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『dele』脚本は山田孝之、菅田将暉の当て書きだった Pが語るドラマの狙い

 デジタル遺品という今日的なテーマとその切り口の鋭さから、この夏もっとも視聴者を熱狂させている連続ドラマ『dele』。山田孝之、菅田将暉のW主演からゲスト、クリエイターまでそうそうたる顔ぶれを揃え、本企画の舵を取るテレビ朝日の山田兼司プロデューサーは、「膨大なプライバシーがデータとして蓄積される現代は、“何を消したいか”にその人の人生が色濃く出る」とドラマの狙いを語る。

“何を消したいか”にその人の人生が色濃く出る

 中盤に差し掛かった『dele』が、さらなる熱い注目を集めている。山田孝之と菅田将暉という若手きっての演技派俳優がW主演を務め、現代ならではの題材である「デジタル遺品」という斬新なテーマを、鋭い切り口で取り上げる。6人の豪華脚本家による見応えのあるストーリーテリングに視聴者満足度も高く、今期最注目の話題作の1つになっている。

 そもそも同作は、作家・金城一紀氏とKADOKAWAによる、作家と映像メディアを繋ぐプロジェクト『PAGE TURNER』を起点に、ベストセラー作家の本多孝好氏が原案を構想。さらに金城氏が信頼できるパートナーとして、ドラマ『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』でタッグを組んだ山田兼司プロデューサーに企画を託したところからプロジェクトがスタートした。

「デジタル遺品に着目したところが、まさに本多さんの慧眼です。死後に残したい想いをテーマにした作品は昔からたくさんありますが、スマホやSNSに膨大なプライバシーがデジタルデータとして蓄積される現代は、むしろ『何を消したいか』にその人の人生が色濃く出る。題材はデジタルなのに、物語の手触りはアナログで生々しい。これは必ずおもしろいドラマになると確信しました」

脚本の当て書きでキャラクターがより魅力的に

 現在までに小説2巻が刊行されているが、山田プロデューサーに持ち込まれたのは小説執筆前のこと。その時点で設定されていたのは「依頼人の死後に不都合なデジタル記録を内密に削除する」という物語の骨子と、坂上圭司&真柴祐太郎という主要バディなどのキャラクターが中心。本多氏と山田プロデューサーによる緻密な話し合いから、キャラクターの詳細やドラマのプロットが肉付けされていったオリジナルドラマになる。

「企画を社内で通すためには、キャストを含む詳細な企画書が必要。そこで本多さんと理想のキャストを話し合ったところ、お互いに一致したのが山田さんと菅田さん。この2人に連続ドラマで共演してもらうのはハードルが高いだろうとダメ元でしたが、両者ともに企画を読んで意欲を見せてくれました。そこから脚本を2人に当て書きすることで、キャラクターや物語もより魅力的になっていきました」

キャスティングも常に新たな発明をしていくべき

  • 18年ぶりにテレ朝連続ドラマに登場した柴咲コウ

    18年ぶりにテレ朝連続ドラマに登場した柴咲コウ

 毎話のゲストも般若やコムアイ(水曜日のカンパネラ)、野田洋次郎(RADWIMPS)といったミュージシャンから、監督の塚本晋也氏、文学者の高橋源一郎氏など、ドラマでは滅多に見られない顔ぶれが揃った。

「その役をもっともおもしろくしてくれる方をキャスティングした結果です。近年のドラマはゲストも含めて出演者がパターン化している傾向も強い。それはある種の安定化でもありますが、ドラマシーンを前に推し進めるためには、キャスティングで常に新たな発明をしていく必要もあるのではと思います」

 なかでも第5話ゲストとして発表された柴咲コウには、視聴者のみならず関係者も驚かされたはずだ。

「主演の2人もゲストのみなさんもクリエイター陣も、普通だったら深夜ドラマに参加していただくのがあり得ない方ばかりですが、誰もが『この企画だったら』と快諾してくれました。近年は役者も含めて、第一線で活躍している方ほど、クリエイティブで新しいことができそうな作品を重視する傾向が高まっていると感じています」

ドラマ企画で大切なのは“ワクワクの連鎖”

 さらにキャストやクリエイターが決まるごとに、「この人となら一緒にものづくりをしたい」とキャスティングもやりやすくなる好循環が生まれていったという。

「この循環は“ワクワクの連鎖”のようなもので、企画を手がける際に大切にしなければと思っています。本作はまさにワクワクの連鎖の集大成で、その連鎖が視聴者まで繋がっていくように、情報出しから宣伝の仕方も含めて、あらゆる面で新しい挑戦をしなければと思い、取り組んできました」

 ドラマ発表に先駆けた5月には、山田と菅田による共同のSNSアカウント(Twitter、Instagram)が公開。世間をアッと驚かせるとともに「何かが始まる」という期待感がネットに充満し、放送前に10万以上のフォロワーを獲得している。

 さらに第1話の放送前後には、渋谷駅構内で特別展を実施。ドラマにちなんで、一般公募や山田、菅田をはじめとする出演者の声で集めた376件の「自分の死後に消したいデータ」の展示のほか、山田と菅田のSNSで募集したオリジナルデザインのカプセルトイが販売され、夏休みも相まって連日大いに賑わった。ネットで形成されたコミュニティをリアルの場に連れていくことで熱が高まり、情報もさらに拡散=連鎖していく。まさに現代ならではのワクワクの連鎖が起きたと言えるだろう。

 新聞などメディアのドラマ評や視聴者の満足度も高い。TVerやAbema TVでも配信されていることから、視聴率以上の熱が起きているのは確実。ドラマは全8話。付かず離れずのバディの人生が、終盤にかけてどのように交錯していくかも楽しみだ。
(文/児玉澄子)
金曜ナイトドラマ『dele』
EX系 毎週金曜23:15〜(※一部地域を除く)
出演:山田孝之、菅田将暉、麻生久美子ほか
【公式サイト】(外部サイト)
(C)テレビ朝日

提供元: コンフィデンス

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