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ヒットドラマ連発、“ドラマのテレビ朝日”へ? テレビ逆境の時代に愛された局

今期の民放連ドラ1位の平均視聴率を獲得(8/15現在)。テレビ朝日の好調刑事ドラマ『遺留捜査』(C)テレビ朝日

今期の民放連ドラ1位の平均視聴率を獲得(8/15現在)。テレビ朝日の好調刑事ドラマ『遺留捜査』(C)テレビ朝日

 ここしばらくテレビ朝日の刑事ドラマが軒並み好調だ。人気シリーズ『相棒』はもちろん、今期でも『遺留捜査』の全話平均視聴率が12.6%で7月期の民放ドラマ1位。『刑事7人』も11.8%(ビデオリサーチ調べ/8月15日昼現在)と、高視聴率を叩き出している。一方で深夜枠も話題に。前期では『おっさんずラブ』がTwitterのトレンドランキング1位となったほか、今期も『dele』や『ヒモメン』など、尖った切り口のドラマが放送されている。かつてテレ朝といえば報道番組だったが、昨今は“ドラマのテレ朝”へとイメージも変わりつつある。

テレ朝ドラマの躍進の裏に放送枠カラーの浸透

 近年のテレビ朝日のドラマ枠といえば、『相棒』など刑事ドラマシリーズが放送される水曜9時枠、『科捜研の女』などの伝統的なミステリー枠の木曜8時枠、『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』など比較的王道のドラマが放送される木曜9時枠、『TRICK』などエッジの利いた若者向けドラマが放送される金曜ナイトドラマ枠、また2017年に16年ぶりに復活した土曜ナイトドラマ枠などがある。

 最近では、視聴率でもドラマが好調な同局だが、とくに刑事ドラマ枠やミステリー枠の人気は固く、数字も安定しており、ドラマ視聴率ランキングでも上位が定位置になっている。木曜9時枠の木曜ドラマも人気で、先述の『ドクターX』をはじめ、最近では草?剛の人気シリーズ『スペシャリスト』、木村拓哉主演『BG〜身辺警護人〜』、『未解決の女 警視庁文書捜査官』、そして現在は『ハゲタカ』が放送されている。

 この木曜ドラマは、他局のドラマともよく比較される枠。いつ頃から話題になり始めたのかを振り返ると、存在感を示すきっかけになったのは、米倉涼子の松本清張シリーズだろう。当時、木曜ドラマの裏にはTBSの『渡る世間は鬼ばかり』があり、視聴率的に負けることがほとんどだった。だが、2004年の米倉主演ドラマ『黒革の手帖』が『渡鬼』に数字で勝った。このシリーズは、『けものみち』『わるいやつら』へと続いていき、その後も米倉は『公証人 〜THE NEGOTIATOR〜』、そして『ドクターX』と同枠の顔になっていった。

若年層のテレ朝ドラマ視聴習慣を作った金曜ナイトドラマ枠

  • 今期のナイトドラマ注目作、山田孝之と菅田将暉がWEB主演する『dele』

    今期のナイトドラマ注目作、山田孝之と菅田将暉がWEB主演する『dele』

  • 窪田正孝の好演も話題の『ヒモメン』

    窪田正孝の好演も話題の『ヒモメン』

 テレ朝のドラマを語るとき避けて通れないのがナイトドラマ枠だ。この枠の代表作を平均視聴率が高い順に並べると『特命係長 只野仁』『時効警察』『サラリーマン金太郎』『黒い太陽』『信長のシェフ』『歌のお兄さん』『警部補 矢部謙三』『TRICK』などそうそうたる並びになる。この枠は、サブカル好きな視聴者などの間で話題となり、若者を中心に人気を集めていた。

 この枠は、尖った切り口などの評価だけでなく、2007年の『只野仁』の3rdシーズンでの視聴率14.35%など、深夜としては数字も高めなのが特徴。また『TRICK』など、今も続編が望まれている大人気シリーズもあり、この枠がテレ朝ドラマの視聴習慣を作るきっかけになったと言えるだろう。この頃、テレ朝深夜枠を観ていた若者が、歳を重ねて30後半から40代となり、テレ朝ドラマに好感を持ってチャンネルを合わせていることがある。

 そして17年に土曜ナイトドラマ枠がリスタート。前クールの『おっさんずラブ』が大きな反響を呼んだこともあり、最近はちょっとおとなしい印象のあったテレ朝深夜ドラマ枠が息を吹き返した感がある。現在、深夜ドラマ枠では、20代後半から30代の勢いのある若手がプロデューサーとして活躍しているが、若い感性で従来にない、今どきのテーマで作品作りをしているのが見て取れる。

 それができているのは、若手にチャレンジさせる社風だろう。現在上の立場にいるプロデューサーは、テレ朝が数字的に辛酸を嘗めていた時代を知っており、苦労もしている。“現状を打破するためにチャレンジしたい”という若いクリエイターの気持ちを理解しており、フォローしつつ後押しをしている様子。木曜ドラマでも同じことが言える。

刑事ドラマ枠やミステリー枠の好調があってこその挑戦

今期の刑事ドラマ『刑事7人』も好調

今期の刑事ドラマ『刑事7人』も好調

 だが、こうした挑戦ができるのは、刑事ドラマ枠やミステリー枠の好調があってこそ。他局の制作陣が「テレ朝はF3層(女性50歳以上)に全振りしている」と揶揄する所以の枠でもあるのだが、この層や40代にはテレビの視聴習慣がある。現在、ゴールデンタイムにテレビを観る層は40代後半が7割を占めると言われており、テレ朝がこの層の視聴者を大事にしてきた結果の今。ここでの高視聴率があるぶん、深夜枠などで余裕を持ったチャレンジができる。

 少子高齢化という、テレビ的には逆境の時代に愛されたテレ朝。ただ、時代は移り変わっていくもので、テレ朝土曜の顔であった『土曜ワイド劇場』は終了。今は、テレ朝が得意な潮流と釣り場になっているだけで、20年後も同じ視聴者層が同じ人数だけいるとは限らない。つまり魚はいつまでもいるとは限らない。だから深夜枠が重要になる。

 テレ朝は以前より、視聴者層の高齢化については危惧しており、ドラマはもちろん、バラエティでも“ネオバラ枠”として、若者向けの番組作りのノウハウを培ってきた。これは社内的にも力を入れているところで、10〜15年前の金曜ナイトドラマ枠を観ていた層が今のテレ朝を支えているように、今も深夜枠でファンを作り出し未来に続けようとしている。
(文/衣輪晋一)

提供元: コンフィデンス

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