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ORICON NEWS
録画視聴率はリアルタイムに代わる指標となりえるのか?
78.9%がリアルタイム視聴率と同等のデータになると回答
ORICON STYLEでは、来年1月からの本格導入を前に、「タイムシフト視聴率(録画再生率)が、現在のリアルタイム視聴率と同等、もしくはそれ以上重要なデータになると思いますか?」という意識調査を実施。その結果、【YES】が78.9%、【NO】が21.1%となり、もはやリアルタイム視聴率のみで個々の番組の人気を結論付けるのは無理があるというのが大勢を占めていることがわかった。
YESと答えた視聴者の主なコメントとしては、やはり「リアルタイムで視聴できなくても、録画で視聴できる人がたくさんいるはずだから、その率も合わせた方が正確な視聴率が得られると思う」(山形県/10代/女性)、「生活スタイルが多様化している分、そのデータからもいろいろなことがわかると思うから」(群馬県/20代/女性)など、現在の生活スタイルに合った数値を望む声が大半。また「今までの視聴率がひっくり返り、ちゃんとした数字がでると思う」(神奈川県/20代/男性)など、同調査をきっかけに、テレビメディアの新たな“地殻変動”を期待する声も目立つ。
また、NOと答えたユーザーの主なコメントとしては「今までの視聴率調査もそうだけど、あまりにブラックボックス過ぎる! 録画視聴率も信用しきれない部分がある」(東京都/30代/男性)、「局側は視聴率とか気になるだろうが、今はスマホとかでも見ることができるのであまり関係ないと思う。視聴率が高い=良い番組、視聴率が低い=人気がない番組と一概には言えない」(栃木県/20代/女性)、「そもそも、視聴率って一般人には関係ない」(千葉県/20代/男性)など、なかなか手厳しい意見も多い。
データの価値は高いが集計方法に疑問も
確かに、今回発表された7月期のタイムシフト視聴率ランキングも、首位が『HERO』、2位に『昼顔』(共にフジテレビ系)など、リアルタイム視聴率でも数値が高かった番組が上位を占めており、ある意味でリアルタイム視聴率と反比例するような集計結果を期待した視聴者が少なくないようだ。
視聴者? スポンサー? 誰がための視聴率になるのか
“録画をする”という行為自体の考え方も人それぞれ。ある人にとっては、「この番組はリアルタイムで観たいけど、裏番組は録画でいいや」という考えもあれば、「この番組は永久保存版として残しておきたいから録画する!」という思考もあり、考え方ひとつで録画の価値観が180度変わってしまう危険性をはらんでいる。
テレビ局にとって視聴率という呪縛は、今後も逃れることが出来ない“絶対的なもの”であることは間違いない。そもそも、視聴率データ自体がテレビ局やスポンサーに向けた人気のバロメーターとして開示されたものだからだ。スポンサーではなく視聴者のための番組作りに活かすような番組データ……願わくば、来年本格的に実施されるタイムシフト視聴率には、“視聴者のための”人気のバロメーターとして確立して欲しいと切に願う。
【調査概要】
集計期間:2014年8月12日(火)〜18日(月)
調査対象:合計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員 10代、20代、30代、40代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
番組平均7日内再生率 上位10タイトル(2014年7月〜9月)
※ビデオリサーチ調べ、関東地区
- 順位
- 番組名
(放送局/曜日/時間/放送回数) - 番組平均7日内再生率
- 最新情報
【調査概要】
○関東地区視聴率調査(PM)と同様の調査仕様 (※別サンプルでの調査実施)
○調査エリア:関東地区視聴率調査(PM)と同一エリア
○調査対象:上記エリアに居住する「自家用テレビ」を所有する世帯及び世帯内に居住する4歳以上の家族全員(そのうちタイムシフト視聴可能世帯は約78%)
○サンプリング:国勢調査の統計情報をもとに、無作為一段系統抽出により「基準世帯」を抽出
○調査対象数: 300世帯(約800人)※世帯内個人数はローテーション等により日々変動
○調査方法:音声フィンガープリントによる機械式(PM)調査
関連リンク
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