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吉田鋼太郎×貴島彩理P『おっさんずラブ』対談 “攻めている”企画だからこそ大真面目に挑んだ現場

 放送開始直後から大きな話題になっていたピュアな恋愛ドラマ『おっさんずラブ』が、18年4月期の連続ドラマを表彰する『第12回コンフィデンスアワード・ドラマ賞』で、作品賞と助演男優賞(吉田鋼太郎)を受賞した。おっさん同士の純愛ストーリーで人生初ヒロイン役を演じた吉田鋼太郎と、テレビ朝日で“月9”を作りたかったという恋愛ドラマへの熱い想いを持つ貴島彩理プロデューサーに、話題騒然となった今作の裏側を聞いた。

台本を読んでもどう演じればいいのかわからない(吉田鋼太郎)

――2016年の単発ドラマのときから、ヒロインは吉田鋼太郎さんと心に決めていたそうですね。
貴島彩理尊敬するカッコいい上司でありながら、オトメチックに告白をしてくる……という設定を考えたとき、『刑事7人』の現場でご一緒していた鋼太郎さんの顔がすぐに浮かびました。鋼太郎さんなら、人として素敵であり、かつ可愛らしいヒロインを演じて下さるのではないかと。オファーをしたときは、正直受けていただけるか未知すぎて、緊張しました。今でも、よくあのとき引き受けてくださったな……と、心の底から感謝しています。
吉田鋼太郎この作品は、企画だけ聞くと“攻めている”と思われがち。僕にとっても、自分とは無縁の世界だと思っていたので、お話をいただいたのはありがたいけれど、台本を読んでもどうやって演じればいいのかわからない。おもしろおかしくした方が良いのか、大真面目にシリアスにやったほうが良いのか、どちらに振って演技をするのが正解なのか。いろいろな方法があったと思うのですが、実際に現場に入って撮影が始まってみたら、いつのまにか大真面目にやらざるを得ない展開になって、自分でも演じるのがどんどんおもしろくなっていきました。言ってみれば、これまでのどの作品よりも真剣に、本気で向き合っていかないとおもしろい作品にならないというのがわかりました。共演者たちもみんなそう感じていたと思います。撮影に入って早い段階から、現場には自然にそういう空気が生まれていました。
貴島彩理クランクイン前に監督たちとは、おもしろいことをやろうとするのではなく、一生懸命な姿が可愛らしく見えるように作りたいと話していました。でも、現場に入ったらとんでもないパワーを目の当たりにして。座長の田中圭さん、鋼太郎さん、林遣都さんを始め、キャストの皆さんが「嘘をつかずに役を生きる」ということを大切にしてくだって、お互いに刺激しあいながらセッションを積み重ねてくださった。だからこそスタッフは、役を生きるなかで生まれた言葉、空気をできるだけ壊さないように、生の雰囲気を切り取れるように、日々奔走していました。キャストの真剣なお芝居に突き動かされて、できあがった現場だと思います。
――放送開始からすぐに大きな話題になりましたね。
吉田鋼太郎僕の周りのリアクションはすごかったです。今まで出演してきたドラマのなかで一番大きかった。LINEのメッセージはすごく来るし、ツイッターでは吉田鋼太郎がトレンドに上がっているし、第1話から大変なことになってきているなという感覚はありました。
貴島彩理放送開始当初は、どういうふうに視聴者に受け止めていただけるのか、誰かを傷つけてしまうドラマになっていないか、もちろん不安もありました。それを“人と人との恋愛のお話”へと魅力的に変えてくださったのは、キャストの皆さんのキャラクター作りのおかげだと思います。もちろん徳尾浩司さんの作ってくださった脚本という土台がすばらしかった。そのうえで、たとえば、あれだけダメでポンコツな主人公でありながら「みんなから愛されても仕方ない……!」と思える説得力をもたせてくれたのは田中さんの力。キャストみんなが、思わず応援したくなるような演じ方、生き方をしてくださったおかげだと思います。

現代男女の恋愛観を切り取るドラマを作りたかった(貴島彩理)

――難しいテーマを扱ったラブストーリーでしたが、ポジティブなリアクションばかりだったようですね。
貴島彩理もともと難しいテーマに挑もうとか、ボーイズラブ(BL)をやろうと思って始めた企画ではありませんでした。今では『弟の夫』(NHK総合)や『隣の家族は青く見える』(フジテレビ)などLGBTを取り上げたドラマも増えていますが、2016年に企画を出した頃は、世間でもそれを知らない人も多かったように思います。私はただ純粋に「テレ朝で月9みたいな王道恋愛ドラマを作りたい」と思って、自分なりに現代の男女の恋愛観を切り取ろうとした結果、たまたまおっさん同士のラブストーリーが出来上がってしまった。よく「時代を読んでBLドラマに挑戦した」と言われますが、そんな気持ちは今も全くありません。
吉田鋼太郎男性が男性に恋をする……というのは、特殊と言えば特殊なドラマですが、人が人を好きになるということで言えばごく普通。実際に演技をしながら、「男女の性別など関係ない」ということをその通りなんだなと感じていました。圭くんを一生懸命愛するということが日々の楽しみになってきて、本当にどんどん好きになっていく自分がいて、それがドラマをやっていくうえで楽しかったですし、初めての体験でした。彼はオールアップのときに号泣してくれて。そんな現場は今までなかなかなかったので、彼はこのドラマをやってよかったと心から感じているのだろうし、僕も一緒に出演できてよかったと思いました。

――今回のテーマにしたのは、月9のような王道のラブストーリーが今は作りにくいということもあるのでしょうか。
貴島彩理確かに今恋愛ドラマは減っている印象はありますが、狙いがあったというより、日々のふとした恋愛の悩みをドラマにしようと思っただけです。私は、自分自身が家事も料理もしないダメアラサーなのですが、同性の友人にすごく恵まれていて。家に泊めてもらうと、朝私より早く起きて食事を作ってくれて、日々甲斐甲斐しく世話をしてくれるんです。男性でそういう人を探して見つからないなら、女性でもいいのかも……?と普通に思いました。男女ともに働く現代だからこそ、お互い都合のいい異性を探しがちで、見つからないでいる。「もしかして、だから結婚できない男女が増えているんじゃないか」という、私なりのちょっと残念でうがった目線の「恋愛」の切り取り方がこうなったという……。
吉田鋼太郎その企画意図を聞いていたわけではなくて。台本をもらって演じたところ、結果的にビジョンがピッタリあいましたけど……。ガッカリですよ!自分のことだったのかよと(笑)。
貴島彩理企画の成り立ちは、話したことなかったです(笑)。
吉田鋼太郎まあ、逆に大仰なビジョンがないのがよかったのかもしれないですよ。狙いがあるとその通りにいかないことも多いですから。貴島は普段、こういう意気込みとかを現場で口に出す人ではないんですけど、なんとなく漂ってくるんですよ(笑)。20代後半にしてはなかなかない迫力がありますから。現場ではみんなに慕われていますけど。

――吉田さんは、オトメチックで女性的な部長をどう作り込んだのでしょうか。
吉田鋼太郎女性っぽさを意識した演技はしていません。むしろそれはやるまいと思っていました。人を好きになるという感情だけ。女の人に対して好きという気持ちを表すときに、たぶん僕はああいうふうになっていると思います(笑)。上からついて来いというタイプに見られがちなんですけどそうじゃないですし、告白のようなこともなかなかできない。影でドキドキして1人で泣いたりとか、どちらかというと僕はそっちなんで、そんなに役とかけ離れていない。だから、なにかを見て勉強したり、苦労したりというのはとくにありませんでした。ただ、自分のなかでは、オードリー・ヘップバーンが女性のあり方としてNo.1なんですよ。仕草とか動きとか、いろいろなことが。なので、撮影でちょっと女性っぽい動きのときは、自分がヘップバーンになったつもりでイメージしていたと思います。おこがましい話ですけど、目指すところは高かったですね(笑)。
貴島彩理ヘップバーンだったとは!でもなんだか納得しました(笑)。

提供元: コンフィデンス

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