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炎上も芸の肥やし? 稀代のヒール芸人・小籔千豊が“根本”から嫌われないワケ
インスタグラムを有効活用している唯一の男性芸人
多くの大阪芸人がそうであったように、大阪人の強烈すぎるキャラは全国区で受け入れられることは難しく、東京進出のハードルは高い。小籔が他の芸人とひと味違っていたのは“芸人以外の活動”を積極的に行なってきたことだろう。
小籔が企画・主宰した、お笑いを融合した野外音楽フェス『コヤブソニック』は2008年から大阪で開催されてきたが、斉藤和義、小泉今日子などの大物ミュージシャンが参加し、最終的には2日公演、1万人を動員するというビッグイベントになった(2014年で終了)。また小藪はSNSなどのメディアもいち早く活用し、インスタグラムで妙にキレイな爪を披露したり、オシャレなランチの写真をアップしたりして、「女子力が高い!」などと評判になると、いきなり女性ファッション誌とコラボ。何と3誌で芸人初の専属モデルにもなった。さらには、インスタグラムで小藪がしつこくやり続けていた“モデルがしそうな変なポーズ”、通称「カズニョロポーズ」は、世界的モデルのミランダ・カーが自らインスタグラムで披露するまでになったのである。インスタを有効活用して人気を博している芸人としては渡辺直美が知られているが、男性芸人では小籔以外にはいないのではないだろうか。
新喜劇を一番大切にする小籔の“男気”や“誠実さ”が、結果的に好感度を上げている
新喜劇の座長を最年少で務めて以来、『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)を初め、今ではCSのスピンオフ番組『兵動・小籔 おしゃべり一本勝負』に出演するなど、バラエティ番組でも高い評価を受けている小藪だが、同時に「新喜劇以外の活動は、新喜劇の広告塔として考えている」とも公言している。インスタや女性誌などで“イマドキ”を気取りながらも、新喜劇を一番大事にするという“男気”や“誠実さ”は、ともすれば強烈に見える言動を通して視聴者にも伝わり、結果的には芸人・小籔の好感度を上げている要因になっているのではないかと思われる。
いつも強気の小籔だが、今回のドラマ初主演に関しては、「メチャメチャ演技がヘタ」と珍しく弱気だとも伝えられる。小藪なりの謙虚さなのかもしれないが、嫌われることに関しては何も臆することのなかっただけに、ドラマに限らず、これからもそのまま突っ走って欲しいと思う視聴者も少なくないはずだ。
(文:五目舎)