチャラー”などと呼ばれ、「生理的にダメ」などと陰口を叩かれることが多い。

 とは言え、「一番搾り」のCMで満島ひかりがご飯に肉を巻いて食べるシーンなどは、一見下品ともとれる男っぽい食べ方なのだが、あまり不快感もなく、SNSでも批判の声はほぼない。むしろ、CM総研の銘柄別CM好感度ランキング(2017年9月)では、6位にランクインするという高評価を受けている。

 つまり、CMのストーリーや食べ方、そしゃく音やBGMなど、微妙な演出の差異によっては、“心地よい豪快さ”と“不快な下品さ”がはっきりと分かれるということなのかもしれない。

クレームや規制をクリアしながらクリエイターたちはギリギリの演出を模索

 ある意味、“ハードルが高い”とも言える食事シーンの“限界”に日々挑戦するCM業界だが、やはりTVの表現規制の一番の矛先はTV-CMだと言える。過去には人気若手女優が出演したCMで発したセリフが、性的なものを想起させるというクレームを受け、放送中止に追い込まれた事例は多々ある。

 また、近年のビールCMについては、2016年7月より広告規制を強化。「テレビ広告での喉元を通る『ゴクゴク』等の効果音は使用しない」、「お酒を飲むシーンについて喉元アップの描写はしない」などの規制を設けられ、やりすぎとの批判も受けている。だが一方で、近年はおいしそうに“酒の肴”を食するシーンも挿入されるなど、各社がシチュエーションの工夫を競うようにもなっており、それだけCMの表現力が豊かになって影響力を増している結果とも言えなくもない。

 テレビ業界では制作に神経を使う「美女×食べる」系CMだが、ネットではそれに逆行するような過激な作品が登場している。2016年にWEB限定で配信された『辛萌(からもえ)動画』は、「美女×食べる×汗」のフェチ全開動画が話題を呼んだ。出演者も女優・武田玲奈、コスプレイヤー・御伽ねこむ、グラドル・今野杏南らと豪華な顔ぶれで、マニア心をくすぐったのだ。

美女の“そしゃく音”動画にハマる視聴者が急増、“もぐもぐ配信”などジャンルも多角化

 そして今年、カーリング女子の“もぐもぐタイム”も話題となった。真剣勝負との“ギャップ萌え”でもあり、無防備な姿に惹かれたわけだが、NHKまでが「【ノーカット実況なし #モグモグ 動画】お待たせしました!」などとTwitterで動画を投稿するほどの人気となる。また、「SHOWROOM」でも“もぐもぐ配信”が人気になり、3月末に行なったAKB48・小栗有以のもぐもぐ配信はファンの間で話題になるなど、「美女×食べる」の多角ジャンル化も進んでいるのだ。

 その“終着点”とも言うべきものが「そしゃく音動画」だ。YouTubeを中心に流行っているのだが、食べるときに発生するそしゃく音がひたすら流れるだけというもの。“もぐもぐ”と言えば聞こえはいいが、“ぐちゃぐちゃ”と食べたり、“ごっくん”と飲み込むだけのことなので、人によっては不快感しかなく、賛否が分かれるのもうなずける。ただ氷を噛み砕いているだけの動画が中国発で日本でも話題になったが、こうしたそしゃく音動画は女性が食べるだけに限ったことではなく、「ASMR」(Autonomous Sensory Meridian Response)という動画の新ジャンルで、焚き火のはぜる音など聴覚や視覚への刺激から起こるゾワゾワする感覚を扱うものらしい。

 こうしてみると、「美女×食べる」系の世界には想像以上の広がりと深さがあるようだ。「かわいい」、「おいしそう」、「見ていて食欲がわく」など商品への訴求効果も期待できるが、場合によっては「汚い」、「不快」というマイナスイメージも生んでしまう。それでも「食べる」ことは人間の三大欲求のひとつであり、経済活動の根底にあるものだ。厳しいTV表現の規制の中、「美女×食べる」系CMの制作者たちは日々、新たな表現方法を模索し続けているのだ。

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