光石研が語る、自分とは似ていない“渋井直人” 遊べる現場が作り出した好調ドラマ
“おじさんを愛でる”風潮に「そんなことありえない(笑)」
「おじさん、可愛いですか!?そんなことありえないです(笑)。僕は基本的に疑ってかかるほうですから、『騙されんぞ』という気持ちでいます。だって、おじさん同士なんて、集まってもご飯か病気の話しかしないですから(笑)」
そして、意外にも本作が連ドラ単独初主演となった光石に「番手」に対するこだわりを聞くと、その答えは地に足のついたものだった。
「主演は本当に嬉しかったです。撮影前は、自分で大丈夫かという不安もあったんですが、始まってみると出番が多いことが何より楽しいですね。若い頃はできるだけ上の番手を目指していたところもありますが、今はそれより、どれだけ現場でスタッフのみんなと良い意味で遊べるか。良いモノを作るために、どんな時間を過ごすかということが重要です」
出演作がひっきりなしで続くなか、作品選びのポイントについては、「なるべく偏らないように、ふり幅のある仕事をすること」と語りつつ、「基本的にいただいたオファーは断らない。全部応えていきたい」と、どこまでも謙虚で真面目なベテラン俳優の存在感をにじませた。
(文/田幸和歌子)