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「炎上覚悟」が逆に炎上防止? 本音を言えないSNSでのキラーワードに
最初に断わっておくことで反発の先手を打つ! “逆張り”の手法で炎上防止
そこで実際に共感を得ることに成功したのが先述の『銀座ウエスト』のツイートというわけだが、全文は、「小さなお子様をお連れの喫茶室ご利用のお客様へのお願い:炎上覚悟で申し上げます。大きなお声を出したり、走り回るなどのお子様の行為が周囲のお客様へ多大なご迷惑となっている場合がございますので、くれぐれもご注意の程何卒お願い申し上げます」ということだ。
普通に読めば至極まっとうな意見であり、「炎上覚悟」はちょっと大げさな気もするが、このツイートの後さらに、「昔銀座は特別な場所でした。銀座へ行く時のために、親が銀座ワシントンの靴とヤングエージの服をわざわざ買ってくれたのを思い出します。今銀座も特別な場所ではなくなってしまいましたが、ウエストはそういう場所になりたいと思っています」ともあるので、たしかに“上から目線”と捉える人たちもいるかもしれない。しかし実際は、「あたりまえの意見だと思います。お店の意見を支持します」、「よくぞ言ってくれました」といった好意的な反応が多かったのである。
石田ゆり子ですら炎上対象に! 相手への配慮を示唆した“匂わせ投稿”は逆効果?
今どきの芸能人にとっては、ツイッターやインスタグラムなどのSNSは自分をアピールしたり、広報・宣伝活動のためのツールともなっており、ときには過剰な演出やあざとい発信もあるわけだが、石田の場合はごく普通に日常をそのまま投稿しているだけ。こうなると「石田さんがSNS嫌いになりませんように…」という一般からのコメントにも頷けるものがある。
ただ、こうした相手に配慮を求める要望をやんわりとオブラートに包む手法は、「異性との交際やお金持ちとの交友をさりげなく(逆にあからさまに?)写真などでアピールする」という、いわゆる“匂わせSNS”と同じノリにとらえられることも多い。先述の石田の投稿も、そういった意味では「有名女優という自身の影響力をさり気なく行使している」と捉えられたり、「アパレル店員へ忖度を求めるやり方」と思われてしまうのかもしれない。
「炎上覚悟」に潜む、リスク承知の“ぶっちゃけ”に人は共感
今や“炎上覚悟”とひと言添えれば、その投稿に異議を唱えるほうが格好悪く見えてしまう印象もあるし、文字通り相手も覚悟を持ってぶっちゃけてくるだけに、受け取る側も萎縮してしまうケースも多いのではないか。結果として「炎上防止」に繋がっているわけだが、それは公共のトイレなどでよく見かける「きれいにご利用いただきありがとうございます」という張り紙の持つ“逆張りの心理効果”にも非常に近い。
いずれにしろ、相手に“意見”をする場合は、表現方法は“上”からにしろ“下”からにしろ、断固として伝えるべきであり、自分を安全地帯に置いたままの曖昧な言い方では、何を言っても反発を受けるということなのだろう。